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世界最大のSNS「Facebook」が抱える闇とは?

by William Iven

Facebook」といえば、2017年6月についに月間利用者数が20億人を突破したという世界有数の影響力を持つSNSです。そんなFacebookが抱える問題点を、テクノロジー系メディアのTNWが指摘しています。

Facebook won the war for your mind. Now it wants your children.
https://thenextweb.com/facebook/2017/12/06/facebook-already-won-the-war-for-your-mind-now-it-wants-your-children/

14歳のナイカ・ヴェナントさんは、Facebook Liveを使って動画をライブ配信しながら、シャワーのノブにスカーフで作った縄をかけて自殺しました。ヴェナントさんのように、自殺する瞬間をライブ配信する少年少女は世界中で後を絶ちません。Facebookは自社のサービスの犯罪性を否定しつつも状況を真摯に受け止め、より多くのスタッフを雇うことで自殺のライブ配信を防止することを約束しています。また、Facebookはユーザーの自殺を食い止めるために人工知能(AI)を導入したことを明らかにしています。

そんなFacebookは、子ども向けのコミュニケーションアプリとして「Messenger Kids」を12月11日にリリースしています。子ども向けの「Facebook Messenger」という立ち位置のアプリで、Facebook Messengerと同じようにメッセージのやり取りや写真・動画の送受信などが可能、さらにペアレンタルコントロール機能も有しています。なぜこのようなアプリが登場したのかというと、Facebookのアカウントは13歳以上でなければ自分で作成することができないからです。

Introducing Messenger Kids, a New App For Families to Connect | Facebook Newsroom


アメリカでは「児童オンラインプライバシー保護法(COPRA)」による規制が存在するため、13歳未満の子どもがアカウントを作成できないようにFacebookはルールを設けているわけです。マーク・ザッカーバーグCEOはこういった規制について、「最低年齢を落とすことは我々が取り組むべき戦いだ」と語っています。その理由についてザッカーバーグCEOは、「私の哲学は、教育は本当に若い時期から始める必要があるということです。規制のため、我々はこの学習プロセスを開始することができませんでした。我々は幼い子どもたちが安全であることを確認するために、多くの予防策を講じています」と語っており、幼いうちからFacebookのようなSNSに触れることで、こういったアプリやサービスとどのように付き合っていくべきかが学べると考えているというわけです。

BlockbusterやBordersといった大企業は「Facebookがなくなる」と予言した人々を馬鹿にしましたが、実際、Facebookは不確実な将来に直面しており、若者の流入がなければ将来の見通しが悪くなることは明らかです。つまり、Facebookは13歳未満の子どもにSNSなどのサービスの利用方法を教えるためだけでなく、若い世代をFacebookに取り込むためにMessenger Kidsをリリースしたと考えることもできます。

by Robert Scoble

そんなFacebookは多くのユーザー情報を収集していますが、その行為自体は悪いものではありません。むしろユーザーは積極的にユーザー情報を提供しており、Facebookはこれを収集して広告に活用するという先見の明を持っており、広告主はそういった広告サービスに資金を投じる用意があっただけともとれます。

そして収集したユーザー情報をもとに、Facebookは「どのユーザーにどの広告を見せるか?」を考えるようになります。Facebookは自身でニュースを配信しているわけではありませんが、広告などを通してニュースや意見広告を配信することはあり、2016年のアメリカ大統領選挙ではFacebookがロシアのフェイクアカウントに1100万円分の広告を販売したように、フェイクニュース拡散の温床にもなったことが大きな話題を呼びました。

他にも、Facebookが差別的な住宅広告を掲載しているという報告書が2016年に公開されています。これはある住宅広告が、アフリカ系アメリカ人、高校生で母親になったような人物、車いすの人、ユダヤ人、アルゼンチン出身の外国人、スペイン語圏の外国人などには表示されないようになっていたとのことで、配信先を意図的に特定の人種や民族に絞っていることが問題視されたわけです。

このようにFacebookはかなり偏った内容の広告を配信したり、配信方法で偏った方法をとることがしばしばあります。これまでFacebook上で広告として配信されることが停止されたのは、「イスラムのスンニ派やシーア派に興味がある」といった内容のもののみだそうです。Facebookが人種や民族に対する差別を含むような広告を配信しているという問題は、記事作成時点でも起こっている大きな問題とのことですが、それでも多くのユーザーはFacebookから離れることはありません。

by Christopher

Facebookが倫理的に大きな問題を抱えていることを知っていながら、多くのユーザーはFacebookを使い続けています。これは「Facebookが他者とのつながりを築くことに役立ち、幸せを生み出す手助けをしてくれるから」と考える人もいるかもしれませんが、決してそのような理由からではありません。

ある研究ではFacebookは人間にとって有害なものであることが示唆されています。研究によると、Facebookは対面での関係を損ない、座ったまま生活を送る「座位行動」の増加を招き、自尊心を損なわせ、中毒状態にする可能性があるとのこと。また、Facebookは羨望の感情を強め、ストーキングや離婚、うつ病の増加をもたらし、学生の睡眠時間を減らし、学業における成績にも悪影響を及ぼす可能性があるそうです。それでも多くの人がFacebookを使い続けているのは、Facebookにはタバコのような中毒性があるからです。

しかし、Facebookが本質的に邪悪な会社というわけではありません。ユーザーの精神的健康に影響を及ぼしていることは明らかですが、Facebookは他のSNSと同様にユーザーを長くサイト上に滞在させる必要があり、その時間が長くなれば長くなるほど広告をたくさん表示できるようになり、その結果収入が増加します。この終わりのないループにより、SNSは収益をあげ、ユーザーは心をむしばまれていくというわけです。TNWは、「SNSは人間の弱点を積極的に活用し、ユーザーをサービスに深く取り込んでいくことで、ユーザーの幸福になるチャンスを殺している」と記しています。

Googleの倫理学者であるトリスタン・ハリス氏は、SNSのこういった手法はまさにマジシャンが聴衆を楽しませるために使うテクニックの悪用事例であると説明しており、「一度あなたが人々を操るためのボタンを押す方法を知ったなら、あなたはピアノを弾くように人々を操ることができるようになります。これはまさにマジシャンがやっていることです。マジシャンは自身の都合の良いように選択肢を設計しているわけですが、聴衆は自分が自由な選択肢を与えられたと錯覚します」と語っています。

by Duncan Odds

そんな恐ろしげなものに進化しつつあるFacebookでは、サービス利用規約に「13歳未満のアカウント作成」を禁止しています。それでも恐らく何百万人もの親は、子どもがFacebookを利用することを容認しています。2011年の調査によると、調査対象となった1007世帯のうち76%が、13歳未満の子どもにFacebookのアカウントを利用させていると回答しました。そのうち、53%はFacebookが利用規約に年齢制限を設けていることを知っており、35%は年齢制限は単なる提案に過ぎないと解釈していたそうです。これはアメリカの法律が抱える欠点を問題提起するだけでなく、SNS自体がこの種の問題をしっかり認識すべきということをよく示してくれる調査結果であるとTNWは記しています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii