ハードウェア

ウマ1頭を丸ごとCTスキャンできる装置がロボット技術を応用して誕生


体内を輪切りにした状態で見ることができる「CTスキャン」は医療の現場でも広く使われている装置ですが、専用の台に乗った状態で撮影を行うために患者に負担を強いることもありました。ペンシルバニア大学の専門家が開発した新しいCTスキャナは、対象となる人や動物が普段どおりの姿のままスキャンできる装置となっており、馬一頭をそのままスキャンすることも可能となっています。

New Bolton Center Pioneers Revolutionary Robotics-Controlled Equine Imaging System - YouTube


馬を一頭丸ごとスキャンできる装置を開発したのは、ペンシルバニア大学獣医学部のニューボルトンセンターのチーム。Barbara Dallap Schaer准教授は、この装置により馬の診断を一変させると語ります。


その装置というのがコレ。自動車の組み立てラインなどで見かける産業用ロボットを応用して、撮影したい場所に正確に装置を向けることが可能です。


馬の診断を行う際にはまず、馬を専用の台の上に立たせます。


そして馬がおびえないように目かくしを装着。


あとは装置を撮影したい場所に合わせて……


撮影を開始。すると、非常に滑らかな動きで2本のロボットアームが同期して撮影を始めました。


この装置を使うと、実際に馬が立った状態の骨格などを撮影することができるので、より実際の体の様子を撮影できるとのこと。これまでは馬をCT撮影する際には麻酔が不可欠だったとのことですが、この装置によって普段そのままの馬の姿を正確に捉えることが可能になります。


撮影した画像は3D処理することで詳細に観察することが可能。


サラブレッドのような競走馬の場合、脚のコンディションが非常に重要になってきます。疲労が蓄積して骨折してしまうと、競走馬としてのキャリアを失うばかりか、多くの場合は安楽死を選ばざるを得ないという状況があります。


この装置を使えば、従来よりも詳細な診断が可能になるほか、馬の体の構造の理解がより深くなり、事故やケガを防止することも可能になる模様。


さらにこの技術は人間の診断にも応用が可能とのこと。これまでは、台に寝そべって円形の装置に入れられる診断を行っていましたが……


より自然に近い状態での診察も可能になるとのこと。今後の開発が期待されそうな装置です。

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in ハードウェア,   生き物,   動画, Posted by darkhorse_log

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