ゲームボーイの「ポケットカメラ」にキヤノンの望遠レンズを装着可能なアダプタを自作した猛者が登場

1998年に任天堂・ゲームボーイ向けに発売された「ポケットカメラ」は、カートリッジに搭載された小型のカメラで写真を撮影できるというソフトです。写真家のBastiaan Ekelerさんが、このポケットカメラにキヤノンのEFマウントレンズを装着できるマウントアダプターを3Dプリンターで自作し、実際にレンズを装着して撮影した作品を発表しています。
Game Boy Camera Canon EF Mount — Bastiaan Ekeler
http://ekeler.com/game-boy-camera-canon-ef-mount/
ポケットカメラは、アメリカでは「Game Boy Camera」という名前で発売されていました。カートリッジ上部についた丸い部分がデジタルカメラになっています。ポケットカメラは、モノクロ4階調で128×111ピクセルの写真しか撮影できないものの、コントラスト・明るさの調整やセルフタイマーなど多くの機能を搭載していて、今もなおファンの多いソフトです。

by Matthew Paul Argall
しかし、ポケットカメラでは望遠撮影ができません。そこで、Ekelerさんは、所有しているキヤノンの望遠ズームレンズ・EF70-200mm F4Lをポケットカメラに装着できるようなマウントアダプターを、Rhinoceros 3Dで設計したとのこと。

そして、3Dプリンターで出力したのが以下の画像。奥にはポケットカメラのセンサーが取り付けられています。

カメラからレンズ部分を外し、アダプターを実際に装着するとこんな感じ。Ekelerさんによると、レンズの焦点距離を1.4倍に伸ばすキヤノンのエクステンダー・EF14X3も組み合わせることで、最大約3026mmの焦点距離で撮影が可能だとのこと。


ポケットカメラは撮影した写真をポケットプリンタでプリントアウトすることができました。そこでEkelerさんは、Arduino上で動作するポケットプリンタのエミュレーター・Arduino Gameboy Printer Emulatorを使って、撮影した写真をPCで取り込めるようにデータ変換する仕組みも準備しました。

望遠ズームが可能になったポケットカメラを使って、Ekelerさんが撮影したカモメの写真が以下の画像。カモメの背景がいい感じにぼけているので、ポートレートの撮影にも応用できるかもしれないと、Ekelerさんは期待しています。

Ekelerさんが撮影した月の写真はこんな感じ。夜の暗闇の中で、巨大な望遠レンズを取り付けたゲームボーイを手に持って撮影するのはかなり大変だったそうですが、それでもEkelerさんは数ショットの撮影に成功したとのこと。

遠くの水平線に浮かぶ船も、船の細かい形がはっきりわかるレベルで撮影できています。

出力したマウントアダプターの3Dデータは、記事作成時点では公開されていませんが、Ekelerさんによるといくつかの修正を施したのちに公開することも考えているとのことです。
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