iPadネイティブ世代の子どもたちの進化した学習スタイルがすごい
Appleが現地時間2018年3月27日に教育向けイベント「Let’s take a field trip.」を開催し、Apple Pencil対応の新型iPadなどを発表しました。「教育」に対してテクノロジーで支援するというAppleの取り組みの成果についてムービー「iPad — Homework」が公開され、従来とはまったく違ったテクノロジーによってもたらされる「創造性を育てる学習方法」が明らかになっています。
iPad — Homework — Apple - YouTube
「はい、みんな静かにして。先生を見てください」
「グループ3を決めますよ」
「アイビーとマイケル……」
「ライアンとサリーに……」
「トーマス。トーマス、聞いている?」
「宿題は、『重力を調査すること』です」
「いいね。宿題の期限は金曜日だから忘れないように」と先生が告げて、下校時間になりました。
グループ3のメンバーは課題である重力の調査を開始。
大きなスイカと卵を購入しました。
どこかへ出かけるメンバーたち。
到着したのは古い鉄橋。
「準備はいい?」
「ちょっと待って」とiPadをセット中。
エイっと、スイカと卵を放り投げると……
地面で破裂。どうやらガリレオ・ガリレイと同じく落下実験を行っている模様。
「やった!」
「おお~」と叫ぶトーマス。
すごい映像が撮影できたようです。
グループ3のメンバーで作成している実験レポートを開けて……
完了した項目にApple Pencilでチェック。
自転車で次の場所に移動。
やろうとしていることは何となくわかります。
走っていく自転車をiPadで撮影。
ジャンプ台からジャンプする自転車の軌跡が描かれました。自転車の速度も計測しており、速度によるジャンプの高さや飛距離の変化を調べているようです。
iPadでの撮影を続行。
なんと、自転車を丘から放り出してしまいました。
自転車の次はマットレスと、何でも落下させてはiPadで記録。
自宅に戻ったアイビーは……
ARアプリで宇宙について学習中。
宇宙からのアイデアを受けたグループ3のメンバーは、天井から吊り下げられることで、重力がない世界を再現している模様。
サリーがその様子を360度ムービーにしています。
誰か来た?
お父さんが帰ってきました。
どうやらガレージで撮影を行っていたようです。
次は屋外での「宇宙遊泳」のデモ。
分かったことはすぐにレポートに記入。
いろんなものを放り上げたり……
落下する状況を再現したり。
楽しみながら重力を探求中。
跳ねまくる水風船が割れて、水が飛び散りました。
少々の水ならiPadは大丈夫。
画面をふいて、作業再開。
もちろん作業はApple Pencilで。
みんなでレポートを編集中。
プレゼンテーション用にムービーの編集をしている模様。
ということで金曜日。「次はグループ3の発表です」
もちろんプレゼンはiPadを使って行います。
新しいiPadを使いこなして研究発表をする子どもたちの様子は、これまでの教育・学習のスタイルを大きく変えられることがムービーでよくわかりました。
Appleは、これまで40年にわたって教育向けのツールとして製品開発をしてきたという自負があるとのこと。その最新の状況について、教育向けイベント「Let’s take a field trip.」で成果を報告しました。
Thanks to the students and faculty of Lane Tech for being our gracious hosts. Rich with history and forward-thinking — we couldn't ask for a better place to talk about the future of education. @ChiPubSchools pic.twitter.com/YcriSm6eeB
— Tim Cook (@tim_cook)
iPadとMacで、生徒たちは自分のペースで学習し成果を実現 - Apple (日本)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2018/03/students-succeed-at-their-own-speed-with-ipad-and-mac/
アイダホ州のワイルダー小学校。オバマ政権下で立ちあげられたプログラム「Apple ConnectED支援」の対象校の一つで、「教師と生徒がテクノロジーにアクセスできる」ように支援が行われているとのこと。なお、ワイルダー小学校の校区には貧しい家庭が多く、インターネットを利用できる家庭は半数に満たないそうです。
生徒全員にiPadが、教師全員にMacBookとiPad miniが配布されており、教室に設置されたApple TVを使ってテクニカルサポートが受けられるそうです。なお、この学校には授業の終了を知らせ教室の移動を促す「チャイム」がないとのこと。
それは、iPadを利用した学習では教室の移動が必要ないから。
学習の切り替えは、iPad上のプログラムを切り替えるだけでOK。生徒たちは学習内容とスケジュールを自分で選び、自分のペースで学ぶことができるそうです。教師は、クラスルームアプリを使って生徒の学習ペースを知ることができ、個別的なアドバイスが可能になっています。
Apple Pencilを使って、ノートはすべてiPadの中へ。
生徒それぞれが自分のペースに合わせて学習成果を達成できる「パーソナルな学習」が大切だと、ワイルダー小学校の5年生を担当するステファニー・バウアー先生は語っています。
この少年はSwift Playgroundsとロボット、戦艦ゲームを使ってプログラミングを学習しているそうです。
ドローンを使ってプログラミング学習する生徒も。
もちろん、中には集団学習する授業もあります。
iPadやMacBookなどを導入したワイルダー小学校の教室の風景は、「集団で同じ内容を同じ時間に学ぶ」というこれまでの一般的な教室のものとはまったく異なります。従来型の集団授業では、授業の内容についてこれない生徒が半数もいたそうですが、パーソナルな学習によって補講に参加することなく自分のペースにあわせた学習が可能になり、これにより生徒たちが学習達成から大きな自信を得て学習成果が高まったそうです。また、より高度な学習内容に取り組む生徒、ロボットをプログラムする生徒、小説を4作品も書き上げる生徒など、生徒たちはみな創造的な学習スタイルを実践できており、テクノロジーへのアクセスによる学習効果が現れていうそうです。
・おまけ
Appleによる教育への取り組みについては、以下のサイトで詳しく知ることができます。
教育 - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/education/
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