ハードウェア

マインクラフトの世界観でコンピュータエンジニアの卵を育むツールボックス「Piper」


抽象的なことよりも具体的なことのほうが理解しやすいため、目で見て手に触れることが学習の第一歩に適しています。しかし、プログラミングなどのコンピュータ学習は、背景の仕組みを見るのが難しく、ましてや手で触れることができないため、学習の初期段階でスムーズな第一歩を踏み出すことができずに投げ出されがち。そのようなコンピューティングやエンジニアリングの卵たちの「成長の芽」を育てるために、手で触れていじくり回すことができる上に、用いられるツールが大人気ゲーム・マインクラフトという、遊びながらコンピューティング体験ができる学習キットが「Piper」です。

Piper: a Minecraft Toolbox For Budding Inventors by Piper — Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/withpiper/piper-a-minecraft-toolbox-for-budding-engineers

Piperがどんなアイテムなのかは以下のムービーを見れば一発で分かります。

What is Piper? on Vimeo


Piperはコンピュータエンジニアの卵のためのツールボックス。


題材はマインクラフト。コンピュータゲームが大好な子どもたちにぴったりです。


Piperは自分で組み立てられるツールボックススタイル。心臓部はRaspberry Piを採用しています。


モバイルバッテリー「Powerbank」で駆動します。


7インチの液晶ディスプレイを搭載。


マインクラフトをプレイできます。


マインクラフトの世界には回路のミニチュア。


回路の設定操作をマインクラフトで学べるため、ゲームをプレイして楽しみながらコンピュータエンジニアリングに必要な知識を学んだり、工作技術を磨いたりできるというわけです。


Raspberry Pi自体の工作も可能。さまざまな回路や部品を組み込むことができます。例えば、スピーカーを組み込めばゲームがさらに面白くなり、ますます学習が捗るというわけです。


回路を作成してスイッチを取り付けたり……


LEDを組み込んでピカピカ光らせたりと自由自在。


作った回路が正しく機能しているかはマインクラフト上で再現されるという仕組みです。


実際に「エンジニアの卵」たちがPiperで楽しく学ぶ様子は以下のムービーで確認できます。

Piper: a Minecraft Toolbox For Budding Inventors by Piper — Kickstarter


「スマートフォンは楽しいけれど、中ではどんなメカニズムが働いているかは分かりません」と話すのはPiperの開発者のマークさん。


となりでMacBookを使っていた少年が「また壊れた!」とかんしゃくを起こしました。


「どれどれ、見せてみて」とマークさんがMacBookの裏ブタを取り外して分解をはじめると……


「貸して。すげえ、こんな感じになってるんだ」と少年。子どもはみんなメカが大好き。自分の手でメカに触れて学び取ることがたくさんあるものです。


Piperを使えば「手で触って学ぶ」という体験をコンピュータエンジニアリングの学習に活用できるというわけです。


機械がどのような構造をしていて、ディスプレイの奥にある世界はどのような仕組みで動いているのかなどを体感することで、コンピュータエンジニアリングの学習が捗るようにという狙いで生まれたのがPiperです。


教育現場でPiperを子どもたちに手渡すと、みな夢中になっていじくり回すとのこと。


Piperはツールボックス自体を子どもたちが自分で組み立てることからスタートします。スクリーンの世界ではなく現実に手で触れられることがコンピュータエンジニアの卵たちを育てるはず、という考えとのこと。


また、Piperの大きな特徴の一つが、難しい説明書など一切なしで、実際に手に取ればすぐに作業を飲み込めるという、分かりやすさ。


理屈抜きで体感して理解できるところがPiperの重要な設計理念とのこと。


完成したPiperのキットはこんな感じ。


箱は自由にカスタマイズ可能。


学習はマインクラフトを通じて行います。


設計した回路や組み込んだ部品を使ってマインクラフトの世界を操作するうちに、コンピュータエンジニアリングの学習ができるという仕組み。


宇宙飛行士をナビゲートするミッションを通じて、子どもたちはコンピュータエンジニアリングの基礎を身につけられるというわけです。


好きこそ物の上手なれ。「楽しい」という体験が学習効果を高めます。


マインクラフトを通じてコンピュータエンジニアリングを楽しく学習できるツールボックス「Piper」は、目標金額を5万ドル(約600万円)に設定してクラウドファンディングサイトKickstarterで出資を募集中。プロジェクト開始早々に目標金額をクリアし、すでに18万ドル(約2000万円)近い金額を集めることに成功しています。

Piperプロジェクトへの出資では、149ドル(約1万8000円、送料35ドル)の出資でPiperキット一式をゲット可能。また、記事作成時点では、Raspberry PiとRaspberry Pi用ケースを除いた99ドル(約1万2000円、送料36ドル)の特別プランもあります。


なお、Piperプロジェクトへの出資期限は、2015年4月4日午後1時2分までとなっています。

Piper: a Minecraft Toolbox For Budding Inventors by Piper — Kickstarter

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   動画,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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