ロシア軍がシリアに作った空軍基地が数機の武装無人機に襲われる


ロシア軍がシリアに作ったフメイミム空軍基地が、武装した複数のドローン(無人機)から攻撃を受け、2人の兵士が死亡しています。

bellingcat - The Poor Man's Air Force? Rebel Drones Attack Russia's Airbase in Syria - bellingcat
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2018年1月6日の夜、シリアのラタキア市南東にあるロシア軍の空軍基地「フメイミム空軍基地」が何者かに攻撃されたというツイートが投稿されました。


この攻撃の様子を収めたというムービーや……


ウワサから、これらの攻撃はドローン(無人機)によるものではないかと推測されていました。

「この攻撃は2つの点で興味深い」と記しているのは、元イギリス軍士官のニック・ウォーターズ氏。何が興味深いのかというと、第一にフメイミム空軍基地は戦闘区域から約35km離れているため、反乱軍側が利用可能な火器の射程外にあるという点。第二に、フメイミム空軍基地は2017年12月31日に迫撃砲による攻撃を受けており、その際に4機のSu-24、2機のSu-35S、1機のAn-72を破壊された、とロシアの地元新聞に報じられているという点です。ロシア国防省は7機の戦闘機が破壊されたという報道を否定していますが、2人の兵士が迫撃砲による攻撃により殺害されたことを認めています。また、これらの攻撃はイスラム国(ISIS)が小規模のドローン編隊を使って行った可能性も示唆されていました。

その後、ロシア国防省は公式Facebookアカウントでフメイミム空軍基地がドローンに攻撃されたことを改めて発表しています。ロシア国防省によると、攻撃に使用されたドローンのうち6機を「Russian Electronic Warfare」と呼ばれる機器でハッキングしてコントロールを奪うことに成功しています。ただし、6機のうち3機は無事着陸させることに成功しているものの、残り3機は着陸前に爆発しています。また、空軍基地の対空防御システム 「Pantsir-S1」により、ほかの7機のドローンが撃ち落とされています。

ロシア軍がハッキングに成功した攻撃に使用されたと思われるドローンの1機がコレ。写真を見るとわかるように、ほぼ無傷のまま回収することに成功しています。


以下の2つの画像の中にある赤色と黄色の枠部分を見比べると、同じ部位でも見た目が若干異なっており、2機以上のドローンが撮影されていることがわかります。


ドローンは約3~4メートルほどの翼幅を持っており、構造的には合理的で基本的なものであるものの、本体はテープで固定されたプラスチックシートで覆われているなど、お粗末な作りだそうです。動力はガソリンエンジンで、Muazzaraの町で作られたものではないかと推測されています。


以下の4つ並んだ物体は小型の爆弾。黄色枠部分にあるサーボモーターにより制御されています。


赤枠部分にアタッチメントがあり、ドローンにぶら下げるようにして運ばれます。


爆弾はエポキシ樹脂製のケースの中に爆薬とボールベアリングが入った簡素な作りです。


ドローンの攻撃被害に遭ったのはフメイミム空軍基地だけではなく、1月3日にシリア・ホムスにある軍事工学アカデミーも攻撃されており、1月6日のフメイミム空軍基地への攻撃を含めて計4回もドローンによる攻撃が確認されています。ホムスで撃墜されたドローンのパーツの一部を撮影した写真も公開されており、フメイミム空軍基地で回収されたドローンとほぼ同じ構造であることが見て取れます。


また、黄色の枠部分にはGPSアンテナらしきものが見られます。


ドローンは合板、プラスチックシート、テープなど安価な材料で作られていることがわかりますが、ロシア国防省は「ドローンがGPSを使用して航行している」としており、実際に破壊されたドローンの写真の中でもGPSアンテナと思われるモジュールを確認可能。

また、ドローンが車輪ではなく板の脚を搭載していることにウォーターズ氏は注目しています。ドローンのサイズ的に人間が手で持って発射するようなものではないことから、ドローン用の発射機のようなものを使っている可能性がある、とウォーターズ氏は指摘。加えて、ドローンに使用されている材料や板の脚などから、ドローンは使い捨てで使用されており、発射地点に戻ってくることは想定されていないとウォーターズ氏は推測しています。

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in ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii