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歩道を走る自動宅配ロボットが欧州5都市で試験運用開始、ロボットが街を動き回るSFの世界が現実へ


Skypeの共同設立者Ahti Heinla氏とJanus Friis氏のスタートアップである「Starship Technologies」がヨーロッパ5都市の大手宅配業者やスーパーマーケットなどとパートナーシップを組み、実際にピザなどを自動配達可能な小型デリバリーロボット「Starship」で商品を配送するテストプログラムを開始することが発表されました。

Starship Technologies launches testing program for self-driving delivery robots with major industry partners - Starship Technologies
https://www.starship.xyz/starship-technologies-launches-testing-program-self-driving-delivery-robots-major-industry-partners/

Adorable self-driving robots will start making deliveries in Europe this month — Quartz
http://qz.com/723627/adorable-self-driving-robots-will-start-making-deliveries-in-europe-this-month/

「Starship」はバックパック1つ分ほどの荷物を運ぶことができる無人の小型デリバリーロボットで、車道ではなく歩道を使って商品を配送することができます。Starshipの詳しい詳細や、動いている様子は以下の記事を読むとよくわかります。

ピザを自動で無人配達する小型デリバリーロボット「Starship」が登場 - GIGAZINE


Starship Technologiesはヨーロッパ最大級の食品配送会社Just-Eat.com、ドイツの宅配便会社Hermes、ドイツのスーパーマーケットチェーンMETRO GROUP、ロンドンの食品配送スタートアップProntoの4社とパートナーシップを組み、イギリス・ドイツ・スイスなどのヨーロッパ5都市でStarshipを使った自動配送のテストプログラムを開始します。

「Starship Technologiesは9カ月間にわたって12の都市でStarshipのテスト走行を行い、ロボットで実際に商品を配送するノウハウを作り上げました」と話すのはStarship TechnologiesのCEO兼CTOのAhti Heinla氏。Starshipのロボットはコントロールセンターから人間のオペレーターがモニターしながら、半径3マイル(約4.8km)内の目的地へ小包や食料雑貨類を自動で配送可能。テスト走行は5000マイル(約8046km)におよんでおり、40万人以上に荷物を届けることに成功していますが、一度も事故を起こしていないのは驚き。


配送業者と消費者の最後の区間のことは物流業界で「ラストワンマイル」と呼ばれていますが、Starship Technologiesはラストワンマイルにおける時間とコストを削減することを目標としています。Starship Technologiesによると、ロンドン中心地における近年の配送コストは1回の配送ごとに最大12ポンド(約1570円)かかると試算されていますが、電気モーターと自動運転機能を持つStarshipのロボットを使えば、配送コストは1回につき1ポンド(約130円)まで削減できるそうです。

Starshipがパートナーにどれくらいのコストで何台提供されるかなどの詳細は明らかにされていませんが、各パートナーにはStarship Technologiesの従業員が派遣され、宅配エリア設定や操作などの指導を行うとのこと。一度Starshipが配送エリアの道を9つのカメラで記録すれば荷物を自動配送できるようになり、1台のStarshipが構築したマップはほかの機体とも共有できるとのこと。

ロンドンの食品配送スタートアップ・Prontの共同設立者であるジェームズ・ロイ・ポルター氏は、「来年には数千台のStarshipを導入したい」と自動配送への意欲を見せており、顧客にもロボットによる配送がスタートすることを告知する予定。最初は受け取る顧客側の混乱も予想されますが、Starshipはマイクとスピーカーを内蔵しているため、人間のオペレーターが遠隔で対処にあたりことが可能。オペレーター1人で最大100台のロボットを管理できるとのことですが、最初は自動運転ではなく、オペレーターの遠隔操作による運用が推奨されています。


ヨーロッパでも大手の配送会社らとパートナーシップが組まれたことにより、近いうちにロボットが街中を走り回るという映画のような世界が実現することになります。人間による配送は時間指定の幅が長くなってしまうため、小包1つを受け取るために何時間も自宅で待機しなければならないことがありますが、今後はロボット配送によってオンラインでの注文を簡単に受け取れるようになっていくのかも。なお、Starshipによるロボット配送はヨーロッパで7月から開始されており、アメリカでも近いうちに展開される予定です。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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