ハードウェア

指先サイズで500円なのにWi-Fi内蔵・Linux搭載でIoTにも使えるコンピューター「Omega2」


指先でつまめるほどの小さな基板にCPU、メモリ、Wi-Fiなどを搭載し、拡張モジュールを組み合わせることでIoT用マシンとしても活用が可能なLinuxコンピューターの「Omega2」がクラウドファンディングサイトのKickstarterで出資を募っています。

Omega2: $5 Linux Computer with Wi-Fi, Made for IoT by Onion — Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/onion/omega2-5-iot-computer-with-wi-fi-powered-by-linux

Omega2は筆箱に入る消しゴムぐらいの大きさの基板にクロック周波数580MHzのCPUを搭載したLinuxコンピューターで、メモリ容量64MB・ストレージ容量16MBのベーシックモデルと、メモリ容量128MB・ストレージ容量32MBの上位モデルがラインナップされています。このサイズにも関わらずUSB2.0に対応し、上位モデルはMicroSDカードスロットを背面に搭載。さらに、両グレードともWi-Fiをオンボードで内蔵しています。


本体を箱から取り出してモジュールにセットし、電源を入れるだけで即起動できるというのも使いやすい仕様となっています。


また、Omega2ではアプリを使用することができるため、まるでスマートフォンや通常のPCと同じような感覚で操作が可能とのこと。アプリは専用のアプリストアからダウンロードできるほか、もちろんSDKを使って自分でプログラミングすることも可能。


そして、この小さな本体にLinuxを搭載。世の中で使われている機器が搭載しているのと同じOSをサポートするので、他と遜色ない機能を実現することが可能。さらにApacheを走らせることももちろん可能なので、サーバーとしての機能も実現できるようになっています。


対応する言語はRuby、C++、node.js、python、phpなど主なものをひととおりサポート。使い慣れた言語で環境を構築することが可能です。


Omega2は、ベンダーであるOnionが提供するクラウドサービスとシームレスに統合させることが可能。この機能はオプション扱いとなりますが、クラウド機能を活用することでネットワーク経由での機器コントロールが可能になります。


Omega2はモジュール方式を採用していて、本体に各機能を実装した基板を増設することで機能を拡張できます。


オンボードでWi-Fiを搭載するほか、モジュラーを増設することで携帯電話網やBluetooth、GPS機能を組み込むことも可能。


自作マイコンの定番、Arduinoとの互換性を持っているので、既存の環境に組み込んで使うこともできます。


各種センサーなどを組み合わせることで、人間を感知して自動でオンになる照明を実現したり……


プログラミングの勉強に使ったりすることも可能。


自作のムードライトを作ったり……


Wi-Fi機能を使ったメディアサーバーを自作することもできます。


また、スマートフォンと接続して音楽を受信し、外部機器で再生させるためのユニットにもなります。


自作ロボットの制御に活用することも可能。


Wi-Fiの電波を受けてさらに広範囲に届ける中継機にすることもできるようになっています。


Omega2はKickstarterで出資を募集中。目標金額の1万5000ドル(約150万円)に対し、記事作成時点では世界中の5000人以上の出資者から約20万ドル(約2000万円)の出資が集まっています。

5ドル(約500円)の出資でOmega2を1個ゲットすることが可能で、上位機種となるOmega2 Plusは9ドル(約900円)の出資でゲットが可能です。なお、前モデルの「Omega」との互換性も確保されています。


そして、Omega2に機能を追加するモジュール式拡張キットも各種用意されています。「Expansion Dock」(15ドル:約1500円)は、拡張のベースになるモジュールで、各種IOを搭載し、USBケーブルでPCと接続可能にするためのもの。


「Mini Dock」(15ドル:約1500円)は、Omega2にUSB端子を増設するためのシンプルなモジュール。


「Power Dock」(15ドル:約1500円)は、その名のとおりOmega2にUSB経由で電源を供給するためのモジュール。Omega2は3.3Vの電源で駆動できますが、Power Dockを用いることで、よりシンプルに電源を処理することが可能。


「Arduino Dock R2」(15ドル:約1500円)は、Omega2とArduinoをドッキングさせるためのモジュール。


「Relay Expansion」(15ドル:約1500円)はリレースイッチを搭載し、240V/2Aまでの電力をスイッチングすることを可能にします。


「OLED Expansion」(15ドル:約1500円)は、白黒の表示装置を搭載したモジュールで、テキストや画像の簡易表示が可能。


「PWM Expansion」(15ドル:約1500円)は、サーボモーターなどを駆動するパルス電流を発生させるためのモジュール。


「Ethernet Expansion」(15ドル:約1500円)で、イーサネットを組み込むこともできるように。


「Bluetooth Expansion」(5ドル:約500円)はUSB端子経由でBluetoothを増設するためのドングル。


「Audio Expansion」(5ドル:約500円)の装着で、Omega2から7.1chサウンドを出力することが可能になります。


「GPS Expansion」(25ドル:約2500円)でGPS機能を組み込むことが可能。


「Proto Expansion」(5ドル:約500円)は、既存のモジュール以外の機能を自作する場合のユニバーサル基板として使えるモジュールです。


そして、サードパーティー製のモジュールである「Hologram」(45ドル:約4500円)を増設すると、3G電話網に接続することが可能になり、活用の幅が一気に広がります。


なお、Omega2のピン配列はこんな感じ。


出資の締め切りは日本時間で2016年8月24日(水)午前6時9分となっており、出荷時期は2016年11月ごろが予定されています。日本への発送には送料が必要ですが、詳細はKickstarterのキャンペーン終了後にお知らせされるようになっているとのことです。

Omega2: $5 Linux Computer with Wi-Fi, Made for IoT by Onion — Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/onion/omega2-5-iot-computer-with-wi-fi-powered-by-linux

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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