やることを先延ばしにして本気になれない人に「人生の締切」を可視化して行動を起こさせるツール「your life」

by anthony kelly

「人がやるべきことを先延ばしにしてグズグズしてしまう心理」を逆手に取り、人が90歳で死ぬと仮定して、1コマで1週間、1行で1年を表現することで、自分の人生が残りどのくらいなのかを可視化してやる気を起こさせるためのライフカレンダーが「your life」です。

your life
http://some1else.github.io/life/

なぜ人はやるべきことを先延ばしにし、締切直前になって慌ててしまうのか？という心理はブロガーであるティム・アーバンさんがTEDで講演しています。アーバンさんの仮説は以下の記事から確認可能。

やるべきことを締切直前まで先延ばしにしてしまう心理に迫る「Inside the mind of a master procrastinator」 - GIGAZINE

アーバンさんによると、仕事や宿題・課題など、人がやるべきタスクを実行せずに後回しにしてしまうのは、未来を見据えて計画的に物事を行う「理性をつかさどる人」よりも、過去や未来ではなく現在の楽しさ・気楽を優先する「サル」が頭の中で勝ってしまうため。

ただし、締切直前になったり人前で恥をかきそうになったり、とにかく人が恐怖する事態が迫ってくると、頭の中で突然「パニック・モンスター」が目覚めます。パニック・モンスターの登場にはサルも人もびっくり。

動物であり理性を持たないサルはパニック・モンスターに恐怖して逃げ去ってしまいました。この時になってやっと理性を持つ人が思考のハンドルを取り戻せます。そのため、人はやるべきことにしっかりと取り組めるわけです。

問題は、宿題や仕事など、具体的な締切が実在する物事に関してはパニック・モンスターが登場するものの、「人生」という漠然とした物事にはハッキリとした締切が存在せず、パニック・モンスターがなかなか起き上がらないこと。そのため、「何か行動を起こさなくちゃ」と思っていても実行できず、「自分はだめなヤツだ」と自己嫌悪に陥ってしまう人がいます。

そこでアーバンさんが提案しているのが「ライフカレンダー」と呼ばれる、人生の締切を可視化したツール。これを、ブラウザ上で見事に表現したのが「your life」です。

your life
http://some1else.github.io/life/

your lifeは人が90歳で死ぬと仮定して、人が生まれてから死ぬまでの日々をマス目で表したカレンダー。

こんな感じで、マス目が書かれています。マス目1つが1週間を表していて、1行が1年間を表しています。

こんな感じでマス目をクリックすると色がピンクに変化します。

1コマずつクリックしていけば、人生の締切である「90歳」になるまでの残り時間がどのくらいなのかがわかるわけです。

ということで自分の年齢の分のマス目を塗りつぶしてみます。なお、横方向にドラッグすればその分マス目が塗りつぶされる……ということはなく、塗りつぶすためには1つ1つクリックしていくしか方法はありません。「ショートカットやズルができないのは人生と同じなのだな……」と思いつつ塗りつぶしていたところ、5歳になるまで3分を要しました。

ちまちまとクリックを繰り返し、6分でようやく10歳にまで成長。まだまだ人生の残り時間はたっぷりあります。単純作業をひたすら繰り返していくので、「この頃は野山を駆け回っていたっけな……」と人生について思いをはせることも可能。

16歳頃になって、「2列を同時並行でリズミカルに処理していけば、ちょっと速くなるかも！」と思い試していたところ……

既に塗りつぶした場所をクリックしてしまい、色が再度緑色に。やはり真面目にやった方がよさそうです。

15分かけて29歳と2週間まで塗りつぶして終了。

全体を見てみると、こんな感じ。

やる気が出ずにぐずぐずしている時に、your lifeを印刷したものを手元に置いておけば、「お前の人生は残りわずかだ……」ということがわかり、パニック・モンスターが目覚めてくれるのかもしれません。