Googleがブロックを組み合わせて遊ぶだけでプロラミングを学べる子ども向けツール「Project Bloks」を開発中
将来のコンピューティング産業の担い手である子どもたちに、プログラミングの概念を理解させて自分のアイデアをデジタル世界に表現できるスキルを身につけてもらうプログラミング教育において、キーボード入力によるコーディング作業が不要な「Tangible programming(触覚プログラミング)」の有用性が叫ばれ、さまざまなツールが誕生しています。ハイテク企業のGoogleも、子どものプログラミング教育のためにTangible programmingを活用したツール「Project Bloks」を開発中です。
Project Bloks - Creating a development platform for tangible programming
https://projectbloks.withgoogle.com/
Project Bloksがどのようなプログラミング学習ツールなのかは、以下のムービーを見れば分かります。
Introducing Project Bloks - YouTube
「『Project Bloks』のゴールは、デザイナー、開発者、研究者たちが子ども向けの『Tangible programming(触覚プログラミング)』に必要なあらゆるものを提供できるオープンなハードウェアプラットフォームを作ることです」と話すのは、Googleのマギー・ジョンソン氏。
「子どもたちのプログラミング教育にとって求められていることは、表現手段を持たない子どもたちのアイデアを表現できる教育プログラムです」と語るのは、スタンフォード大学の准教授で、Project Bloksの開発メンバーのパウロ・ブリクステイン氏。
子どもたちは、手をつかって物を作るという作法で「表現」をします。
そして、この表現はたいていの場合、友達など集団の中での作業です。
手を使って遊んだり、物を考えたり、表現したりします。
「コンピューティングやプログラミングにおいても、子どもたちが新しい技術を学ぶのに最適なのは、友達たちと一緒に手で作れることだと考えています」
「プログラミング教育において、モニターやキーボードを使ったコーディング作業から離れて、友達たちと一緒に"現実世界"で問題を解決する方法は、年齢が低い場合は非常に優れていると思います」と語るのは、ローハンプトン大学で教育学を研究するマイルズ・ベリー教授。
小さな子どもたちが、プログラミング学習をより自然に効果的に学ぶために考えられたのがProfect Bloksで、手で触れるオモチャのような部品を使います。
いろいろな形に組み立てて……
みんなで考えながら、遊ぶようにプログラミングについて学ぶことができます。
このようなプログラミング教育を実現する「Tnagible proguramming」は、1970年代にMITのシムアー・パパート教授が考案したもの。
このアイデアを実現するために、さまざまなプログラミング教育ツールが開発されてきました。
Profect BloksもTangible programmingの理念にのっとって開発されています。
こんなブロックのようなパーツを……
好きな形に合体させて、プログラミングを考えます。
手を使って簡単に組み立てられ、友達と一緒に遊んだり考えたりするうちに、自然とプログラミングの考え方が学べるとのこと。
Profect Bloksのパーツは、大きく3つの部品から成り立ちます。
それは、「Brain Board」(左)、「Pucks」(右上)、「Base Boards」(右下)
Pucksは、Base Boardsに取り付けて使います。Pucksは、子どもたちがプログラムを直接手で触れられる部分。つまみや……
スイッチ
方向を決める矢印のダイヤルなどがあります。
Base Boards+Pucksのパーツは、最終的にBrain Boardと接続することで、プログラミングが完成します。
Base Boards同士を接続すれば、より複雑なプログラムを作ることも可能です。
連結した各Base BoardsにPucksを取り付ければ、プログラムの完成。
Brain BoardとBase Boardsをこんな形に接続して……
カバーを取り付ければ、ミュージックBOXの完成。
各種Pucksで、ワイヤレススピーカーを操作できます。
Project Bloksを使えば、子どもたちは自分のアイデアをさまざまな形で表現できます。
温度を検出して、条件に合致した場合に……
ライトがともるというプログラムでした。
Project Bloksでは、部品をいろいろな形に組み替えたり、条件を付けたりして遊びながら考えるうちに、プログラミングの概念を自然と理解できるというわけです。
Project Bloksのプロジェクトリーダーのジェイム・ゴールドステイン氏は、「子どもたちにプログラミングを遊びながら理解できるTangible programmingを、子どもたちが無料で利用できるようにすることがProject Bloksの究極の目的です」と述べています。
Googleは、子どもたちがプログラミングに関心をもち、プログラミングの概念を理解してアイデアを表現できるようになることは、Googleを含むハイテク企業にとって将来的に大きな利益になると考えており、キーボードを使ってコーディングできない子どもでも、プログラミングを学習できるTangible programmingのツール開発に、大きなリソースを割いているようです。
Googleは、コーディングだけでなく、子どもたちが学習できるさまざまなプログラムを開発中。
Official Google Blog: Technology to help teachers do what they do best
https://googleblog.blogspot.jp/2016/06/technology-help-teachers.html
生徒がAndroid端末を使って学習するための、教育者向けのツールや……
クイズ形式で、遊びながら学習できるソフトウェアなどを開発してます。
・関連記事
3歳児でもオモチャでプログラミングを学習できる「Cubetto」 - GIGAZINE
5歳の子どもが難解で退屈な「プログラミング」をロボットで楽しく理解できる学習システム「Root」 - GIGAZINE
コロコロ回転しながら進んだり水中を泳いだりするプログラミング学習用の球体ロボ「SPRK+」 - GIGAZINE
プログラミングの考え方が対象年齢5歳の絵本で身につく「ルビィのぼうけん」レビュー - GIGAZINE
子どもにプログラミングの授業を受けさせると外国語学習よりも意欲的になる - GIGAZINE
5秒のGIFアニメでウェブデザインやプログラミングが学習できる「Madrassa」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