元Facebook幹部が「Facebookは社会を分断させた」とSNS全体について語る

By Esther Vargas

Facebookなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に関しては、人々同士のつながりの新しい形を生みだしたといわれる反面、2016年のアメリカ大統領選で「フェイクニュース」が拡散される原動力になるなど、その負の影響力を危惧する声が指摘されています。そんな中、かつてFacebookで幹部役員を務め、退職後はベンチャーキャピタルを運営しているチャマス・パリハピティヤ氏がFacebookなどSNS全般について「社会を分断させた」という見方を示しています。

Former Facebook exec says social media is ripping apart society - The Verge
https://www.theverge.com/2017/12/11/16761016/former-facebook-exec-ripping-apart-society

かつてFacebookを率いる立場にあったパリハピティヤ氏(画像右)による「SNS批判」は、スタンフォード大学経営大学院で行われた「いかにお金が改革の担い手になるか」についてのトークセッションの中で飛び出したもの。パリハピティヤ氏は2007年にFacebookに加わった後、同社のストックオプション制度で築いた資産を基にベンチャーキャピタルSocial Capitalを立ち上げた人物です。


実際にパリハピティヤ氏が語ったトークセッションの様子は、以下のムービーから見ることができます。

Chamath Palihapitiya, Founder and CEO Social Capital, on Money as an Instrument of Change


トークセッションの中でパリハピティヤ氏は、自身が成長に関わったFacebookについて「とてつもない罪悪感」を感じていると語っています。その理由は「社会が機能する機構を分断させるツールを私たちは作ってしまった」というもの。

とはいえ、パリハピティヤ氏の批判はFacebookにのみ向けられたものではなく、オンラインの世界全体に向けられたものとなっているとのこと。SNSの世界に漂う空気感についてパリハピティヤ氏は、書き込みに対する「ハート」や「いいね」のような仕組みを例に挙げて「私たちが作り上げた、スパンが短く、ドーパミンの分泌によって駆り立てられるようなフィードバックのループが、社会を壊しています」とコメント。さらに「そこにはソーシャルな会話や協力がなく、情報の欠落と曲解された不正確な言動が存在します。そしてこれはアメリカだけの問題でも、ロシアが関与したFacebookの広告問題でもなく、地球全体の問題なのです」と、SNSによって社会の成り立ちが変わりつつある現状について語っています。


その一例としてパリハピティヤ氏が挙げたのが、インド東部ジャルカンド州で起こった事件です。2017年5月ごろ、現地の先住民が住む集落で「子どもを人身売買する組織が暗躍している」というウソの内容を警告する動画がメッセージアプリの「WhatApp」に投稿され、拡散すると、ネットの事情に疎い住民がその内容が事実であると信じてしまい、激怒した住民が関与を疑われた無実の男性6人に集団暴行を加えて殺害してしまったというもの。

幼児人身売買のネット動画信じた住民、6人撲殺 インド 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3128980

「これこそが、私たちが取り組んでいる課題です」と、健康や教育に関するスタートアップを支援する事業を行うパリハピティヤ氏は語ります。さらにパリハピティヤ氏は「悪意のある人物が、多くの人々を操作して、自分のやりたいように行動を起こさせるという極端な例を想像してみてください。それが、今起こっていることです」と語り、一部の人物がSNSを巧みに操ることで、多くの人々の言動を操ることができてしまっているという事実に警鐘を鳴らします。

このトークセッションの中でパリハピティヤ氏は、FacebookなどのSNSのみならず、シリコンバレー全体のベンチャーキャピタル投資システム全体についても批判的な見方を示しています。パリハピティヤ氏の言葉によると、投資家は「クソみたいで、無用で、バカな会社」にカネをつぎ込んでおり、本当に必要と唱える気候変動や病気に関する取り組みを進める企業には見向きもしていないとのこと。さらに、このような企業に投資して儲けた投資家は、「投資スキルがあったのではなく、ラッキーだっただけ」と、シビアな見方を示しています。

パリハピティヤ氏はすでにFacebookをほとんど使わないようにしており、自分の子どもたちに「あんなクソみたいなものを使うことは許していない」とのことです。

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