インスタントメッセンジャー「ICQ」が20周年を迎える

by Tatiana Bolshakova
メッセージ受信時に甲高い声で「アッオー!」と知らせてくれた往年のインスタントメッセンジャー「ICQ」が20周年を迎えました。
ICQ with video calls, free messages and low-cost phone calls
https://icq.com/windows/en

Happy 20th birthday, ICQ! | TechCrunch
https://techcrunch.com/2016/11/15/happy-20th-birthday-icq/
ICQ: 20 Years Is No Limit! – Medium
https://medium.com/@Dimitryophoto/icq-20-years-is-no-limit-8734e1eea8ea

20年前、チャットソフトといえばIRCなどが用いられていましたが、Windowsなど非UNIX系OSのユーザーにはIRCはあまりなじみがなかったことから、1996年11月15日にMirabilisというイスラエルの会社がICQを無料公開したところ人気を博しました。1997年末時点での累計利用者数は500万人、同時オンライン数は30万人以上を数えました。
1990年代末にインターネットに触れていたというユーザーなら、このメッセージ新着音を懐かしく感じるかも。
「ICQ響板」でICQのメッセージ新着音(アッオー)を鳴らしてみた - YouTube

1998年のユーザー増加数は3週間で100万人というペースに。そして1998年6月7日、MirabilisはAOLに4億700万ドル(当時のレートで約660億円)で買収されました(全株式を2億8700万ドルで取得+追加で1億2000万ドル)。その後、2001年にはユーザー数が1億人を突破。2002年にAOLはMirabilisが開発したインスタントメッセンジャー向けの特許を取得しました。
やがてOrey Gilliam氏のもとで成長を再開して「最も収益力のある子会社」となっただけではなく「AOLで最も成功したビジネスの1つ」にまでなったICQですが、2007年から2010年にかけては完全に「AOLに放棄されたプロジェクト」と化しました。マネージング・ディレクターはOrey Gilliam氏からEliav Moshe氏に変更され、2010年4月、AOLはICQをデジタル・スカイ・テクノロジーズに1億8750万ドル(当時のレートで約174億円)で売却しました。
デジタル・スカイ・テクノロジーズは2010年9月に企業名を「Mail.ru」と改め、ICQをデスクトップクライアントではなく、モバイル向けのメッセージシステムとして発展させる方針を表明。この方針は成功していて、2013年にはユーザーの半数がモバイルアプリ利用者となっていて、2014年には買収以来初めてユーザー数が増加に転じました。
20周年を迎える前に更新されなくなるソフトウェアも多い中、まさかICQが2016年になっても生きているとは思いませんでした。これからは一体、どこへ向かっていくのでしょうか。
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in ソフトウェア, Posted by logc_nt
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