生き物

「子犬が愛らしく見える」理由は犬の生存戦略の1つである可能性を研究者が指摘


子犬の外見はとても愛らしく目に映るものです。この子犬の容姿は、犬が進化の過程で人間に世話をしてもらうために獲得した可能性があるということが、アリゾナ州立大学で心理学の教授を務めるクライブ・ウィン氏らの研究によって示されました。

Dog Pups’ Attractiveness to Humans Peaks at Weaning Age: Anthrozoös: Vol 31, No 3
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/08927936.2018.1455454

Here's When Puppies Are Most Adorable, According to Science
https://www.livescience.com/62576-puppies-peak-cuteness.html

犬はオオカミから進化したものですが、犬とオオカミでは親が子どもを世話する期間に大きな違いがあります。オオカミの子どもは両親によって最大2年間育てられますが、子犬の場合は乳離れする生後約6週間~11週間のタイミングで母親からの世話を受けられなくなります。


このため、子犬の死亡率は乳離れした直後が最も高く、一部の統計によれば、人の世話を受けられなかった子犬の8割以上が生後1年で死亡しています。

動物の子どもに関する過去の研究では、「大きな目」「丸い顔」「小さな口」など、幼児期の動物に見られる特徴に対して人間は「かわいい」と認識するということが示されていました。しかし、「どの年齢が最も魅力的に感じられるのか」という内容に関する言及はこれまでなかったため、この研究では最も魅力的に見える年齢は何歳なのかという点を調べています。

研究チームは、51人の学生に出生時~生後7カ月までの「イタリアン・コルソ・ドッグ」の写真を13枚、「ジャック・ラッセル・テリア」の写真を12枚、「ホワイトシェパード」の写真を14枚の計39枚の白黒写真を提示して、各写真に写っている子犬が魅力的かどうかを評価させました。すると、魅力的と評価された年齢はイタリアン・コルソ・ドッグは6.3週間、ジャック・ラッセル・テリアは7.7週間、ホワイトシェパードは8.3週間という結果になりました。

以下の画像は、実際に学生に提示された写真を9枚集めたもので、上段がイタリアン・コルソ・ドッグ、中段がジャック・ラッセル・テリア、下段がホワイトシェパードの写真で、左の列が出生直後の写真、赤枠で囲まれた中央の列が最も魅力的と評価された写真、右の列が生後7カ月時点での写真となっています。


また、子犬の魅力は3犬種とも出生時が最も低く、生後10週間に到達する前にピークを迎え、その後下降して一定の値で平準化する傾向があることも報告されています。

この研究結果から、子犬は母親からの世話を受けられなくなる乳離れしたタイミングが最も魅力的に見える時期となり、人間の保護を必要とするときに最も愛らしく見えるということが示されました。研究チームは「犬が人間に頼って進化してきたことを示す手がかりになるかもしれない」と述べています。

今回の研究では静止画像のみの評価に絞っており、動物の動きが含まれる子犬のビデオとなると評価が変わる可能性があります。ウィン氏は「正確な評価を行うためには、さらなる研究が必要になる」としています。

・関連記事
秋田犬目線のGoogleストリートビュー「ドッグビュー」が登場 - GIGAZINE

どうやってクモは体長の6倍もの距離を助走なしで正確にジャンプできるのかという研究 - GIGAZINE

人間に見られまくった野生のネズミは見た目が大きく変化すると判明 - GIGAZINE

人間と同じサイズの史上最大級の新種ペンギンの化石が発見される - GIGAZINE

クマに襲われるディカプリオを助けようとテレビに吠えまくるブルドック - GIGAZINE

in サイエンス,   生き物, Posted by log1j_ty