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カエルを飲み込んで自由にはき出せるパフォーマーはどんなトリックを使っているのか?


カエルのような小動物をはじめ、金魚やマウスを口から飲み込んで何事もなかったかのように再び吐き出すというトリックで人々を驚かせるパフォーマーがいます。方法を知らない人にとっては見当もつかない芸当をやってのけるパフォーマーの技術を、歴史を交えながら解説したムービー「How David Blaine barfs frogs」が公開されています。

How David Blaine barfs frogs - YouTube


ネットメディア「Vox」が作成したムービーに登場するのは、マジシャン・奇術師のデビッド・ブレイン氏。カードなどを使ったマジックのほか、カエルを吐き出す奇術や針金を体に刺してもなんともないといった奇術をレパートリーとするパフォーマーです。


ブレイン氏の奇術の1つが、口から飲み込んだカエルを吐き出すというもの。飲み込んでしまうともう二度と戻ってこないと思ってしまうところですが、彼のように自由自在に物を飲み込んで吐き出せる人は存在します。


そんな手法の手がかりを教えてくれるのが、イギリスのマジシャンであるキーロン・ジョンソン氏。彼も同じく物を自由に吐き出すトリックをレパートリーとするパフォーマーです。


彼らが得意とするのは、物を食道や胃から自由に出し入れする「逆流トリック」と呼ばれるもの。特殊な訓練を行った者だけが可能な奇術です。


ジョンソン氏が得意とするのが、コインを使った逆流トリック。複数のコインを飲み込んで、再び口から出すという芸当ですが、すごいのはその際にコインの裏表を感触で判別して、思い通りに取り出せるということ。


逆流トリックの歴史は古く、1600年代には大量の水を飲み込んで、噴水のように吐き出すという奇術があったことが記録されています。


特に有名なのが、1930年前後に活躍していたパフォーマーのハジ・アリ氏。水を使った逆流トリックと、さらにその上を行く奇術をモノにしていたとのこと。


それが、2種類の液体を飲み込み、別々に吐き出すというもの。アリ氏は普通の水に加えて可燃性の液体・ケロシンを飲み込み……


まずはケロシンを噴水のように吐き出し、家の模型に火をつけてしまいました。


そしてその後、今度は水を吐き出して消火。これは、胃の中で比重の軽いケロシンと水が分離することで可能なトリックだそうです。


さらに、1900年代初頭には「人間水族館」と呼ばれたパフォーマー、マック・ノートン氏がいました。


ノートン氏を良くあらわしたイラスト。胃の部分に金魚やカエルが泳ぎ回っていることがわかります。


彼の特長は、複数の生き物を飲み込んで、次々に吐き出すという芸当。


そのため、時には何匹飲み込んだのか把握しきれないこともあったようで、楽屋に帰ってから「まだ胃の中に残ってるんじゃないか……」と恐怖していた様子も記録されています。


そんな一方、ジョンソン氏はブレイン氏について「怖い物知らず」と語ります。


体を張ったパフォーマンスで知られるブレイン氏は、体に針金を突き刺すパフォーマンスを見せるほか……


息を止めて17分間も潜るという芸当を披露


そんな中、2010年に放送されたテレビ番組「Iconoclasts」(破壊者、の意)の中でブレイン氏は、あるパフォーマンスに関心を示します。


それが、アリ氏のレパートリである、ケロシンと水を吐き分けるトリック。


その3年後、ブレイン氏はテレビ番組「ジミー・キンメル・ライブ」の中で習得した技を披露。まずケロシンでゴミ箱に火をつけ……


水で消火してしまいました。


しかし、水のような液体ではなく、カエルを飲み込むというのはまた別の技術が求められます。固形物を自由に出し入れするために、ブレイン氏は小さなポテトを使って訓練を繰り返します。


人間の体には、大きすぎるものなどを飲み込んでしまうと体が吐き出そうとする反応が備わっています。この反応を意のままに操るための訓練です。


このポテトを使った訓練方法は、かつての有名逆流パフォーマー、グレート・ワルドー氏にも通じるところがあるとのこと。


ワルドー氏はマウスを飲み込んだあとに……


タバコを吹かし、再びマウスを吐き出すという技の持ち主です。


その訓練には、糸をつけた小さなポテトが用いられていたとのこと。その状態で、胃や食道の筋肉を操って自由に出し入れする訓練を繰り返します。


特に重要になるのが、食道の上部にあって、肺につながる気道との切り替えを行っている「上部食道括約筋」です。この筋肉があるおかげで、健康な人は食べ物が食道から口に逆流するのを防げると同時に、吸った空気が空気を胃ではなく肺に向かわせることができています。


さらに、胃の周囲の筋肉を収縮させて、カエルなどの物体を押し出すという能力も身に付けなくてはならないとのこと。


ブレイン氏の場合、食道の中にカエルをしのばせていることが考えられるのと……


胃の中にまでカエルを入れてしまっているどちらかが考えられるとのこと。この時、胃酸や高い温度でカエルに被害が及ばないように、大量の水を飲んでいると考えられているとのこと。


こんな風に、訓練のたまもので逆流トリックを身に付けたパフォーマーのみなさんでした。まかり間違っても、何の心得もない素人が「やってみよう」とは思わないように注意してください。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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