ゲーム制作にはどんな専門家が関わっているのか、ゲーム業界を支えるさまざまなクリエイターへのインタビューが公開中

by Army Recruiting

子どもから大人まで、多くの人びとを夢中にさせてくれるゲームは、ストーリー・プログラム・絵・音楽など、その内容に応じた多くの専門家による分業で作られています。ゲーム業界で活躍する多種多様なクリエイターたちへのインタビューが、ゲーム系メディアのVG247で公開されています。

"Game design is like architecture" - video game jobs described by those who do them - VG247
https://www.vg247.com/2018/04/24/video-game-industry-jobs-explained/


◆ゲームデザイナー
ゲームデザイナーのブレンダ・ロメロさんは30年以上ゲーム制作に携わってきました。もともとゲームが好きではありましたが、ゲーム業界に入ろうと明確に決心した記憶はなかったとのこと。また、大学ではテクニカルライティングを専攻していたそうで、ゲームデザインを専門に学んでいたというわけではなかったとロメロさんは語っています。しかし、ゲームに関わる仕事を始めて、多くのゲームデザイナーと一緒に仕事をすることで、ロメロさんはさまざまなことを現場で学んでいったとのこと。

「ゲームデザイナーとはどういう役割ですか?」という質問に対して、ロメロさんは「ゲームデザイナーは建築家と似ている」と回答しています。家を建てるためにはまず設計図を書かねばならず、設計図を書く上で電気や暖房など多くのシステムを考慮しなければなりません。ロメロさんはキャラクターの作成・ゲームのテーマ・ゲームのユーザーインターフェース(UI)に気を配り、システムを含めてゲームの全てをデザインしていると語ります。

by Gotland Indies

◆プロデューサー
Ubisoft品質保証(QA)として6年間働いていたというサリー・ブレイクさんは、退社して約1年半はゲームのテスターとして働き、その後にプロデューサーとしての道を歩み出したそうです。ブレイクさんは昔からビデオゲームが大好きで、ゲーム業界で働くことが目標だったそう。

ブレイクさんによると、プロデューサーの仕事内容は「開発チーム間のコミュニケーションを促進すること」「限られた期間と予算の中で可能な限り最高の品質を保証すること」とのこと。そのためには常に多くの人とたくさんコミュニケーションを取り、多くの問題を解決し、生産計画を立てて常に進捗状況を更新してプロジェクトのリスク緩和に努めなければなりませんが、自分はこの仕事にやりがいを感じているとブレイクさんは語ります。

◆ストーリーデザイナー
ソフィー・マリンソンさんは、初めはゲームを英語に翻訳する作業に携わるフリーランスの翻訳家だったそうですが、2018年5月現在ではArkane Studiosのストーリーデザイナーとして働いています。フリーで活動していた頃は、スーパーやファストフード店でバイトをしながら、ネットでゲームについてのコラムを書いたり自らゲーム制作を行っていたとのこと。

ストーリーデザイナーは、デザイナーや脚本作家が考えたストーリーをゲーム内に落とし込む仕事を行います。マリンソンさんによると、具体的にはゲーム内で表示する文章やキャラクターのセリフを考えたり、声優のキャスティングや演技指導を行ったりなど、ゲームストーリーに大きく関わる内容になっているとのこと。大きな制作スタジオでの作業では、アーティスト・プログラマー・ゲームデザイナーなど他のスタッフとの話し合いを何度も行う必要があるそうです。

◆キャラクターアーティスト
イギリスのティーズサイド大学でコンピューターゲームアートを学んだリズ・エドワーズさんは、バーミンガム市立大学においてビデオゲーム開発で修士号を取得しました。バーミンガム市立大学の研究チームは小規模のゲーム開発スタジオのような環境で、エドワーズさんはチーム内でキャラクターアートを担当していたそうです。

大学を卒業した後、エドワーズさんはCreative Assemblyに就職し、Total War:WARHAMMERのクリーチャーをデザインしていたそうです。エドワーズさんは、与えられたコンセプトアートからキャラクターの高解像度3DCGモデルを作り、それを元に今度はゲームに組み込むための低解像度モデルを作成し、色やマテリアルを定義してテクスチャリングするという、キャラクターモデルを最初から最後まで自分で作るという業務を行っていたとのこと。

by Stefan02

◆コンセプトアーティスト
アンナ・ホリンレイクさんはデ・モントフォート大学でゲームアートを学んでいて、インディーズゲーム開発からゲーム業界に携わっているとのこと。

コンセプトアーティストが担当するのは、ゲーム内に登場する建物の建築様式・照明・衣装などのデザインで、ゲームデザイナーと話し合いながらその場でスケッチして決めていくそうです。ホリンレイクさんは「コンセプトアートの多くは実際のゲーム画面に比べるとそれほど魅力的なものではありません。最終的にどういう見た目になるのかを可能な限り迅速かつ明確に伝えるものであり、ただのスケッチに過ぎません」と語っています。

◆AIプログラマー
プログラマーのアレックス・ダービーさんは大学でコンピューター科学と人工知能(AI)認知心理学を専攻していて、1996年からプログラマーとしてゲーム業界に携わってきたとのこと。当初は家庭用レースゲームのAIの設計を行っていましたが、仕事内容はゲームデザイナーにシフトしていったとのこと。2010年にはインディーズゲーム業界に移り、自ら会社を経営しながらゲームを制作しているそうです。

