Instapaper10周年、これまでの歩みを振り返るとこんな感じ
「あとで読む」サービスの草分け的存在で人気の「Instapaper」が、2018年に生誕10周年を迎えました。10周年を記念してInstapaper公式ブログがこれまでの歩みを振り返っています。
10 Years of Instapaper
http://blog.instapaper.com/post/170231611161
Instapaperのサービスや使い方は、以下の記事を見ればよくわかります。
保存した記事をあらゆるスマホ・タブレットなどからオフラインであとで読む「Instapaper」の使い倒し方 - GIGAZINE
◆2008年
2008年1月28日に、マルコ・アーメントは「Instapaper」という名前のプロジェクトを発表しました。Instapaperは当初はブックマークを保存・管理するツールとして誕生しました。必要に応じて目当てのウェブページを開くためのブックマークのリストとしてInstapaperは産声を上げました。
4月には「テキストモード」を導入。当時のモバイル回線事情を考慮して、データ容量を大幅に減らすテキストモードはInstapaperの革新的な機能で、いまなお基本的な機能の一つになっています。
7月にはApp Storeでアプリをリリース。初日に2000回以上、月末までに1万5000回以上もダウンロードされる人気のアプリになりました。人気に応えるべく、「オフラインモード」「多様なフォント」「アーカイブ機能」「Give me something to read(オススメ機能)」「チルトスクロール」「9.99ドル(約1100円)のInstapaper Pro」などを矢継ぎ早に投入しました。
◆2009年
2009年1月に、Instapaper初のAPIをローンチしました。これによってKindleがサポートされ、3月には「お気に入り(スター)」も利用可能になりました。
6月にはフォルダ・バックラウンド更新などがアップデートされ、11月にはePubサポート&Kindleへのエクスポート機能が登場。2009年は、多くの機能が一気に追加された飛躍の年になりました。なお、Instapaper Proは4.99ドル(約550円)に値下げされました。
◆2010年
保存に関する全体的な改良が施され、Paywall/マルチページがサポートされ、より簡単にコンテンツ管理ができるように一括編集オプションが導入されました。iPad版アプリの登場によって、ページモードやテーマ、自動ダークモード、アプリ内辞書などが追加されています。
10月にはフルテキストの検索機能を追加した月額1ドル(約110円)の有料オプションを導入。ベストセラー常連のiOS版アプリが「Hall of Fame」を受賞し、「Annual Editors’Choice Awards」にも選ばれました。
◆2011年
2011年2月にはフル機能のAPIがリリースされ、Instapaper 3.0でSNSシェア機能を追加。辞書も刷新され、ズーム可能な画像機能などが導入されました。また、FBIの誤解によるサーバー押収トラブルがありましたが、無事復活することにも成功しました。そして、App Storeから無料版アプリが撤去され、有料版Instapapaer Proのみのアプリ提供に変更されました。
◆2012年
2012年にブックマークレット機能が改良され、より目立つオーバーレイや複数ページにまたがる記事を自動保存する機能などが登場しました。6月にはAndroid版のInstapapaerアプリを2.99ドル(約330円)でリリースし、これに伴いiOS版アプリを3.99ドル(約440円)に値下げしました。また、アクセシビリティ向上を目的に、OpenDyslexieフォントとFS Meフォントをサポートしました。
◆2013年
2013年4月にInstapaperはスタートアップ支援のBetaworksに買収されました。新体制によってバックエンドのインフラ改造やサイトの再設計、Chrome拡張のスタート、その日に最も人気のある記事を紹介するInstapaper Daily機能のベースとなる「InstaRank」の開発などが進められました。
また、iOS 7対応のInstapaper 5.0では、モダンUI、ビデオサポートが導入され、9月には13言語が追加サポートされました。10月にはAndroid版アプリのデザインが変更され、12月にはiPad用UIも再デザインされています。
◆2014年
2014年1月に、Instapaper Weeklyと呼ばれるメールダイジェストの編集がスタートしました。5月のサイトリニューアルでは、ハイライト機能が導入され、それ以来最も利用される人気機能の一つになっています。
また、標準フォントだったGeorgiaからKlim Type Foundryフォントに変更されました。
そして、9月にiOSアプリを基本無料とし有料オプションを用意するFreemium製品へと変更。2011年以来の無料版復活になりました。同リリースで、iOSのシェアボタンから保存する「iOS save extension」にも対応、テキストスピーチ機能も追加されました。
さらにInstapaper 6.1ではiPhone・iPad・ウェブのデザインを統一するべく、現在まで続く保存オーバーレイ、未読数カウント、ハンドオフ機能が追加されました。
◆2015年
ハイライト機能に注釈を付ける機能のリクエストが多かったことを受けて、「Notes」が2015年6月に追加されました。
また、Instapaper 6.2では「速読」機能、新着記事通知機能の「Instant Sync」の追加や、Apple Watchサポートが行われました。そして、Instapaper 7ではサムネイルの追加、iPadデザインの変更、マルチタスクサポート、ムービー再生のピクチャーインピクチャーなどの新機能が追加されました。
◆2016年
パーサを刷新した「Instapaser 1.0」が2016年1月にリリースされ、表示速度を10倍にアップ。YouTubeとVimeoをサポートしました。
5月には検索機能が見直され、6倍高速化、ソートオプション、タイトル検索、完全一致フィルタリング、著者フィルタリング、マルチ言語ソートなどの新機能が追加されました。また、モバイル版ではローカルのオフライン検索も可能に。
Instapaper Weekly Sponsorship、Instaparser開発者APIなどの新しいビジネスツールが誕生し、サードパーティー開発者が記事パーサを利用できるようになりました。
そして、8月にはPinterestによって買収され、Pinterestリソースを追加することで「Instapaper Premiumの無料化」が実現されました。
◆2017年
2017年2月にアクシデントが発生。データの損失こそなかったものの、20時間のオフライン障害が発生しサービスの完全復旧までに5日かかりました。前年までに稼働率99.93%を記録していたInstapaperにとっては大きなアクシデントと言えそうです。
また、Firefoxの拡張機能が追加され、iOS 11ではドラッグ&ドロップのアップデートとiPhone X対応が果たされました。
◆2018年
2018年1月28日に、Instapaper誕生から10周年を迎えました。公式ブログでは、ユーザーのリーディング体験にフォーカスを当てた改良が続けられた過去10年間と同様に、今後もユーザーの声を反映させる改良が続けられる予定だと、新たな決意表明がなされています。
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