iPhoneのカレンダーがスパム招待状で埋め尽くされる問題の解決策をAppleが追加
iPhoneにプリインストールされているカレンダーアプリは「iCloudカレンダー」という名称で、クラウド上にデータが保存されているので、ウェブブラウザやmacOS上からアクセスしてもモバイルアプリからと同じように予定の確認・追加などが行えます。このiCloudカレンダーが見ず知らずの相手から送られてきたスパム招待状でいっぱいとなり、予定の確認ができなくなるという問題が発生していたのですが、その解決策となる機能をAppleが実装しています。
Apple rolling out ‘Report Junk’ feature for iCloud Calendar invites from unknown senders to address spam | 9to5Mac
https://9to5mac.com/2016/12/11/apple-rolling-out-report-junk-feature-for-icloud-calendar-invites-from-unknown-senders-to-address-spam/
Appleが提供するiCloudカレンダーは、メールアドレスを使って友人や知人にイベントの出席依頼を送ることができます。出席依頼を送られた相手はカレンダー上にイベントへの招待状が表示されることになるのですが、この機能を悪用し、カレンダーの予定欄を広告宣伝などのスパムでいっぱいにしてしまうという迷惑行為が2016年11月初頭に報告されました。
iPhoneのカレンダー、中国語のスパム?ですべての日付に出席依頼が載せられてしまいイライラする…調べるにAppleのIDつまりメルアドを知られてたら、誰でも招待状を送りつけてカレンダーを占拠できるらしい。2030年までスケジュール埋められた pic.twitter.com/MWSbAskSVW
— チャージマンヒロム (@hiromgogo) 2016年11月3日
このスパム行為は日本を含む世界中に広がっており、アメリカでは11月第4週にあるブラックフライデーあたりがピークとなっていたそうです。
そんな中、AppleがiCloudカレンダー上にスパムを報告するための「Report Junk」というボタンを追加したことを明らかにしました。Appleによると、「Report Junk」ボタンはカレンダー上を埋め尽くすスパム招待状を削除し、スパム招待状を送信したユーザーの情報をApple側に送信するための機能です。記事作成時点では、同機能はウェブブラウザからAppleのiCloud.comにアクセスした際に表示されるiCloudカレンダーからのみ使用できる状態で、モバイルアプリなどでは利用できないようです。しかし、iOSやmacOS向けのカレンダーアプリにも近い将来に「Report Junk」ボタンが実装されることになるだろう、と海外ニュースサイトの9to5Macは報じています。
「Report Junk」ボタンは連絡先を知らない相手から届いた招待状にのみ表示されるそうです。よって、知人から届いた招待状を知らないうちにスパムとして報告してしまった、ということは起きない模様。
また、1度「Report Junk」ボタンを使ってスパム報告すると、以後は同メールアドレスから送られてくる招待状はすべてスパムとみなされ、自動でカレンダー上から削除されることとなります。なお、「Report Junk」ボタンが使用できるのは現時点ではウェブブラウザ版のiCloudカレンダーのみですが、「Report Junk」ボタンを使って削除したスパム招待状はiOSやmacOS上のカレンダーアプリでも非表示になります。
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