Google Chrome 67安定版リリース、「サイト分離」機能やセンサー用API「Generic Sensor API」を搭載
Google Chromeの最新安定版「67.0.3396.62」がリリースされました。閲覧サイトを盗みされるのを防ぐ「サイト分離(Site Isolation)」機能が有効になり、センサー情報を取得するための一般的なAPIも搭載されています。
Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop
https://chromereleases.googleblog.com/2018/05/stable-channel-update-for-desktop_58.html
◆サイト分離
Chrome 67ではウェブサイトを独立したプロセスで読み取る「サイト分離」が有効化されています。これにより、サイトに同じ発行元のポリシーが適用されない場合でも追加のセキュリティを確保でき、発行元が同じウェブサイトによって閲覧情報などユーザーデータを盗み見されるのを防げます。なお、サイト分離機能はCPUの脆弱性「Spectre」の緩和策としても有効だとのこと。
ただし、サイト分離機能の利用ではChromeのメモリ使用量が約10%増加します。サイト分離機能はデフォルトで無効になっていますが、アドレスバーに「chrome://flags/#enable-site-per-process」と入力して、「Strict site isolation」の「Disable(無効化)」をクリックすれば機能を有効化できます。
Chrome 67で追加された機能については、開発者向けのムービーも公開されています。
New in Chrome 67: Desktop Progressive Web Apps, Generic Sensors & BigInts - YouTube
◆Chrome OSでのPWA
すでにWindowsやmacOSでサポートされていたデスクトップ向けChromeのProgressive Web Apps(PWA)が、Chrome OSでもサポートされました。
PWAは一度インストールすると一般的なアプリと同様に利用できます。アドレスバーやタブなどなしで、デスクトップ上に表示可能。
形状も自由に変えて、デスクトップの好きな位置に配置できます。
◆Generic Sensor API
ゲーム、フィットネストラッキング、VR/ARなどアプリでセンサーのデータを利用する場面は増えてきています。このセンサーのデータを取得するための汎用APIとして「Generic Sensor API」がChrome 67でサポートされました。
Chromeでは、加速度センサー、ジャイロスコープ、オリエンテーションセンサー、モーションセンサーをサポートします。
◆BigInt
JavaScriptで9007兆以上の「大きな数」を取り扱うために、BigIntがサポートされました。
BigIntサポートで大きな数を正確に計算できるだけでなく、他のライブラリを読み込む必要がなくなるため、ロード・ポーズ・コンパイルの時間短縮にもつながります。
なお、Chrome 67.0.3396.62では、34件のセキュリティバグフィクスも行われています。
・関連記事
「ゲームの音が出なくなった」ことからChromeに追加されたばかりの「音声の自動再生を無効化する」機能が削除へ、5カ月後には再度実装される予定 - GIGAZINE
Google ChromeがFlash利用率を激減させることに成功 - GIGAZINE
Chromeは定期的にPCの中身を「監視」している - GIGAZINE
Chromeの広告ブロッカー拡張機能を装ったマルウェアの存在が判明、すでに2000万回以上ダウンロード済 - GIGAZINE
異様に長いURLから余分なゴミを自動で削除してシェアできる機能がGoogle Chromeに搭載される - GIGAZINE
Google Chromeではユーザーが気づかぬうちにマイクとカメラで録画されている可能性がある - GIGAZINE
・関連コンテンツ