メモ

世界の著しい貧富の差を示す5つのグラフ

By Steven Depolo

スイスのユニバーサル・バンクであるクレディ・スイスが世界中の財産分布を調査し、地域ごとにどれほどの貧富の差があるのかがわかるレポートを公開しました。調査は信頼できるソースから得た23カ国の世帯別バランスシートから「地域別の富の水準」「地域別の財産分布状況」を割り出し、Forbesの「世界長者番付」を参照して、最上位の富裕層の財産状況を調整して行われたとのこと。これらのレポートをQuartzがグラフ化しており、世界中の富がどのように分布しているかがわかるようになっています。

Research Institute Thought leadership from Credit Suisse Research and the world’s foremost experts
(PDFファイル)http://publications.credit-suisse.com/tasks/render/file/index.cfm?fileid=AD6F2B43-B17B-345E-E20A1A254A3E24A5

A picture of global household wealth in five charts — Quartz
https://qz.com/867317/a-picture-of-global-household-wealth-in-five-charts/

◆2005年~2016年までの世界的な金融資産(現金・株・その他金融商品)、および非金融資産(主に不動産・借金)のグラフ
2007年から2008年にかけて起こった世界金融危機が家計に大きな影響を与えており、世界的な家庭の財産が激減しているのがわかります。


◆2016年の地域別の貧困層の割合(世界中で財産の少ない方から50%を抽出)
インド・アフリカでは成人人口の約80%が貧困層~中間層に当たり、富の格差が激しいことを示しています。最も富の格差が少ないのは北米とヨーロッパですが、さまざまな国が集まったヨーロッパは実のところ北米ほど差が均質なわけではなく、北ヨーロッパは富裕国が多く、東・南ヨーロッパには貧困国が多いという地域格差があるとのこと。また、格差が最も少ない北米にも世界的に見て貧困層に該当する人がいるわけですが、これらは負債が資産を上回る「高所得国内の低所得者層」の存在を示しています。負債にはクレジットの信用枠や学生ローンなどが反映されています。


なお、富の変動は年齢・教育・婚姻状況に大きく影響を受けることがわかっており、若い無教養のシングルマザーは最下層に転じる可能性が最も高いそうです。

◆2016年の地域別の富裕層の割合(世界中で多い方から10%を抽出)
世界的な富裕層10%を地域ごとに振り分けると、世界中で発生している貧富の差の現状がよくわかります。富裕層の割合が大きいヨーロッパ、北米では、10万ドル(約1100万円)以上の財産を持つ人がそれぞれ25%、38%の割合で存在することがわかっています。


◆2016年の地域別の財産が1万ドル(約100万円)以下の成人の割合
インド・アフリカなどの発展途上国にはほとんど富裕層がおらず、生計を立てられないレベルの貧困層が国民の大半を占めていることを示しています。


◆世界上位1%の富裕層の最低財産額を地域別に表したグラフ
世界中の富裕層の中でも上位1%にランクインするトップレベルの富裕層の中で、最も財産が少ない人を地域ごとに列挙すると、北米の最低額は447万ドル(約5億円)であり、2位のヨーロッパの141万ドル(約1億6000万円)に大きな差をつけています。比率としては北米内の上位10%から上位1%の富の格差はインドやアフリカ全体の富の格差をしのぐレベルであり、先進国内では富裕層の中でも大きな富の偏りが生まれているようです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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