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大学の入試偏差値と奨学金の延滞率の相関を調べたグラフ

By GotCredit

日本学生支援機構が公開している「貸与及び返還に関する情報」を基に、大学別の奨学金延滞率を集計した全大学「奨学金延滞率」ランキングを東洋経済オンラインが発表しました。この大学ごとの延滞率が、大学入試の偏差値と相関しているのかをLM-7さんが調べています。

入試偏差値と奨学金延滞率の相関 - A Successful Failure
http://blog.livedoor.jp/lunarmodule7/archives/4779164.html

各大学の偏差値は「最新!大学偏差値情報 2017」で公開されている平均偏差値を用いており、奨学金延滞率(縦軸)と偏差値(横軸)の関係を調べたのが以下のグラフ(クリックで拡大)。国立大学が青、公立が緑、私立が赤で記されており、丸の大きさは大学の在学生の数を表しています。


グラフはTableau Public上で公開されており、大学名で検索したり国立・公立・私立ごとに表示したりが可能。以下はTableau Publicに公開されているグラフを埋め込んだものなので、マウスカーソルを当てると大学名・平均偏差値・延滞率・貸与終了者数・3か月以上延滞者数・学生数が表示されます。


平均偏差値が高くなれば高くなるほど奨学金の延滞率は低くなっており、最も平均偏差値の高い東京大学の延滞率は0.5%。グラフを見ると、偏差値50以上はほとんど横ばいにみえますが、偏差値の上昇と共にゆるやかに延滞率も下がっているともみえます。なお、延滞率が最も高いのは至誠館大学の13.9%で、延滞率が10%を越えているのはこの1校のみ。


奨学金延滞率と大学の平均偏差値の相関係数は0.3なので弱い相関があるといえ、平均偏差値が上がると延滞率が下がるので負の相関があるといえます。なお、有意確率(p値)は0.0001以下なので、たしかに奨学金延滞率と大学の平均偏差値には弱い相関があるといえそう。

グラフの作者であるLM-7さんは、自身のブログ上に「特に私立大学はその傾向が強く(Vizで私立大学だけ表示してみてほしい)、偏差値50以下の私立大学は、偏差値50を延滞率0%として偏差値が2下がるごとに延滞率がおよそ1%ずつ上がる。偏差値が下がるほど延滞の確率が上がるのだ」と記しています。


さらに、偏差値別に奨学金延滞率の分布を記した箱ひげ図が以下のグラフ。一番左のNULLは廃校などで偏差値情報が得られなかったものだそうです。偏差値50未満は延滞率のばらつきが学部ごとにどんどん大きくなっており、偏差値50以上と比べると偏差値が5下がる度に増える平均延滞率も大きくなっているのがわかります。


さらに、奨学金の延滞率ランキングを検索可能なデータに起こしています。


なお、作者のLM-7さんは「大卒と高卒の生涯収入差は4000万円ほどになるらしいがあくまで平均値の話である。平均値を大きく下回る領域では、大学4年間の学費とその間の逸失利益を考えれば、大学進学がペイしない状況が珍しくないのでは無いだろうか。偏差値50以下の延滞率の明らかな上昇は、大学進学が割に合わないどころか奨学金の返済にさえ困る状況に追い込まれている人がこの領域では少なからなず存在することを示している」「奨学金制度が若者に無駄に4年間を浪費させた挙句、莫大な借金を負わせ、代わりにレベルの低い大学を肥え太らせているとすれば理不尽な話だ。受験生自身も彼ら彼女らを支える大人も、本当にその進学が本人にとって良い選択なのか、厳しい目で吟味すべきだ。このページがその一助になることを願う」と記しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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