バックパックに電源とコンセントを内蔵してどこでもPCやスマホの充電ができる「GoPlug Bags」レビュー
PCにスマホ、タブレットなど、複数のガジェットを日常的に使っていると、外出先でバッテリーの残量が少なくなって慌てる事態に陥ることがあるものです。そんなときは市販のモバイルバッテリーを持ち運ぶという方法が一般的ですが、さらにその上を行くバッグ「GoPlug」はバッグとバッテリーを一体化したうえにUSB電源とAC100ボルト電源として使うことができるバッグです。2014年にクラウドファンディングサイトの「Kickstarter」で出資を募っていたプロジェクトがようやく完成品を出荷し、編集部にも1つ届いたのでさっそく使ってみました。
GoPlug Bags
http://www.goplugbags.com/
GoPlugは、バッグの中にリチウムイオン電池を使ったバッテリーと、一般的な5ボルトのUSB電源に加えてAC100ボルト電源を出力可能な電源を一体化したバッグ。その詳細は以下の記事を見ればよくわかります。
大容量バッテリー・各種コンセントを内蔵して出先でも電源に困らないバッグ「GoPlug」 - GIGAZINE
プロトタイプの段階では、バッグのサイド部分にコンセントやUSBポートを装備し、さらにはこの部分がクルリと回転することで多種多様な電源として使えるように設計されていました。
Kickstarterのキャンペーンから約3年、ようやくGoPlugのバッグが届きました。
梱包をといてみると、Kickstarterで見ていたものとは少し違うデザインのバッグが到着しました。
それもそのはず、実はこのキャンペーンは2015年11月に一度キャンセルされており、その後2016年3月に再びデザインを変えて再始動するという経緯をたどっていました。どうやら生産を予定していた工場があまり協力的ではなく、もとの仕様のままでは継続するのが難しくなった模様。Kickstarterなどのクラウドファンディングではたびたび発生するトラブルですが、今回はプロジェクトが再始動してきちんと製品が届くという立派な対応が採られています。
GoPlug - Powering Mobility by Josh Cross — Kickstarter
再始動に従ってラインナップが変化しており、このバッグは「Computer Backpack」と呼ばれています。これとは別にトートタイプのバッグも用意されています。
背負う部分は適度にパッドが入ったデザイン
太め・厚めの肩掛け部分になっているので重量が分散され、耐久性も悪くなさそう。
実際に背負ってみるとこんな感じ。身長170cmの編集部員の場合だと、背中をほぼ全て覆ってしまうほどのサイズになっていました。
腰パッドの部分にはチャック付きのポケットがあるので、小物を入れておくのに使えます。
サイド部分にはペットボトルなどを入れておけそうなポケット
背中部分はチャックでガバッと開くようになっており、大きなものが入れられる収納エリアになっています。写真では12.1インチサイズのLet's noteを入れてみましたが、まだまだ余裕タップリな感じ。15インチサイズのノートPCでも十分収納することができそう。
表面は毛皮のようなモフモフっぽさのある素材が使われており、デリケートなものを入れておくこともできそうです。
隅にはケーブルホールが空いており、ACアダプターなどのケーブル類を通せるようになっています。
バッグ前面にはチャック付きの小物入れが2つ。とにかくこのバッグは収納が多く用意されているので、細かい荷物の整理に役立ちます。
前面のチャックをガバッとあけると、中にはこのバッグのウリである内蔵電源ユニットが入っていました。
電源ユニット「Smart Power Bank」はバッグとは別体式。個別のパッケージに収められています。
箱の中には、Smart Power Bankの本体と充電用アダプター、変換ケーブルと取り扱い説明書が入っていました。
Smart Power Bankは約20cm×15cm×5cmという思いのほか大きめのデバイス。この中にリチウムイオン電池と、そこからUSB用の5ボルトやAC100ボルトを作り出すレギュレーターなどが内蔵されています。
端子面には、左からAC100ボルト用コンセント、USB電源ポート×2、バッテリー残量メーターと切り替えスイッチ、電源ボタン、そしてDC12ボルトとDC19ボルトの出力端子、内蔵バッテリー充電用の電源入力端子が並んでいます。
スイッチは4段階の切り替え式となっていますが、取説の説明が不十分なため、どの位置がどのような機能を持っているのかが少し不明瞭な状態。いちばん左にするとAC100ボルトとUSB電源が供給されるので、今回はスイッチを固定して使ってみました。
