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NASAがソニックブームを発生させない超音速機「X-Plane」の開発に着手したと発表


物体のスピードが音速を超えて超音速に達すると、大音響のソニックブームが発生します。ソニックブームは、はるかに高い上空で発生したとしても地表にそのまま伝わってしまい、深刻な騒音被害をもたらしてしまいます。そのため、超音速で移動する戦闘機や航空機などに存在する共通の問題でした。NASAはソニックブームを引き起こさずに飛行可能な超音速機「X-Plane」の開発計画に着手すると発表しました。

NASA Hires Lockheed Martin to Build Quiet Supersonic X-Plane
https://www.space.com/40187-lockheed-martin-building-quiet-supersonic-jet.html

NASAはソニックブームが発生しない超音速機X-Planeを実現するため、ロッキード・マーティンと契約を結んだことを2018年4月2日に発表しました。委託を受けたロッキード・マーティンは、2022年までに2億4750万ドル(約265億円)で機体を製造することになります。

契約合意の発表は、ドナルド・トランプ大統領がX-Planeの開発に資金を提供する2019年度の連邦予算に署名したことを受けて発表されています。トランプ大統領は今回の決定について「アメリカ企業が高速の民間航空機を開発することで、国内の雇用創出につながります。また、国を横断する移動時間の短縮が可能になれば、新しい市場開拓につながることにも期待できます」と述べています。

しかし、今回開発するX-Planeには、客席が存在していないため、完成しても搭乗することはできません。これは、X-Planeが超音速で飛行しても、ソニックブームが発生しないことを先に証明する必要があるためです。


NASA航空研究本部の副長官のジェイウォン・シン氏は「この有人飛行機のX-Planeは、ソニックブームを小さくして飛行することを目的に作られます。2022年の中頃から実際にアメリカの一部の都市を試験飛行する予定であるため、騒音のような音を聞いた人がいたら、ぜひ連絡してください」と語っており、X-Planeが騒音を引き起こさないことに自信をにじませていました。

また、シン氏は「連邦航空局(FAA)国際民間航空機関(ICAO)に試験飛行による騒音影響がないことを示すデータを提出できれば、民間航空機の超音速飛行を禁止している現行の規則を変更できます。規則が改定されれば、国内外の航空産業に新しいドアを開く事になるでしょう」とも語っています。

開発が予定されているX-Planeは、全長が29メートルで小型のビジネスジェット機サイズ。高度1万7000mの巡航高度で飛行し、音速(約1200km/h)の1.4倍である約1600km/hに達する予定です。NASAの関係者は「X-Planeは無音で飛行できるわけではありません。車のドアを閉めるぐらいの音は出ます」と話しています。

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in 乗り物, Posted by darkhorse_log

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