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ロシアが超高速移動体「Hyperloop」計画へ参戦決定、プーチン大統領も乗り気なわけとは?

By Global Panorama

テスラモーターズやSpaceXの創業者のイーロン・マスクが提唱した、極低圧のチューブ内を時速1000キロメートル以上の速度で走る高速移動体「Hyperloop(ハイパーループ)」プロジェクトに、ロシアが興味を示しています。ロシアはHyperloopを人の移動ではなく物流に活用することを狙っているようです。

Putin Jumps Into the Race to Build a Hyperloop - Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-07-07/putin-jumps-into-the-race-to-build-a-hyperloop

Hyperloopを開発する組織はいくつかありますが、中でも砂漠での走行試験を終えて、低圧チューブでの走行試験を開始しようとしているHyperloop Oneは、Hyperloop実現の最右翼として期待されています。


そのHyperloop Oneは設立当初からロシア資金が投入されてきたことが知られており、これまで1億ドル(約106億円)以上の資金がロシアのSummaグループのジヤウトジン・マゴメドフ氏によって提供されたとみられています。

そのマゴメドフ氏を伴ってロシア運輸相が2016年6月にロシアで開催されたサンクトペテルブルク国際フォーラムで、2020年初頭までにロシア極東の都市ザルビノにあるSumma港と中国の吉林省をHyperloopで結ぶために300億ループル(約490億円)の資金を提供する協定をHyperloop Oneと締結しました。Hyperloop Oneのブルース・アプビン副社長は、「ロシアはスプートニク1号で世界で初めて人工衛星を打ち上げましたが、超高速鉄道でも同じようになるかもしれない」と述べています。

ロシアがHyperloop構想に参加する狙いは、人の超高速移送ではなく物資の高速輸送であると考えられています。近年、石油価格の暴落とウクライナ問題によるEUとの摩擦が原因となって経済的苦境に立たされているロシアは、中国との結びつきを急速に強めています。しかし、中国との貿易で使われる貨物列車の平均速度は時速16キロメートルに過ぎないことから、この輸送速度をHyperloop計画によって大幅に高めることで、経済的なメリットが大きいと考えているというわけです。


ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、サンクトペテルブルグ国際フォーラムでHyperloop Oneの首脳陣と面会したプーチン大統領について、「大統領はHyperloopプロジェクトに強い関心を表し、実現に向けて支援を約束しました」と述べています。

2017年1月にも低圧チューブ内での走行試験を予定しているHyperloop One陣営は、チューブ内走行試験に成功すればいよいよ2020年の実用化を目指して新たな開発フェーズに入り、さらなる開発資金が必要となります。この資金調達を、ロシア資本が担う可能性は高そうです。

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