ハードウェア

「仮想空間の家具に座るのは危険」と10分で1万台超のVRヘッドセット予約が入ったHTCが警告


日本時間で2016年3月1日午前0時から予約がスタートした、HTCのVRヘッドセットが「Vive」です。本体価格は906ドル(約10万円)と安くはありませんが、予約受け付け開始からたったの10分で1万5000台もの予約が入ったことがHTCのエンジニアのツイートで明らかになっているように、その注目度はかなり高め。そんなHTC Viveが、「仮想空間の家具に座るのは危険」と警告しています。

HTC warns: Don’t sit on imaginary VR furniture when using the Vive | Ars Technica
http://arstechnica.com/gaming/2016/03/htc-warns-dont-sit-on-imaginary-vr-furniture-when-using-the-vive/

2014年にSamsungのGear VRがリリースされた時、VRヘッドセットを使用するに伴って発生する健康面への被害が書かれた「Health and Safety Warnings(健康と安全に関する警告)」表示が話題になりました。HTCのVRヘッドセットであるViveにもこの表示があるのですが、大部分がGear VRと同じような内容ではあるものの、一部独特の表記があるそうです。

Viveを使用する前に読むことが推奨されている説明書には「心臓病を患っているユーザーもしくは初老のユーザーはかかりつけの医師に(VRヘッドセットの)使用が可能か確認するべき」など、使用にあたっての注意点が書かれています。この中で、HTCはViveを使うことで「ユーザーの抱える心配性障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を刺激することになるかもしれない」と警告しています。

実際、VRヘッドセットはエンターテインメント分野だけでなく、医療・自動車・教育などさまざまな分野での活躍が期待されており、PTSDの治療にも一定の成果を挙げているように、脳が現実かどうか区別できないくらいにリアルな映像を見せることができると考えられています。


その説明書の文章を読むと、HTCは「Viveが見せる仮想空間がリアル過ぎて、ユーザーが『仮想空間にある物体では現実世界のユーザーの体を支えることはできない』ということを忘れてしまうのではないか」と考えていることがわかります。Viveの説明書には「仮想空間に映し出された家具などが、実物ではないことをしっかり覚えておく必要があります。そうでなければ、現実世界には存在しないものを使用しようとして、ケガをする可能性もあります。例えば、バーチャルのイスに座ろうとすれば、現実世界では尻もちをついてしまうことになります」という警告文があるように、仮想空間での家具の利用には十分注意するように警告しています。

他にも、HTCは「部屋の中を歩き回りながらViveを使うこと」が危険であるとしており、この危険を回避するために誰かに使用している様子を見てもらいながらViveを使用することを推奨しています。もちろんViveはユーザーひとりでも安全に遊べるように、「付添人」というシステムを内蔵しています。これは仮想空間に「壁」を表示することで、現実世界でユーザーの体が安全なゾーンを越えてしまわないようにするためのものなのですが、製品付属の説明書ではこの「付添人」システムに頼らないことが推奨されている模様。


また、当たり前のことですが説明書には「階段や大きな窓、熱源の近く、屋外では使用しないように」と記されています。他にも、よい足場を準備してプレイすることや、移動する際は床の上のケーブルにつまづかないようにゆっくり動くことなどが推奨されています。さらに、Viveの使用には年齢制限が設けられているわけではないのですが、「この製品は子どもの使用を想定して設計されていない」と記されている模様。加えて、説明書では「長時間の使用」で、目と手の感覚や平衡感覚に支障をきたす可能性も示唆されており、長時間の使用が疲労感や節々の痛みにつながるので、十分な休憩をはさみながら遊ぶことを推奨しています。

他にも、Viveには手の動きをトラッキングするコントローラーが付属しているのですが、「快適な姿勢で製品を操作してください」「あまり強く製品を握らないでください」「ボタンは軽く押してください」という注意書きがある模様。さらに、Wiiのコントローラーのように、使用時はコントローラーについているストラップを手首にかけることや、近くに人がいる場合は大きく手を振らないように、と注意しているそうです。


なお、「現実とデジタルの区別がつかなくなる」とHTCが警告しているVRヘッドセット「Vive」のプロモーションムービーは、以下から見ることができます。

VIVE PRE - YouTube

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in ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii

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