Windowsの超有名ゲーム「ソリティア」はインターン生によって作られたものだったことが本人降臨で確定

Windowsを使ったことがある人であれば、おそらく知らない人はいないであろうミニカードゲーム「ソリティア」を作った作者、ウェス・チェリー氏がその成り立ちを明らかにしました。チェリー氏によると、ソリティアはなんと同氏がMicrosoftのインターンとして働いていた時に作ったもので、ゲーム作成によるロイヤリティは一切支払われていないそうです。

TIL that Microsoft Solitaire was developed by a summer intern named Wes Cherry. He received no royalties for his work despite it being among the most used Windows applications of all time. : todayilearned
https://www.reddit.com/r/todayilearned/comments/3zfadv/til_that_microsoft_solitaire_was_developed_by_a/

チェリー氏はRedditのコーナー「TIL」に自ら登場し、ソリティアを開発した経緯を語っています。ちなみに「TIL」はToday I Learned(今日こんなことを聞いたよ)の頭文字を取ったもので、一般のユーザーがその日に知ったことを投稿するというスタイルのページです。

チェリー氏はその中で、「ソリティアの歴史を少し明らかにします。ソリティアは、私が1988年の夏にMicrosoftにインターンとして勤務していた時期に、暇な時間を使ってWindows 2.1向けに書いたものです。それまでに同じようなゲームをMacで遊んでいたのですが、Windowsでも遊びたかったので自分で作りました」と語り、他の誰でもないチェリー氏自身がソリティアの作者であることを明らかにしています。

そのプログラムについてチェリー氏は「コードそのものは大したことはありません……面白そうなことといえば、トランプの移動をスムーズにするために行った最適化ぐらいでしょうか。当時のEGAバッファにピクセルを載せるのは大変だったのです。当時はまだオブジェクト指向は目新しいものでしたし、Windows向けのC++コンパイラもない状態でした」と、現在とは全く違う環境でソリティアを開発したことを振り返っています。

チェリー氏はさらに「当時、Microsoftの中にはBogus softwareという『社内カンパニー(company within a company)』が存在しており、そこではサーバーだけが置かれて数人のスタッフがWindowsをハックしてゲームに使えるAPIを研究しているような場所でした。そんな状態を見て、WindowsのマネージャーはWindows 3.0にゲームを搭載することを決めたのです」とその経緯を紹介。チェリー氏は、ゲーム「Pipe Dream」をインターン中に書いて、数千ドルを得ることになりましたが、同じく開発したソリティアについては、何も支払われなかったことを明らかにしています。

By Robert Jorgenson

このように、なんとも不遇な経緯を持ってしまったチェリー氏ですが、インターン後はプログラミングの一線からは退き、現在はシアトルにほど近い場所にあるバション島で、アップルサイダー生産の事業を行っており、プログラミングはほとんど行っていないようですが、たまにサイダー製造機に組み込まれている制御用プログラムの手直しを行う時にC/C++を使うことがあるとのこと。「バション島に来ることがあったら、気軽に立ち寄ってください」とチェリー氏はRedditにコメントを残していました。

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ちなみに、一般的に「ソリティア」と呼ばれるゲームの正式名称は「クロンダイク」というもの。「ソリティア」は「一人で遊ぶゲーム」を意味するフランス語の単語であり、これがWindowsのゲームとして広まったために固有名詞として知られることになったのでした。これも「TIL(今日こんなことを聞いたよ)」の1つといえるかも。