BitTorrentでのダウンロードはなぜ特定されにくいのか?
「BitTorrent」はP2P技術を使ったファイル転送用プロトコルです。昨今は「BitTorrent」プロトコルを使うクライアントソフトを使って、主にフリーソフトやオープンソースソフトウェアの配信が行われることが多いのですが、これら以外にも音楽や映画配信など幅広い分野に利用用途が広がっています。BitTorrentの技術は画期的なものなのですが、過去に違法ダウンロードに使われていたこともあって、悪いイメージが先行してしまい、ほとんど知られていません。海外メディアのThe Vergeが、BitTorrentの仕組みについて、わかりやすく解説しています。
How torrenting works - YouTube
BitTorrentはファイル転送におけるメジャーな手段のひとつです。
ある調査によると、インターネット上の通信量の半分をBitTorrentが占めているとのこと。
例えば、「シェイクスピアの作品を探している」としましょう。まず、torrentファイルをダウンロードすることから始まります。
torrentファイルを開き、作品をダウンロードするにはμTorrentやTransmissionのような「BitTorrent」を利用できるクライアントソフトが必要です。
もし、シェイクスピアの作品が世界中に細かい切れ端として散らばっていたとしたら、手作業で切れ端を集めて1つのファイルに組み立てるのは事実上不可能。しかし、torrentファイルを使うことで、すべての断片の場所がわかります。
作品の断片をダウンロードしたら……
BitTorrentのネットワーク上で共有して、まだ持っていないファイルの断片を探します。
断片の場所を特定するには、torrentファイルが指定するトラッキングシステムが必要です。
トラッキングシステムは、誰がどの断片を持っているのか追跡して、ファイルを組み立てるための設計図を提供します。
実は、BitTorrentの画期的な部分がここにあって、通常のダウンロードだとファイルを提供するサーバーは1つのみで、人気があってアクセスが集中してしまうと、高負荷に耐えきれず速度が低下したり、ダウンすることもあります。しかし、BitTorrentで人気のあるファイルであれば、ファイルをダウンロードした人がサーバーとなり、しかも、どんどん増えるので、速度が低下するどころか、速くなるというわけです。
「でも、この動画を見ている人は、そんなことを気にしている訳ではないですよね。本音を言えば、BitTorrentでちょっと悪いことをしても捕まらないかが知りたいはず」と、突然イタズラっぽい表情になって語りだすThe Vergeのライター。
「Napsterのようなファイル共有ソフトを使っていた時代にタイムスリップして、私が持っているファイルを正確にウォッチできていれば、捕まっていたかもしれません」
「しかし、今人気のtorrentで同じことをしようとすると、一度に世界中に散らばる1万人を追いかける必要に迫られます。それでも逮捕者がでることはありますが、既にコンテンツ所有者がBitTorrent上での公開をやめていれば、捜査の手が及ぶ可能性は極めて低いです」とのことです。
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