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EUの著作権保護目的の監視システム導入案にGitHubが苦言

By Ben Nuttall

EUはインターネット上にアップロードされたコンテンツの著作権を保護するため、監視システムの導入を検討しています。この監視システムは、主にYouTubeなどのストリーミングサービスで配信される音楽やビデオコンテンツを対象にしたものとのことです。しかし、Gitのホスティングサービスを運営しているGitHubによると、検討案の記載内容ではソースコードも監視対象に含まれることになるため、ソフトウェアの信頼性が低下してしまう危険性があるとして苦言を呈しています。

EU wants to require platforms to filter uploaded content (including code) | The GitHub Blog
https://blog.github.com/2018-03-14-eu-proposal-upload-filters-code/

GitHubがソースコード監視システムに対して、問題点として挙げていることは主に以下の3点だそうです。

◆プライバシー保護
監視システムは、EU法において事実上禁止されている「一般的監視」にあたると指摘しています。

◆強力な権限
監視システムが導入された場合、ユーザーとGitHubの中間に入る仲介サービスとしての位置付けになります。しかし、EU法では仲介者であってもコンテンツの監視は禁止されており法律と矛盾してしまうとのこと。さらに仲介サービスが違法行為と見なせば、自由にコンテンツを削除することを許されています。このため、監視システムが仮に誤って削除した場合でも「違法行為の可能性があったから……」と理由があれば責任に問われない可能性が高く、監視システム側の権限が非常に強力になることを懸念しているようです。

◆非効率
監視システムが誤検知などでコンテンツを誤って削除した場合、システム側が責任を負わないため、直接関係のないGitHubがアップロード者から訴訟を受けるリスクが発生します。監視システム導入によりGitHubは不利益しか被らないことから、かなり不満に感じているようです。

By Paul Downey

GitHubに監視システムが導入されることでソフトウェア開発者にとっても無視できないと指摘しています。ソフトウェア開発者は(著作者)自身が編集したソースコードをオープンソースとしてGitHubで共有したいと考えたとします。しかし、そのソースコード自体も過去に多くのプログラマーによって編集された経緯があったり、複数のソースコードで成り立つソフトウェアの場合には機能によりライセンスが異なることがあります。つまり、プロジェクトによっては複雑なライセンス形態を持つことがあり、監視システムが判断を誤って削除してしまう可能性が高いと考えているそうです。

このため監視システムの導入はGitHubだけでなく、ユーザーにとっても利便性を損ない、本来適用すべきソフトウェアのアップデートなどを行えなくしてしまう危険性が考えられるとのことです。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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