ちなみに、DC12ボルト/19ボルトの端子とケーブルはそれぞれ専用形状となっており、挿し間違えを防止するようになっています。
裏面はこんな感じ。よく見ると下の部分に切れ目が入っており……
手に持っている「ドッキングステーション」をマグネットで脱着可能な仕様。ドッキングステーションとは名付けられていますが、実際には12ボルトとUSB電源のコネクターがついているだけなので、実質的には端子の向きを前後で入れ替えるための設計になっているようです。
内蔵するリチウムイオン電池の容量は、[email protected]ボルト換算。
内蔵バッテリーの充電には、専用のアダプターだと4時間、自動車の電源からだと5時間、別売りの持ち運び式ソーラーパネルだと6時間から12時間かかると記載されています。また、出力はUSB端子は最大2A/10W、12ボルト端子は9.7A、19ボルト端子で5.7A、そしてAC110ボルト電源は80ワット/ピーク120ワットを供給することが可能。
重量は約1kgと、予想以上にズッシリしていました。
まずは専用アダプターにつないで内蔵バッテリーを満充電にします。製品到着時には75%程度の残量がLEDインジケーターで示されていました。
充電しながらバッグの続きを。バッグ内部は広めのスペースが広がり、小物入れも充実しています。
12.1インチノートPCをポケットに入れると、ほとんど隠れてしまうほどのサイズ感。収納能力は期待して良さそうです。
バッグの取っ手の部分には、Smart Power Bankがスッポリ収まる専用スペースが用意されています。
このスペースには、内部にチャックが取り付けられており、ドッキングステーションからのケーブルをバッグ内部に導き入れることが可能。
Smart Power Bankが満充電の状態でノートPCのアダプターをつなぎ、その状態でノートPCのバッテリーを外して「Smart Power Bankからの電源のみ」の状態にしました。こうすることで、Smart Power BankだけでノートPCを何時間駆動できるか検証してみました。
検証の結果、Smart Power BankだけでノートPCを駆動するとおよそ3時間半で内蔵バッテリーが使い果たされました。残量がなくなったときは、前面の電源スイッチが赤色に変化しました。
電源を供給しつつ、テスターを使って負荷がかかった状態の端子電圧を測定。すると、テスターの値は95.8ボルトと規定の110ボルトよりも低い状態に。この後も数回測定してみたところ、状況によっては105ボルト程度まで上昇することもありましたが、電圧の安定性は厳密には期待しないほうが良さそう。
USB端子の出力は5.02ボルトと0.93アンペアだったので、こちらはほぼ規定どおり。
使用中の本体温度をスマホ対応サーモカメラFLIR ONEで測定してみると、最も熱い部分で約50度となっていました。本体には空冷ファンが装備されていますが、動作時はバッグから出して使用するほうが良さそうです。
実際にバッグに荷物を詰めて外出してみました。Smart Power BankにノートPCとACアダプター、iPadとデジタルカメラ、そして三脚を詰め込んでおり、重量は3kg以上はある感じ。
ズッシリとした重さになったバッグでしたが、広め・厚めのストラップのおかげか、実際の重量ほど重さを感じることもなく歩くことができます。ただし、1kgもあるSmart Power Bankがバッグ上部にあるために重心が高くなってバッグの「揺さぶられ感」が少し感じられるのと、バッグを地面に置いたときに重みで「くにゃっ」と倒れてしまう点は致し方のないところかも。
ノートPCにも電源を供給できるというメリットが評価されたGoPlugのバッグですが、企画から3年が経った現在ではノートPC対応のモバイルバッテリーが市販されていることもあって従来ほどの優位性があるかどうかは判断の分かれるところと言えそう。ただし、モバイルバッテリーがDC出力しか装備していないのに対し、Smart Power Bankは汎用性の高いAC110ボルトを出力できるという点は大きなメリットとして挙げることができます。
GoPlugのSmart Power Bankはオンラインストアで299ドル(約3万3000円)、Computer Backpackは99ドル(約1万1000円)で購入することが可能。また、Smart Power BankとComputer Backpackのセットは少しお得な359ドル(約4万円)となっています。
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