あのガルパン最終章にも登場する戦車に搭乗した気分を体験できる4K・360度VRムービーが公開中
「ルノー FT-17」は第1次世界大戦中にフランスで作られ、世界的にも活躍した軽戦車です。最近では、アニメ「ガールズ&パンツァー 最終章」に登場するBC自由学園のマリーが乗り込む戦車として登場し、話題になりました。そんなルノー FT-17が登場してから100年以上が経過した現代に、レストアし走行可能となった状態で4K・360度ムービーとなりよみがえっています。
BBC - Future - The WWI tank that helped change warfare forever
http://www.bbc.com/future/story/20180531-the-wwi-tank-that-helped-change-warfare-forever
ムービーは以下から見ることができます。スマートフォンのYouTubeアプリやVR対応機器で視聴すると、走行時の戦車の様子・音・周りの風景を360度ムービーで体感することができます。
What it's like to drive a World War One tank - YouTube
このルノー FT-17は1918年6月にルノーの工場で製造されたもので、南アフリカの農家が個人的に所有していたコレクションの中で最も古いものの1つとのこと。古い戦車をレストアする団体・Weald Foundationによって、走行可能な状態にまで10年かけて修復されたものです。レストアされたルノー FT-17は最大時速11kmまで加速できるとのこと。
左後方を振り返ると、ルノー FT-17の履帯が見えます。南イングランドの牧草地を進んでいるため、履帯の隙間に牧草が挟まって流れていきます。エンジン音はそれほどうるさくありません。
ぐるっと後ろを振り返ると、ホッチキスMle1914重機関銃を搭載した回転砲塔が目に飛び込んできます。カメラが近いので、重機関銃はかなりの迫力。なお、ルノー FT-17は、全方位に回転する砲塔を採用した戦車です。
再び前方に視線を戻すと、操縦席のハッチは全開になっていて、操縦者の姿がむきだしになっていました。操縦をしているのはWeald Foundationの整備士で、このルノー FT-17の大部分を修理したマーティン・トローズデールさん。ルノー FT-17は左右2本のレバー・スロットル・クラッチ・ブレーキで操縦します。トローズデールさんによると「運転はそれほど難しくはありません」とのこと。
操縦席をのぞきこむとかなり狭く、トローズデールさんが体育座りの要領で収まっていました。シートやクッションはなく、硬い金属の床に直で座るため、座り心地はあまり期待できなさそう。
もちろん、前方のハッチを閉じて走行することも可能。ルノー FT-17には操縦者1名の他、砲塔内に1名で合わせて2名まで乗ることができます。
車庫に戻ってきたルノー FT-17。左側面からルノー FT-17を眺めることができます。このルノー FT-17の塗装は、大学の電子顕微鏡で車体の表面を分析し、当時の塗装がどんなものだったのかを調べて再現したそうです。「994」という番号も、100年前につけられていたものをそのまま使っています。
表面を見ると弾痕が残っているそうですが、これは第一次世界大戦で戦闘中についたものだとのこと。
車庫で後ろを振り返ると、ルノー FT-17の車内図解も表示されていました。
トローズデールさんによると、メインクランクシャフトのベアリングはほとんど作り直さなくてはならず、搭載しているエンジンの修理にはおよそ9か月かかったとのこと。ギアボックスの一部はまだ機能していたそうで、「戦争ではトップギアをあまり使わなかったから、他のギアよりもきれいにのこっていました」とトローズデールさんは笑いながら語っています。後方には機関部の他に、当時使われていた道具箱も装備していました。
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