サイエンス

ビール腹の正体が巨大な腫瘍だった


「ビール腹」だと思われていた男性の腹部に、実は13.6kgにもなる腫瘍があったことが判明しました。

Doctors remove 30-pound tumor from man's beer belly | Fox News
http://www.foxnews.com/health/2018/03/28/doctors-remove-30-pound-tumor-from-mans-beer-belly.html

Queens man with 'beer belly' has 30-pound tumor removed - NY Daily News
http://www.nydailynews.com/new-york/queens/queens-man-beer-belly-30-pound-tumor-removed-article-1.3865955

A Man's 'Beer Belly' Was Actually a Massive Tumor
https://www.livescience.com/62156-beer-belly-liposarcoma.html

ニュージャージー在住の65歳になるKevin Daly氏は、2015年に15.4kgも体重が減ったにも関わらず、おなかが出たままになっているのを見て「何かが変だ」と感じました。Daly氏は運動をよくするタイプで、ビールを好まないにも関わらず、「ビール腹」だったのです。

以下の写真に写っている男性がDaly氏。左が手術前で、右が術後の様子です。


病院でCTスキャンを受けた結果、Daly氏のおなかには脂肪肉腫と呼ばれる悪性軟部腫瘍があることが発覚。脂肪肉腫は脂肪組織の中で発達していく腫瘍で、主に太ももや膝、腹部で見られます。腫瘍が巨大化することで体重が4.5kg~9kgほど増加しますが、腹部に腫瘍がある場合は「太っただけ」だと見過ごされることも。脂肪肉腫を含めた軟部肉腫の報告数は少なく、罹患(りかん)率は10万人に3.6人といわれています。

脂肪肉腫の存在が発覚した場合、外科手術による切除が行われますが、腹部の脂肪肉腫は臓器と隣接しているために手術が困難になるとのこと。Daly氏の場合、腫瘍が腎臓の1つの近くにあり、完全に腫瘍を切除するまでに4時間を要したそうです。医師らは、腫瘍がこれほどまでの大きさに成長するには10~15年を要するとみています。

手術を行ったJulio Teixeira医師は「これまで切除した腫瘍の中で最も大きかった」「腫瘍のサイズが大きかったため、臓器が正しい位置からずれていた」と語りました。


メイヨー・クリニックによると、脂肪肉腫の原因ははっきりしていないものの、遺伝子コードによって脂肪細胞に変異が起こった時に発生するとのこと。成長した腫瘍は隣接する臓器を圧迫し、限界までいくと患者に不快感など何らかの症状が現れます。ニューヨーク大学ランゴーン・ヘルスのWilliam Huang准教授は「私は年に数回、脂肪肉腫の切除を行います。最近行ったうちで大きかったのは、2014年に切除した9kgの腫瘍でした。この手術は脾臓(ひぞう)、副腎、腎臓の切除を伴いましたが、患者はその後、病気になることもなく生きています」と語りました。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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