ARMベースのプロセッサSnapdragonで動くフル機能のWindows 10登場、Win32アプリがサクサク動くデモも披露


中国・深センで開催されているMicrosoftの開発者会議「WinHEC Shenzhen 2016」で、MicrosoftはARMベースのプロセッサ「Qualcomm Snapdragon」で動くWindows 10を発表しました。スマートフォン・タブレットで使われているSoCでWindows 10やWin32アプリがヌルヌル動く様子が披露されています。

Microsoft is bringing Windows desktop apps to mobile ARM processors - The Verge
http://www.theverge.com/2016/12/7/13866936/microsoft-windows-10-arm-desktop-apps-support-qualcomm

WinHECの基調講演で行われたデモの様子は以下のムービーで確認できます。

Windows 10 Running on a Qualcomm Snapdragon Processor - YouTube


このWindows 10は一見、普通のデスクトップ向けWindows 10のように見えますが、IntelプロセッサではなくQualcommのSnapdragon 821で動作しているとのこと。デスクトップ画面からスタートボタンを操作して、各種アプリを使う様子は極めてスムーズです。


コントロールパネルのシステムで、「Windows 10 Enterprise」版のWindows 10が、ARMベースのプロセッサSnapdragon 821(表記上は820)、4GBメモリで動作していることが確認できます。


4コアのCPUは、アイドル状態での負荷はそれほど高くありません。


Windows 10の標準ブラウザMicrosoft Edgeを使うシーンでも、スクロールなどでもたつくそぶりはなし。


もちろんEdgeのウリであるペンツールでの画面書き込みもOK。


ここまでの一連の操作におけるCPU使用率の変化がグラフで表示されていますが、Snapdragon 821のパワーで十分快適に動いているようです。


高解像度のムービーの再生シーンでは、ごくわずかにカクツクのが確認できますが、視聴にはほとんど問題ないレベル。


Snapdragon版Windows 10は、Windows 10のユニバーサルアプリはもちろんのこと、エミュレーター(バイナリトランスレーション)を使ってx86(32ビット)版の各種ソフトウェアを動かすことができます。Photoshop CCを使うデモでは……


起動やツール操作で不自然な動きはなく、一般的なIntelプロセッサで動くWindows 10と同等のスムーズさ。エミュレーターを利用しているため、CPUを使う動作ではもたつきがありそうですが、極めて快適に操作できるレベルとなっているようです。


3Dゲーム「World of Tanks Blitz」もヌルヌル動いています。


Wordアプリも……


問題なく動きます。


ARMプロセッサで動くWindowsはSurface RTでリリースされましたが、Win32アプリが使えないという致命的な欠点のため、まったく支持を集めることなく販売終了になりました。しかし、Intelプロセッサと違って省電力性に優れていてモバイル端末に向くARMプロセッサを使ってWindowsのWin32アプリを動かしたい、「過去の遺産」を活用したい、という顧客からの声は多く、MicrosoftはARMベースで動くWindows 10の開発に着手し、技術提携したQualcommとSnapdragonシリーズに対応するWindows 10を開発したとのこと。


MicrosoftはSnapdragon対応Windows 10を2017年にリリース予定で、最初にサポートされるのはQualcommの次期ハイエンドSoC「Snapdragon 835」になります。デモムービーではSnapdragon 821で快適に動いていたことから、iPhone 7シリーズに搭載されているA10プロセッサを上回る性能を持つとされるSnapdragon 835では快適にWindows 10が使えることになりそうです。

なお、これまでIntelプロセッサのサポートを続けてきたWindowsがARMプロセッサをサポートすることについてMicrosoftのテリー・マイアソン氏は、「決してIntelをないがしろにするものではない」と述べています。マシンパワーを重視する場合はInteプロセッサ、モバイル端末での利用や省電力性能を重視する場合はARMプロセッサという風に、顧客の利用状況に応じた選択ができることは、Windows 10ユーザーの利益になるというわけです。また、PCやモバイル端末メーカーに対するSnapdragon対応Windows 10のライセンス料についても、特別優遇することはないとのこと。

さらに、マイアソン氏は「Windows 10のプラットフォームとして、ノートPCにもタブレットにも使える2in1端末での需要が強くなっているものの、デスクトップPC・ノートPC・タブレット・スマートフォン・ディスプレイの不要なIoT・VRなど幅広い端末のサポートを続けていく」としており、Snapdragon対応Windows 10の登場によって、ただちにWindows 10 Mobileがフェードアウトしていくというわけではないようです。


・つづき
ARM版Windows 10がx86版Windows 10とほぼ同じサクサク具合で快適に動くデモ公開、エミュレート用システム「CHPE」を技術者が解説 - GIGAZINE

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