【訃報】高畑勲監督死去、「かぐや姫の物語」「おもひでぽろぽろ」「火垂るの墓」などを制作

アニメ映画の権威「アヌシー国際アニメーション映画祭」長編グランプリを獲得した3人の日本人監督のうちの1人であり、世界的にも名前が知られている映画監督の高畑勲さんが2018年4月5日(木)、東京都内の病院で亡くなったことがわかりました。82歳でした。

高畑勲監督　訃報 - スタジオジブリ｜STUDIO GHIBLI
http://www.ghibli.jp/info/012850/

高畑勲氏が死去、８２歳　宮崎駿氏盟友のジブリ映画監督　昨夏頃に体調崩し入退院繰り返す (1/2ページ) - 芸能社会 - SANSPO.COM（サンスポ）
http://www.sanspo.com/geino/news/20180406/geo18040605050006-n1.html

「火垂るの墓」高畑勲監督が死去　８２歳｜日テレNEWS24
http://www.news24.jp/articles/2018/04/06/07389791.html

高畑さんは1935年生まれ。東京大学を経て東映動画に入社して演出助手を担当。1968年に公開された「太陽の王子 ホルスの大冒険」が、名義は「演出」ながら初監督作品として知られています。

太陽の王子　ホルスの大冒険(予告編) - YouTube


1971年放送の「ルパン三世」(第1シリーズ)は、大隅正秋監督の目指した対象年齢高めの路線で低視聴率に苦しんだことから、高畑＆宮崎駿コンビが後を受けてコミカルな低年齢向け路線に切り替えが図られました。作品は結局2クールで打ち切られたものの、再評価を受けて第2シリーズ以降が制作され、2018年4月からは第5シリーズ「ルパン三世 PART5」が放送されています。

東映動画から移籍したズイヨー映像では1974年放送の「アルプスの少女ハイジ」、1976年放送の「母をたずねて三千里」、1979年放送の「赤毛のアン」は特に高畑演出がよく語られる作品です。

赤毛のアン　第1話「マシュウ・カスバート驚く」 - YouTube


1981年公開の「じゃりン子チエ 劇場版」を監督したのち、同年放送のテレビアニメ「じゃりン子チエ」ではシリーズディレクターを担当。このテレビシリーズでは、劇場版のチエ役・中山千夏とテツ役・西川のりおの続投、およびその他の役で自然な大阪弁を話せる人間の起用を条件にしたとのことで、「ガラの悪い大阪弁」が極めて自然に使われる作品となりました。

じゃりン子チエ SPECIAL BOX (初回限定版) - YouTube


1985年に設立された「スタジオジブリ」に宮崎駿とともに所属したことでも知られています。しかし「スタジオジブリ」は、1984年に宮崎駿監督・高畑勲プロデューサー体制で「風の谷のナウシカ」が制作・公開されたのち、得られた資金を高畑監督がドキュメンタリー映画「柳川堀割物語」の制作で使い果たし、事態打開には「宮崎監督の新作映画で収入を得てまかなうしかない」ということになったために設立されたもの。宮崎監督の新作映画こと「天空の城ラピュタ」は1986年に公開され、「柳川堀割物語」は制作に3年かかったためラピュタの公開後、1987年に公開されました。

以降、スタジオジブリの監督として「火垂るの墓」(1988)、「おもひでぽろぽろ」(1991)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994)、「ホーホケキョとなりの山田くん」(1999)を制作。

「山田くん」以降はやや間がありますが、2005年ごろから新作準備に取りかかり、2012年に「かぐや姫の物語」として、宮崎監督の「風立ちぬ」とともに発表されました。

スタジオジブリが新作「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」を発表、約5年ぶりの宮崎駿監督作品 - GIGAZINE

「かぐや姫の物語」は「風立ちぬ」とともに2013年7月公開と発表されていましたが、スケジュールが遅れたことで最終的には2013年11月23日公開となりました。

高畑勲監督の映画「かぐや姫の物語」11月23日公開が決定 - GIGAZINE