「ロゴデザインの極意は何か?」を伝説的グラフィックデザイナーが語るムービーが公開中
ナショナルジオグラフィックやニューヨーク近代美術館(MoMA)、日本生命のロゴなどをデザインしたニューヨークを拠点とするデザイン事務所の「Chermayeff & Geismar & Haviv」は、1960年代を代表するデザイナーであるアイヴァン・シャーメイエフ氏とトム・ガイスマー氏によって設立されました。伝説的な2人のデザイナーに「ロゴデザインの極意とは何か?」と尋ねたインタビューがムービーで公開中です。
60 Years of Logos: Chermayeff & Geismar on Vimeo
「誰かに『いいロゴとは?』と問いかけると彼らがあこがれるAppleやNikeの名前が返ってくるでしょう。彼らは決してEnronとは言いません。ロゴとロゴが表すものは切っても切れないのです」と語るのはグラフィックデザイナーのトム・ガイスマー氏。日本では海遊館の壁画をデザインした人物でもあります。
同じくグラフィックデザイナーのアイヴァン・シャーメイエフ氏もロゴについて語ります。2人は1957年に「Brownjohn, Chermayeff & Geismar」という会社を立ち上げました。
もともと会社の設立にはロバート・ブラウンジョン氏も携わっていたのですが、ヘロイン中毒のため途中でイギリスへと移ったという経緯があり、2017年現在の社名は「Chermayeff & Geismar & Haviv」へと変更されています。
以下が若い頃の2人。2人のロゴは60年代のデザインカルチャーを席巻し、デイヴィッド・ロックフェラーには「チェース・マンハッタン銀行のロゴをもっと抽象的にできるか?」と尋ねられたこともあったとのこと。
その際にデザインされたのが以下のロゴ。
今では建物の中でも大々的に使われています。
ロゴの役目は「識別されること」にあり、ロゴが示すものが「何をしているのか」ではなく「誰であるのか」をはっきりさせます。そして、主張が少ないほど優れたロゴになります。
時間がたつにつれ、ロゴはロゴが象徴するものの性質をいいところも悪いところも含めて受け継いでいきます。
そのため、重要になってくるのは「クライアントを理解すること」。これは「クライアントがデザイナーに言ってくること」とは別のことです。2人はクライアントの会社の文化を知るために数多くのインタビューをこなしたといいます。
「デザインについてではなく、彼らが誰で、何をしているのかについて語り合いました」と語るアイヴァン氏。
「彼らをどう描写するか、というプロセスには、調査と創造性、そして政治を必要としました」
「アイヴァンと私は肩を並べ、行ったり来たりしながら進みました。私たちは性格や『どのようにデザインにアプローチするのか』といった点などで大きく異なったのです」と語られます。
「アイヴァンはやるべきアイデアがあれば、それが全てです。時にアイデアは風変わりなものでしたが、私は彼を尊敬していました。一方で私は何百枚というスケッチを描いては捨てていました」
2人が共に意識を置いていたのは「組織を存続させること」。そのため若いパートナーと組みながら仕事を進めてきたそうです。
「アイヴァンも私も85歳で、あなたがどういう印象を持っていようと、年寄りです」
興味深いクライアントであるかどうかと、いい仕事ができるかどうかは別のことであり、「歩ける限りは、仕事に行き、クライアントが抱える問題についても心配し続けるでしょう」と2人のグラフィックデザイナーは語りました。
なお、アイヴァン・シャーメイエフ氏は2017年12月3日に亡くなっており、このムービーが最後のインタビューとなりました。
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