古代エジプトのカツラから現代のサイドカットまで、世界中で流行した髪型の歴史が2分でわかるムービー
20世紀のヘアスタイルの歴史がアニメーションでまとめてわかるムービーに引き続き、紀元前3200年から現代までの5000年以上にわたる髪型の歴史がまとめられた「A Visual History of Ancient Hairdos (and Don'ts)」が公開されています。
A Visual History of Ancient Hairdos (and Don'ts) - YouTube
編み髪は約3万年前の旧石器時代から存在していたことが、当時の小像から判明しています。紀元前3200年頃のエジプトでは、人毛や麻糸を編んだカツラをつけて、ヘアバンドやビーズで彩っていました。
男性が髪を伸ばして細かく巻いた「リングレット」は、紀元前2000年頃のもの。
ヒンドゥー教徒の男性が、頭頂部から後頭部以外の毛をそり上げた髪型が「シカ」です。
中国の少数民族のひとつミャオ族の髪型は、抜けた髪の毛や先祖代々受け継いだ髪の毛を、縄状に編んだ巨大な付け髷が特徴。現代では、染めた系や麻糸を編んだ付け髷が使われていて、重量は平均して2kgもあるとのこと。
紀元前9世紀の古代ギリシャでは、女性が後頭部で髪をまとめて、リボンなどで飾るスタイルが流行。
ローマでは、儀式の種類によって髪型が決まっており、花嫁やウェスタの巫女の髪型は、三つ編みが何重にも重なった「seni crines」と呼ばれるものでした。
正統派ユダヤ教徒の男性の髪型「ペイオト」は、耳の前方からあごにかけての毛を伸ばした髪型。旧約聖書のレビ記に「あなた方の頭の鬢(びん)の毛を剃り落としてはならない」と記されていて、ペイオトは紀元前7世紀頃から現代まで受け継がれています。
紀元前3世紀頃の中国の王朝・秦では、男性は髪を切らずに、頭頂部でまげを結って、冠をかぶる習慣がありました。
紀元1世紀のローマでは、炭火で熱した焼きごてを使って女性が前髪をカールさせて、前頭部に髪を盛りまくったスタイルが流行っていました。
中国・南北朝時代の女性の髪型は、長い髪を大きなお団子型にまとめたスタイル。
男性が長い髪を頭頂部でポニーテールに結った髪型は、9世紀ごろのもの。
聖職者が規律として頭を丸める「トンスラ」は、キリスト教・仏教・ヒンドゥー教などで見られますが、とくにカトリック教会の修道士は、頭頂部をそって周りの髪の毛をハチマキ型に残し、イエス・キリストが十字架にかけられた際に頭にかぶせていたとされる「いばらの冠」を模していました。
馬のたてがみに似せて前髪を伸ばした髪型が「フォアロック」。
モンゴルのハルハ族は、既婚女性が太いツインテールのような特有の髪型に、銀、サンゴ、ターコイズなどの宝飾品で作られた髪飾りをつけています。「スター・ウォーズ」に登場するアミダラ女王の衣装は、ハルハ族の女性を参考に作られているそうです。
14世紀頃の朝鮮王朝では、既婚女性が「オンジュンモリ」と呼ばれる、三つ編みにした髪を頭の周囲に巻きつけた髪型でした。しかし、後に「豪華すぎる」という理由で禁止されることに。
中世ヨーロッパでは、おさげを顔の両端で角のように結った髪型「コルネット」が流行。
ルネサンス期の女性の髪型は、頭の上で髪を2本の角のような形に結ったもの。
アメリカ先住民族のモホーク族は、弓を射る際に髪の毛が邪魔にならないように、頭の両側をそりあげて中央の毛だけを残す「モホーク刈り」と呼ばれる髪型でした。このモホーク刈りがもとになり、1970年代にはパンク・ファッションとともにモヒカン刈りが流行しました。
大航海時代の髪型は、髪を丸くふくらませて、あごひげを伸ばして二股に分けたもの。
「辮髪(べんぱつ)」は、モンゴル周辺に住んでいた人々が、かぶとを身につける際に頭が蒸れないようにするため、髪をそって後頭部の髪を長い三つ編みに結った髪型。
アフリカ・ヒンバ族の女性は、体や髪に赤土を塗り込み、髪の毛はドレッドヘアのように何本もの束にまとめています。
同じくアフリカに住むマサイ人の髪型は、額の中央と左右の3カ所で前髪を結んで留め、後ろ髪は長く伸ばして結ったもの。
江戸時代初期に登場した「島田髷」は、もともと未成年男子の髪型だった「若衆髷」を、遊女が女性向けにアレンジしたものから始まりました。
江戸時代の男性の髪型は、前頭部から頭頂部にかけて髪をそりあげて、残りの髪を結った「ちょんまげ」。
アメリカ先住民のホピ族の女性は、チョウチョのような形の髪型が特徴的。
17世紀から19世紀初期にかけて、ヨーロッパでは貴族の男性が長髪のカツラを使用していました。
同じく17世紀には、女性が髪を短いカールにする「hurluberlu」という髪型が登場。
女性が髪の内側に芯を入れて周りをふっくらと高く結い上げた「プーフ」は18世紀に流行。
18世紀のイギリスでは、男性は白いカツラを身につけて、後ろ髪を絹袋に包み込んだ「袋かつら」と呼ばれる髪型をしていました。
19世紀初期には、ワイヤーを使って髪の毛を編んだりねじったりして、頭の上に高く盛り上げて飾った「アポロ・ノット」と呼ばれるスタイルが流行。当時の著名な美容師、クロワッサが考案したと言われています。
1840年から1870年にかけて流行した、もみあげとひげを伸ばした「ダンドリアリー」は、1858年にアメリカで上演された笑劇「Our American Cousin」の登場人物であるダンドリアリー卿が名前の由来です。
そして2015年には、耳の上など側頭部の髪を短く刈り込む「サイドカット」が流行。
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