AIで架空のエピソードを自動生成してポッドキャストを配信
By Patrick Breitenbach
インターネット上でラジオ番組感覚で音声データを配信する「ポッドキャスト」を、人工知能(AI)を用いて自動生成する試みが行われています。AIが作成するのは「架空の人物による架空のエピソード」で、まるで実在する人物のエピソードであるかのように、AIが巧みに物語を紡いでいます。
An Artificial Intelligence is Generating an ‘Infinite’ Podcast - Motherboard
https://motherboard.vice.com/en_us/article/evm9zk/an-artificial-intelligence-is-generating-an-infinite-podcast
自動でエピソードを生成するというAIは「SHELDON」という名前が付けられており、作成した音声データはポッドキャストで配信されています。このAIはカリフォルニア大学の学生ジェームズ・ライアン氏によって生み出されたプログラムだそうです。
SHELDONはアメリカの地方に住む架空のキャラクターとエピソードを自動生成するとのことです。生成されたキャラクターは個別に自分の意志や目標、価値観を持っており、キャラクター同士でお互いにやり取りすることもあるそうです。
SHELDONがエピソードを生み出すとき、エピソード中に新しいキャラクターが出てくることがあるようです。SHELDONはほんの脇役程度のキャラクターであっても、1人のキャラクターとして認識しているそうで、いずれはこの新しいキャラクターを主人公としたエピソードを生成する可能性もあるとのこと。
ライアン氏によると「これらのキャラクター達は会合を開き、新しい法案について協議して投票を行うことも考えられます。そして法案が可決された後、キャラクター達の住む町がどんな姿になるかを見届けることができるでしょう」と語っており、架空のキャラクター達がライアン氏の手を離れて独自に物語を作っていることを明かしています。
By Scott Maxwell
記事作成時点で既に「SHELDON」のパイロット版がSoundCloud上にポッドキャストを公開しており、特定の地域に住む架空の人物によるストーリーを視聴することができます。さらに、今後はリスナーの居住地域毎に異なるストーリーを配信し、地域性を持ったポッドキャストを目指していくとのことです。
現在SHELDONが配信しているポッドキャストは以下から聴くことができます。
Episode 1: A Nothing Place by James Ryan
ライアン氏は現在SHELDONに関する論文を執筆中とのことで、しばらくはパイロット版として特定のエピソードのみを配信する予定だそうです。論文の執筆は2018年夏頃に終わる予定とのことで、2019年初頭にはSHELDONのベータ版をリリースできるだろうと話しています。
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