21世紀の教育革命「スティーブジョブズスクール」とは?
現代の子どもは、生まれたときからインターネットが存在し、身近にスマートフォンやタブレット端末があふれた環境の中で生活し成長します。これらのネットネイティブ世代の子どもに必要とされるスキルは、10年前のスキルと異なっており、ましてや親世代のものとは完全に違ったものです。情報社会の子どもたちに最適な教育を目標に、2013年8月、オランダで10校の「スティーブジョブズスクール」とよばれる学校が試験的に運用を開始されました。スティーブジョブズスクールにおける21世紀の教育革命とは一体どのようなものなのでしょうか。
Steve JobsSchools
http://www.educationforanewera.com/
◆スティーブジョブズスクール
スティーブジョブズスクール(SJS)では、子どもたちが学校にもっていくのは筆箱ではなくiPadです。また、始業時間はなく、校舎もつねに開かれているので生徒たちはいつでも登校することができます。従来のようなクラスルームや学年という概念もなく、4歳から7歳のグループと、8歳から12歳のグループがあるだけ。このように従来の学校とはまったく違うSJSの様子がよく理解できるムービーがこちらです。
The unique approach of the Steve JobsSchool in the Netherlands
こちらが生徒の使うiPad。iPadにより、生徒は学校でも外でも同じように学習できます。
単なる知識を詰め込むのではなく、時にはゲームを通じてお勉強。
こちらはSJSの校庭。身体を動かす運動ももちろん大切な時間。
「21世紀のあるべき教育とはなにかを考えたのがSJSです。SJSのプログラムは、子どもたちの社会性を向上させるだけでなく個々の才能を伸ばすことを実現します」と語るリーダーのマリース・デハーンさん。
生徒は個人的な学習教材にいつでもどこでもアクセスすることができます。
各自がゴール(目標)を設定。ゴールは、生徒各個人のものもあればグループのものもあり。
◆sCoolProjects
学習教材は、sCoolProjects(SP)と呼ばれます。
SPでは知識とスキル両方学ぶことができ、学習はテキスト、音楽、ビデオ、プレゼンテーションなどを使って行います。
基本的に、学習は生徒が主体的に行い、補助的にコーチ(先生)がサポートするスタイル。
「自主性を認めることは、ルールを減らすことではない」これがSJSの設計理念です。
SPには締め切りが設定されます。完了したプロジェクトにはコーチもアクセスできますが、その優劣は重要視されていません。
完了したプロジェクトはSJSのデータベースに記録され、生徒は誰でもアクセスすることが可能。
こちらは大人数でのグループワーク。
カリキュラムにはゲームや……
スポーツ……
芸術、文化もあります。
◆Tik Tikツール
SJSでは、生徒はTik Tikツール(TT)という専用のアプリを使い……
生徒の学習計画はカレンダー上で管理されます。
コーチもTTで生徒の学習の進捗を把握でき、グループワークでの指導に活用します。
TTで、生徒同士やコーチとの間で情報をシェアすることも可能。
TTには子どもの両親もアクセスができ、子どもが学校に着いたことも知ることができます。
親は、モバイル端末があればいつでも子どもと一緒に学習計画の設定に参加することができるのです。
◆sCoolSpace
SJSでは、現実世界と仮想世界の2つの校舎があります。これは仮想世界の校舎にアクセスするための「sCoolSpace」というアプリ。
iPadの中に、SJSの校舎とよく似た仮想の校舎sCoolSpace(SS)が再現されています。
生徒は、SSで使うアバターをそれぞれ作成。この少年は宇宙飛行士のアバターを使っています。
SSにはいつでもどこでもアクセス可能。生徒はFacetimeやSkypeを使って友達とビデオ会話ができます。
生徒は、自宅にいながら、SP、SSを使うことで、いつでも学習ができるのです。
SJSはまだ始まったばかりですが、21世紀型の教育スタイルとは、私たちが受けてきたものとは大きく異なるようです。
・関連記事
チェスを義務教育化したアルメニアはその後どうなったのか - GIGAZINE
スウェーデンの学校でマインクラフトを必修科目に - GIGAZINE
大学の授業料が安くハイレベルな教育が受けられる7つの国々 - GIGAZINE
学校でいいことをするとPS3やiPod miniがもらえる教育システムが稼働中 - GIGAZINE
勉強は直接脳にデータ入力する2000年を予想した20世紀初頭の未来予想図 - GIGAZINE
学校の試験に38年落ち続けている74才の男性 - GIGAZINE
・関連コンテンツ