Appleが音楽ライブの撮影・録画を禁止できる赤外線カメラシステムの特許を取得
by Josué Goge
スマートフォンやライブ配信アプリの登場により、ミュージシャンのライブ会場で観客が勝手に写真を撮ったり、ライブの様子を生放送したりすることが問題視されています。Appleはこの問題を解決するため、ライブ中にスマートフォンによる撮影や録画を禁止できる赤外線カメラシステムの特許を取得しています。
Apple Wins a Patent for an Infrared Camera System that Originally Caused Some Controversy - Patently Apple
http://www.patentlyapple.com/patently-apple/2016/06/apple-wins-a-patent-for-an-infrared-camera-system-that-originally-caused-some-controversy.html
Apple granted patent for way to stop iPhones from taking photos at concerts or sensitive locations | 9to5Mac
http://9to5mac.com/2016/06/28/apple-patent-infra-red-block-photos/
今回Appleが取得した特許は、iPhoneなどのモバイル端末に搭載されたカメラが赤外線信号を検知して、信号に含まれるデータを解析してカメラ機能を一時的に無効化するというもの。この技術の活用方法としては、例えば音楽ライブ会場の撮影禁止場所に赤外線送信機を配置し、まずiPhoneのカメラ機能を無効化する赤外線信号を生成。iPhoneが赤外線信号を受信すると、信号に含まれるコマンドに基づいて、写真・動画の撮影機能が一時的に無効となる、といった使い方が想定されています。
Appleは赤外線カメラシステムについて、ミュージシャンのライブ会場や、映画館、国家機密扱いの場所など、写真撮影が禁止されている場所での活用を見込んでいます。
また、この技術は単純に撮影機能を無効化するだけではなく、赤外線信号を受信したiPhoneの画面上に、さまざまな情報を表示する手段としても活用できます。例えば美術館で展示品の近くに赤外線送信機を配置し、iPhoneを持った客が近くを通ると、その展示品に関する情報を自動的にiPhoneに表示するという活用方法が考えられています。
ただし、この特許が最初に申請されたのは2011年のことで、その後にiBeaconなど赤外線通信に代わる新しい通信手段が登場しているため、ニュースサイトの9to5Macは「赤外線によるデータ通信は、やや古い方法のように感じられます。しかし、Appleがこの分野の技術を開発していることは興味深いことです」とコメントしています。
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