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全世界300カ国語のWikipediaを知識のタイムカプセルとして月面へ届ける「ウィキペディアを月に」

By NASA Goddard Space Flight Center

フリーのオンライン百科事典「Wikipedia」は2016年1月15日で誕生から15周年を迎えました。世界中で300言語のコンテンツを提供しているWikipediaは、「Wikipedia to the Moon(ウィキペディアを月に)」というページを公開。民間の月面無人探査機コンテスト・Google Lunar X Prizeの参加団体の協力のもと、現在公開されている全言語のWikipediaを「知識のタイムカプセル」として月面に持ち運ぶことが計画されています。

ウィキペディアを月に - Meta
https://meta.wikimedia.org/wiki/Wikipedia_to_the_Moon/ja

ドイツのPart-Time Scientists(非常勤科学者会)は、Google Lunar X Prizeに参加する5団体の1つ。非常勤科学者会は独自開発のローバーを2017年に月面で走らせることを計画しており、同団体のローバーは500メートル以上走行したのちにHD画質の画像とムービーを撮影し、このデータを地球に送信するというミッションを課せられる予定です。このミッションを実行するため、非常勤科学者会はローバーを開発中なわけですが、限られたローバーの積載量の中に「Wikipediaのデータを保存したディスク」を搭載するためのスペースが設けられるとのこと。


データディスクには全世界のWikipediaをまとめて移行するほどの容量はなく、履歴やメディアファイルを抜いても、300言語のうち1言語をまるごと収めることができないほど大容量になってしまいます。そのため、データディスクに搭載されるデータは、300言語のWikipediaのスナップショットが最適であると議論されています。2016年12月5日の国際ボランティアデーまでに、約300言語・約3900万の記事のデータを、約20GBの容量を単独ディスクに収めるのが目標とのこと。

記事作成時点で、Wikipedia to the Moonのプロジェクトは全4フェーズのうち、「フェーズ1:シナリオ」の段階。「フェーズ2:投票」は6月10日、「フェーズ3:作業」は7月1日、「フェーズ4:結末」が11月31日と移行していく予定です。

Wikipedia to the Moonのページには「Wikipediaは真のグローバルプロジェクトであり、単にスナップショットを月面に持ち運ぶだけでも、それは人間の知識の集合体になるでしょう」と書かれています。ローバーの発射までに全ての言語で作業を進める必要があるため、Wikipediaは各言語の「Wikipedia to the Moon」関連ページのローカライズ編集や議論などの援助をユーザーに求めています。

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in ネットサービス,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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