時速1200kmの超高速移動体「Hyperloop」が初の屋外走行テストに成功、実走行ムービーも公開される
テスラモーターズやSpaceXで知られる実業家イーロン・マスク氏が提唱した超高速移動体「Hyperloop(ハイパーループ)」は、大きく2つの陣営に分かれて競争するかのように開発が進められています。そのうちの一つHyperloop One(旧名:Hyperloop Technologies)が、ハイパーループ・プロトタイプの走行実験を一般に公開。最初の一歩を踏み出すことに成功しました。
The Hyperloop dream just got one step closer to reality - May. 11, 2016
http://money.cnn.com/2016/05/11/technology/hyperloop-test-run/
Hyperloop Oneは「2016年5月にアメリカ・ネバダ州の砂漠で走行試験を行う」と発表し、実験コースの建設を進めていました。
時速1000kmオーバーの次世代移動体「Hyperloop」の試験用チューブが砂漠に建造される - GIGAZINE
Hyperloop Oneが開発するハイパーループの構造は、以下のムービーで確認できます。
Hyperloop One Propulsion Open Air Test - YouTube
2本のレールの中央に、磁気を発生させるコイルが並んでいます。
この磁気コイルの上を、電磁石を搭載するハイパーループの実験車両が覆い被さるようにして……
加速する、というのが今回の実験走行の内容。
ゆくゆくは実験車両の全長は伸ばされて……
前方にファンを搭載した円柱形のボディが搭載される予定。
最終的には減圧されたチューブの中を爆速で走行させる計画です。
そして、2016年5月11日、ネバダ州の砂漠で、Hyperloop Oneの開発車両のテストが行われ、多くの一般人の注目を集めながら、実走行する様子が公開されました。
Hyperloop One - Propulsion Open Air Test - YouTube
ネバダ州のラスベガスから北へ35マイル(約56キロメートル)離れた砂漠地帯。
チューブ内ではなく、屋外での推進力試験「POAT」が行われました。
テストコースはこんな感じ。
テストを見守る報道陣。
特設ステージに多くの人が集まっています。
カウントダウンがスタート。
コントロールセンターも緊張ぎみ。
固唾を飲んで見守る観衆。
カウント「ゼロ」と同時に、勢いよく走り出したテスト車両。
みるみるうちに加速していきます。
煙が上がりテスト終了。
初の実走行試験は成功です。
爆走するテスト車両を横から見るとこんな感じでした。
CNNもテスト走行の様子を解説しています。
See Hyperloop One's first high-speed test - YouTube
多くの報道陣が見守る中……
ものすごい加速で走るテスト車両。
立ち上がる砂煙。テスト車両には電磁式のブレーキは搭載されていないため、砂の中に突入して減速させています。
テスト車両の最高速度は時速116マイル(時速約186キロメートル)で、最大重力加速度は2.5Gでした。
1000ヤード(約910メートル)を、1.9秒で駆け抜けることに成功。
トラックには7000Vの電圧がかけられたとのこと。
今回は屋外での実験でしたが、次回は1.5キロメートルのチューブ内を走行する予定。
走行速度は時速400マイル(時速約640キロメートル)で、チューブ内を減圧して空気抵抗を減らすことで、最高で時速700マイル(時速約1130キロメートル)を目標にしています。
Hyperloop Oneは、2019年から2021年の間に、乗客を乗せて運行することを計画しています。
なお、Hyperloop Oneとは別にハイパーループを開発中のHyperloop Transportation Technologiesは、インダクトラック磁気浮上方式の独占ライセンスを得ることに成功し、別の手法でハイパーループの実用化を目指しています。
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