砂のサーキットで繰り広げられるビー玉のバトルになぜか手に汗握ってしまう「Sand Marble Race」

アスリートが体力の限界を出し切ってゴールを目指す競技や、レーシングドライバーが技術と体力、マシンの力を総動員して1位を目指すレースなど、限界に挑んだ人が繰り広げるドラマに観客は一喜一憂するものです。しかし、本来はなんの感情も持たないガラスでできた「ビー玉」が砂地に作られたコースを転がるだけのムービー「Sand Marble Race 500 feet」では、一体どういうわけかビー玉どうしの激しい駆け引きが行われており、観る者を引き込む謎の魅力を放っています。

Sand Marble Race 500 feet (part 2, with commentary) - YouTube

このムービーは、ビー玉などの球体の動きに見せられたオランダ人のJelle Bakkerさんが作成したもの。レースには、33個のカラフルなビー玉がエントリー。

戦いが繰り広げられるコースは、砂の斜面にクネクネと刻まれたサーキット。33個の燃える魂が遙か彼方のゴールを目指して熱き戦いを繰り広げます……と言いたいところですが、本当はただビー玉が転がるだけ。

しかし、このムービーにはそんな物理的なものを超越した熱いものが感じられます。各者スターティンググリッドにつき、戦いの幕が開けられるのを刻一刻と待ち構えています。

スターティングボード(ただの木の板)が外され、各者一斉にダッシュ！

スタート直後の波乱もなく、集団のまま第1コーナーに向けてスピードを上げて行きます。

スタート直後のホールショットを奪ったのは、水色のゼッケン4番「コメット」。そしてこれをゼッケン3番「ザ・フラッシュ」とゼッケン5番「リフレクター」が追う序盤の展開。

徐々にリードを広げるコメット。ザ・フラッシュとリフレクターはこれについていけない！このまま独走を許してしまうのか！！

コースにはいくつかの分岐路が作られており、各者思い思いのルートを選択。(本当は勝手に振り分けられるだけ)

レース中盤にさしかかると、各者一定の距離を保ちながらポジションアップを虎視眈々と狙います。そろそろ動きがありそうだ！

トップを走っていたコメットに、急に距離を詰めてきたザ・フラッシュとリフレクター！コメットのミスを誘うがごとく、後ろから強烈なプレッシャーを与えます！

ついに耐えきれなくなったコメット、なんと分岐点に脚を取られて急減速！その横をリフレクターと後ろからチャンスを狙っていたゼッケン10番「タランチュラ」が駆け抜けて行く！

トップを奪ったリフレクターとタランチュラは、めぐってきたチャンスをモノにすべく激しい走りを続けます。

しかし、ここでコメットが底力を見せてトップ2台に挑みかかる！リフレクターとタランチュラは必死のブロック！

そしてついに、コメットがトップ集団に激しいアタックを開始！この驚異の追い上げは1993年のF1グランプリ第3戦、雨のドニントンパークで見せたセナの5台ごぼう抜きをほうふつとさせる！……という感じで、なぜかビー玉レースは熱いバトルを繰り広げながらゴールを目指します。熱き戦いの結末はムービーで確認してみてください。

このほかにも、BakkerさんのYouTubeチャンネル「Jelle's Marble Runs」では、ビー玉を使った映像作品が多くアップされています。

Jelle's Marble Runs - YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCMV8B1Q5lEEb5yR8Hqkbdhg

Bakkerさんはビー玉状の物体が転がるしかけに強いこだわりがあるようで、ビー玉レース以外にもさまざまな映像をアップロードしています。以下のムービーは、登録者が7万5000人を超えたことを記念して、ドーバー海峡を欧州国際列車「ユーロスター」で超えてイギリスを訪れ、「House of Marbles」を見学したときのもの。ビー玉に対する並々ならぬ熱い思いが伝わってくるようです。

75K subs special: Visiting House of Marbles - YouTube