サイエンス

太陽の寿命が尽きた姿は「惑星状星雲」であると研究者が再確認

by NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)

太陽のような恒星は、寿命が近づくと「主系列星」の状態から「赤色巨星」へと変化。そして、じわじわとガスやちりを放出します。やがて、このガスが星の発する光で照らされて「惑星状星雲」と呼ばれることになります。

太陽の最期はこの「惑星状星雲」であるという見方がある一方、これまでの恒星モデルでは太陽の約2倍未満の質量の恒星では目に見える惑星状星雲を形成できないということがわかっていて、科学者の間で問題となっていましたが、新たな恒星モデルによってこの問題が解決され、太陽はやはり「惑星状星雲になる」ことが示されました。

Scientists have figured out when and how our Sun will die, and it's going to be epic
https://www.sciencealert.com/what-will-happen-after-the-sun-dies-planetary-nebula-solar-system


これはニコラウス・コペルニクス大学のクシシュトフ・ゲシキ氏、マンチェスター大学のアルバート・ザイルストラ氏、アルゼンチン・ラプラタ天体物理学研究所のマルセロ・ミゲル・ミラー・ベルトラミ氏らによって行われた研究です。

太陽はおよそ10億年ごとに約10%ずつ明るくなっていて、これから約50億年後に赤色巨星の状態に変化すると考えられています。その後、太陽のガスやちりはだんだんと天体外へと流出し、やがて太陽に照らされて惑星状星雲を構成することになります。しかし、この順序を追うためには、従来の研究に基づけば、太陽の質量は現状の2倍である必要がありました。

惑星状星雲の一例、NGC 2818

by NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)

25年前、天文学者はこれまでに他の銀河で見つかった惑星状星雲がどれも同じように明るいという点に気付きました。古く質量の小さな星の形成する惑星状星雲は、若く質量の大きな星に比べて淡くなるはずですが、実際のデータでは質量の小さな星でも明るい惑星状星雲ができているという矛盾があり、科学者達は気が遠くなるような思いをしていたとのこと。

今回、ザイルストラ教授らは星によって異なるライフサイクルを予想。太陽が目に見える惑星状星雲を形成できる質量の下限近くであることを示し、問題をクリアしました。この新たなモデルによれば、太陽の1.1倍未満の質量では目に見える惑星状星雲は作れず、太陽の3倍以上の質量になるともっと明るい惑星状星雲を作れるとのこと。この間に属する星が作る惑星状星雲の明るさは実際に観測されたデータと極めて近く、ザイルストラ教授は「とてもよい結果です」と述べています。

研究結果はNature Astoronomyに掲載されています。

The mysterious age invariance of the planetary nebula luminosity function bright cut-off | Nature Astronomy
https://www.nature.com/articles/s41550-018-0453-9

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in サイエンス, Posted by logc_nt