ダービーさんによれば、AIはゲーム内で人間が操作する部分以外を制御するために重要であるものの、ゲームによってその組み立ては全く異なってくるとのことです。例えばレースゲームのAIであれば、最適なレーシングラインを計算し、他の車を避けるために適切に反応する必要があります。ダービーさんは最適なスピードとレーシングラインで車を操作するために、微積分・物理学・3D軌道データなどを用いて数学的に動きを予測できるようにAIを設計したとのこと。

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ゲームのAIを構築するためには、物理学や工学の知識・人間の心理学をしっかりと理解する必要があるとダービーさんは主張しています。また、ダービーさんは日常的に数学や工学の書籍を読んで勉強しているそうです。

◆物理ソフトウェアエンジニア
Mass Effect:Andromeda」や「FIFA」の物理計算のプログラムを担当していたアレック・カマラさんは、理論物理学で修士号を、光学で博士号を取得というゲームとはほとんど関係のなさそうなキャリアでした。しかし、将来性に不安が残るカマラさんは研究者の夢を諦め、趣味のゲーム制作を活かしてEAへ就職。そこで物理ソフトウェアエンジニアとして働き始めたことが、カマラさんがゲーム業界に携わるきっかけとのこと。

ゲーム内でボールが弾んだり、水・風・布・弾道など物の動きがいい加減になると、プレイヤーの没入感が損なわれるとカマラさんは主張しています。また、これらをゲーム内に再現するためには物理学の高度な知識やC#・UXなどの高水準言語の知識が必要になるとのこと。わずかな計算ミスや目には見えないほど小さな誤差がバグとして拡大していくので、自分で問題を再現して計算し、分析をする必要があるのだそう。自分一人で難問に挑戦するのではなく、さまざまなゲームプロジェクトでたくさんの人と協力しあって仕事を行うので、非常に有益だとカマラさんは語ります。

by Miyaoka Hitchcock

◆テクニカルアーティスト
ルーク・マスケルさんは10代の頃からカウンターストライクMOD(改造データ)を作っていて、大学でもゲームデザインを勉強していました。マスケルさんは当初小さなインディーズ部門でゲームのビジュアル部分を技術的にサポートする仕事についていたそうですが、その後ソニーに入社し、PlayStation Vitaの「Killzone Mercenary」やPlayStation VRの「RIGS Machine Combat League」に関わり、2018年6月にリリース予定の「Jurassic World Evolution」の開発にも携わっているとのこと。「Jurassic World Evolution」がどんなゲームかは以下のムービーで見ることができます。

Jurassic World Evolution Pre-Order Trailer - YouTube


マスケルさんがJurassic World Evolutionで担当した役職は「シニアテクニカルアーティスト」で、ゲーム内で表示されるアニメーションを技術的に再現可能にする業務とのこと。Jurassic World Evolutionではたくさんの恐竜がアニメーションで表示されますが、マスケルさんはアニメーションを作るため、恐竜の骨格を再現した人形を開発したそうです。もちろん業務はこれらアニメーションに関わる部分だけでなく、ツールの開発やプログラムの改良なども行ったそうです。

◆作曲家
ゲームの中で流れる音楽や効果音を制作するのが作曲家やサウンドデザイナーの仕事です。ゲイヴィン・ハリソンさんはゲーム業界で働き始めてから約8年になる作曲家/サウンドデザイナーです。音楽は、教会のオルガンでレッスンを受けたことを除けば、ほぼ独学で学んだそうで、ゲーム以外にもテレビや映画でも作曲の仕事を行っているそうです。

ハリソンさんは、関わる全てのプロジェクトにおいて、自分の意見を自由に発言し、自由に作曲できるようにお願いしているとのこと。ゲームデザイナーやプロデューサーの中にはゲーム音楽について一家言を持っている人も多いそうですが、サウンドデザイナーである自分の意見を軽んじる人とは協力していない、とハリソンさんは語っています。

by Gigi Tagliapietra

また、BGMの作曲だけではなく、効果音を含めてゲームの音響面全てを責任持って担当するのがサウンドデザイナーの務めであり、ゲームの雰囲気を損なわないような「一貫した体験」をプレイヤーに与えることが重要だとハリソンさんは主張しています。

◆声優
シシー・ジョーンズさんは「ウォーキング・デッド」や「ライフ・イズ・ストレンジ」などにも出演している声優です。ゲーム内に登場するキャラクターに声を当てるだけでなく、CM・アニメーション・予告編・プロモーションビデオなどでも活躍しているとのこと。

また、プレイヤーはゲームを進めるためのヒントを得ようと注意深く聞いてくるので、ジョーンズさんはただのNPCを演じる際でも気を抜かずに演技を行わなくてはならないと語っています。

他にも戦闘デザイナー・システム設計者・UIアーティスト・QA・環境アーティストといったさまざまな専門家へのインタビューがあり、以下のリンクから読むことが可能です。

"Game design is like architecture" - video game jobs described by those who do them - VG247

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