地下パイプを介して食品を配送するサービスをウェンディーズが開始予定

ファストフードチェーンのウェンディーズがロジスティクス企業のパイプドリームと提携し、注文の品をウェンディーズのキッチンから駐車場まで届ける地下配送システムの試験運用を行うと発表しました。

Wendy's Partners with Pipedream to Pilot Industry-First Underground Delivery System for Mobile Orders
https://www.prnewswire.com/news-releases/wendys-partners-with-pipedream-to-pilot-industry-first-underground-delivery-system-for-mobile-orders-301826739.html

Wendy's testing underground robot delivery system for mobile orders
https://www.usatoday.com/story/money/business/2023/05/18/wendys-underground-robot-food-delivery/70231226007/

ウェンディーズの構想は、ウェンディーズ店舗のキッチンと駐車場をつなぐように地下へパイプを敷き、その中に自律型配送ロボットを配置して食品を届けるというものです。駐車場の地上部にはピックアップポータルが設置され、顧客はポータルから食品を受け取ります。これにより、顧客は注文から受け取りまで車から降りることなく、かつ迅速に注文の品を受け取れるようになることが期待されています。

「飲み物がこぼれてしまうのでは」という心配もありますが、パイプドリームのCEOによると、飲み物の場合は飲み物用の容器を用意し、ロボットの速度を制御することで対処するとのこと。

地下配送システムの試験運用は2023年後半に開始される予定。デジタル注文が多いアメリカ東海岸の店舗での導入が検討されており、場所さえ決まれば2週間で機器を設置できるそうです。実現すれば、業界初の「地下配送システム」になります。

ウェンディーズが提携したパイプドリームは、高速かつほぼ無料(1ドル未満)で自律ロボットによる配送を可能にする、都市全体にわたる地下配送ネットワークを構築することを目標として運営されている企業です。パイプドリームのCEOは「これはほぼ不可能な課題」と認めつつ、まずは飲料水を届ける事業や小規模なコミュニティ内で実験を行っています。住宅に直接荷物を配達する設備のプロトタイプを構築した際には、Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏にも披露したそうです。

自動配送システムの発表に際し、ウェンディーズは「自律型ロボットを使うことで、顧客には迅速かつ便利なシステムを、レストランのクルーには効率を高めた合理的なシステムを提供できます。デジタル注文を革新し、より多くの人に、より効率的にウェンディーズの料理を届けることを目標にパイプドリームのデリバリー技術とシステムを活用していきます」と述べました。