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宇宙から全世界に突然謎の超巨大物体が飛来、未知の異星人とのコンタクトを描くSF映画「メッセージ」予告編


生きて意志を持つ「巨石」がある日突然世界中に出現し、「地球外生命体が侵略しにきたのでは」と世界がパニック状態になる中、言語学者が巨石とコミュニケーションを取ることで謎を解明していく映画「メッセージ」の予告編が公開されています。監督はブレードランナー続編でメガホンを取ると見られているドゥニ・ヴィルヌーヴ氏が担当しています。

Arrival Trailer #1 (2016) - Paramount Pictures - YouTube


主人公は言語学者のルイーズ・バンクス。「マン・オブ・スティール」に出演したエイミー・アダムスが演じています。


大学で教鞭を取りながら、平穏な日々を過ごしていたバンクスですが、ある時を境に事態は一変します。


夜中に起こされるバンクス。


扉を開けると、バンクスの言語学者としての力を借りたい、という政府関係者が扉の前に立っていました。


ヘリでどこかに移動させられるバンクス。


政府の緊急事態に呼び出された人の中でも、言語学者のバンクスは非常に重要な位置にいるとのこと。「何か」の目的と、どこから来たのかを言語学を駆使して理解するというのがバンクスの役目のようです。


そしてバンクスがヘリから見たのは……


そびえ立つ巨石。


巨石のまわりでは、ケガ人が出たのか人が担架で運ばれていきます。


バンクスは防護服をまとい……


巨石に向かいます。


人間と比較するとどのくらいの規模なのかがよくわかります。


巨石には18時間ごとに開閉する「ドア」がついているとのことで、バンクスら専門家たちは真四角の入り口から巨石の中へ入っていきます。


天井側にも穴がある様子。


リフトが止まると、メンバーたちの体は、まるで無重力空間に入ったかのようにふわりと浮き上がりました。


どんどん浮き上がり……


地球にいるにも関わらず、「壁に立つ」という状態に。


なぜか足元に置かれる小鳥。


「次は何が起こるの?」とバンクスが尋ねると……


「彼らが来る」とのこと。


窓のようなものを前に立ち、ただ待つメンバーたち。


すると、突然バンクスが「彼らに私の姿を確認させなくちゃ」と防護服を脱ぎ出します。


バンクスが「窓」に触れると……


前方から謎の物体が飛んできました。巨石がバンクスの行動に反応し、コミュニケーションを取ろうとしているようです。


これらの巨石は世界中に出現している様子。


突如現れた巨石の目的は何なのか、どこからやってきたのかを探る試みが始まります。


「HUMAN」と書かれたボードを……


巨石の前に表示します。


すると不思議な円マークが表示されました。これが巨石の持つ「言語」というわけです。


巨石の示すさまざまな円を分析してわかったのは、彼らが「兵器」を使おうとしているということ。


現場には一気に緊張感が漂いますが、言語の成り立ちが異なるため、「兵器」が意味するのが文字通り「兵器」なのか、それとも「道具」なのかを解読することが最重要事項に。


世界もパニック状態になってきます。


そして、巨石の真意を理解するためにバンクスは再び単身で巨石の中へ……。


Arrivalの日本での公開は未定ですが、アメリカでは2016年11月11日が予定されています。なお、Arrivalはネビュラ賞を受賞したテッド・チャン氏の作品を原作としており、日本語翻訳版はAmazonでも購入可能。カスタマーレビューでは以下のように評価されています。

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF) | テッド・チャン, 浅倉 久志・他 | 本 | Amazon.co.jp

SFが苦手な私でもすごく楽しめました。
1アイディアを、冗長に引き延ばさず短編でまとめるので、飽きずに読めます。
友人が「とにかくまずは表題作だけでも絶対読め。」と凄く薦めてきたのですが、
このアドバイスが良かったです。
ですので表題作の紹介を。
語り手は言語学者。軍から異星人の言語体系の調査チームに招かれます。
相手の言葉を知る、というのは単純に林檎→appleと、置き換えの言葉を覚える、
ということではありません。
考え方も違えば、文法のあり方も変わってくるのです。
語り手は、異星人の言語を調査する中で、逆に異星人の考え方も獲得していく。
そしてその見方で自分の人生を見ていくと…。
上記のようなSFとしてのアイディアが、
痛みと喜びの伴う「物語」として構築されていくところが見事。

また、この作品、「物語り方」がまた秀逸。
語り手が「あなた」へ語りかける段落と、通常の段落とが交互に進んでいきます。
この「あなた」は、語り手の娘を差すのですが、
ブライツライトビッグシティを持ち出すまでもなく、
「あなた」という呼びかけが連呼されると、(物語の枠外の)読み手の方にも、
呼びかけられているかのような奇妙な感覚がわき起こります。
そして呼びかけておいては、すっと別の段落に切り替わる。
だから読み手は語り手に引き込まれ、「何?」と、どんどん物語にのめり込む。
これだけでもうまいなあと最初は思っていたのです。
でも、この作品に関しては、単純にそれだけではなく、
読み進めていく中で、こういう語り口、構成それ自体が、
作者の上記アイディアの表現でもあるのだ、という事に気付かされます。
それに気付いたときはぞくぞくするほど興奮しました。

良質のSFというのは
「今自分が知っていると思っている世界の有り様は当たり前の物ではない」
ということに気付かさせてくれるのだなあと、
SFというジャンル自体への苦手意識も和らげてくれた作品です。


なお、「なぜ彼らはここにいる?」という文章が入った以下のような公式ポスターも公開されています。

Arrival (2016) - Photo Gallery - IMDb
http://www.imdb.com/title/tt2543164/mediaindex


2017/03/10追記
日本公開タイトルが「メッセージ」となったので記事タイトルを変更しました。また、日本語字幕付の予告編は以下のような感じです。

アカデミー賞8部門ノミネート 映画『メッセージ』予告編 - YouTube


日本での公式サイトは以下になります。

映画『メッセージ』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ
http://www.message-movie.jp/

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in 動画,   映画, Posted by darkhorse_log

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