キューバの葉巻工場で行われる朗読の仕事とは?
日本では葉巻を吸う人が少ないため、あまり知られていませんが、社会主義国のキューバは葉巻の生産で有名です。その葉巻工場にある一風変わった仕事が「工場の労働者に向けて本を朗読する」というもの。葉巻の生産とは直接関係しないように思える仕事がなぜ存在するのか、Great Big Storyがその理由に迫りYouTubeでムービーを公開しています。
The Storytellers Reading to Cuba’s Cigar Factory Workers - YouTube
「キューバの葉巻」は世界的に有名です。
その葉巻工場で働くルシオ・カンブス・ペーニャ氏は「私は、ただの朗読者ではなく、文化を伝える仕事をしています」と語ります。
「19世紀半ば、葉巻工場で働く労働者の知識が乏しいという問題がありました。そこで、ある葉巻工場では労働者の知識向上のため、仕事中に本を読んで聴かせることになりました」
「それ以降、国内の全ての葉巻工場が労働者の知識向上のため、朗読の仕事を取り入れるようになりました」
労働者は、葉巻の作成に集中しているようですが、しっかりと朗読に耳を傾けているそうです。
ペーニャ氏は毎日朝早くに起きて、葉巻工場に出勤し……
朗読する本と、労働者たちに直接関係するようなニューストピックなどを準備します。
「私は普段から、彼らの生活に関連するトピックを伝えています。そして、記念日や歴史上重要な日になれば、彼らの知見を広げるため、その日付や人物に関係した内容を話すようにしています」
「その後、本を読むのですが、この本は労働者の投票によって選ばれています。前回の投票では、冒険小説が選ばれました」
「今読んでいる『モヒカン族の最後』は、労働者たちによって選ばれたものです」
「この仕事は、労働者たちの文化的な知識を補うことや、毎日の生活に密接に関係するものを伝えることを目的としています。そして、彼らが朗読から日常生活の問題を解決するヒントを見つけ出してくれると信じています」
「彼らの文化的な知見を広げるというだけでなく、日常生活の手助けができるという点で、私はこの仕事にとてもやりがいを感じています」
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