サイエンス

「ハゲになる遺伝子の位置」を科学者が特定、遺伝的原因の解明へ大きな一歩

by malehmann

5万2000人分の生体データを用いた調査で、著しい抜け毛・脱毛につながる遺伝子座(遺伝子の位置)を識別することに成功したことが報告されています。まだ個人の「はげ」をどうこうする段階ではありませんが、「なぜはげるのか」という遺伝的な原因の解明が進むことが期待されています。

Genetic prediction of male pattern baldness
http://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1006594


Study of 52,000 men uncovers the genetics underlying male pattern baldness | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-02/p-so5021317.php


これはエディンバラ大学認識老化・認識疫学センターのSaskia Hagenaars氏と同センターの統計遺伝学者ウィリアム・デイヴィッド・ヒル氏らによって行われた研究で、学術誌・PLOS Geneticsに2月14日に掲載されました。

Hagenaars氏らは、「はげ」に関するゲノム全体の共同研究を行っているイギリスの生体バンクと協力して、40歳から69歳の男性5万2000人のゲノムと健康データを調べました。


その結果、著しい脱毛・抜け毛と結びついた、287の遺伝子座を正確に示すことができました。また、共通の遺伝的変異に基づいて「脱毛がない」「著しく脱毛する」を識別する予測アルゴリズムも開発したとのこと。

Hagenaars氏によれば、男性を「はげ」にする遺伝的シグナルの多くは母親から受け継いだX染色体由来のものだったそうです。

ヒル博士は、今回の研究に用いたデータは「はげの形」について集められたもので、はげ始めた年齢によるものではないので、今後、「はげ始め」を識別することができるようになればさらに強い遺伝的シグナルを理解できると期待しているとのこと。

「個々人がはげるパターンを正確に予測するというところにはほど遠い」と、研究に携わったリカルド・マリオーニ博士は語っていますが、今回の研究で「はげ」の遺伝的原因の解明へ大きく踏み出したのは間違いないので、やがては期待されるような「はげ予測」もできるようになるのかもしれません。

最終的に「はげ対策」までできるようになれば、悲しそうに「また髪の話してる」とつぶやくアスキーアートが使われることはなくなるはず。

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            |  彡⌒ミ
           \ (´・ω・`) また髪の話してる・・・
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              (γ /:::::::
               し \:::
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in サイエンス, Posted by logc_nt

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