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完成まで千時間を要する完全オーダーメイド「William & Sonのショットガン」はこうして作られる


一般的に銃は工場で大量生産されるものですが、イギリスの老舗銃火器メーカー「William & Son」では、複数人の熟練の職人が多くの工程を手作業で仕上げるオーダーメイド銃を製造しています。そんなオーダーメイド銃は一丁を仕上げるだけで1000時間以上(約2カ月)を要するのですが、そんな手の込んだ一丁のショットガンが完成するまでのメイキングムービーが公開されています。

The Making of a William & Son Shotgun - YouTube


◆バレル(銃身)職人
工程時間150時間(6.25日)、勤続40年


くすんだ銃身を火であぶって……


拭き取ると、美しいつややかな質感に変化。


微調整は全て手作業で行われています。


工具をグリグリ回すと……


銃身から溝の付いた鉄の棒が飛び出しました。


熱した銃身の上に岩のような物体を垂らしています。


これを火であぶると、銃身の表面がラッピングされたような色合いに変化しました。


◆機関部(アクション)職人
工程時間400時間(16.6日)、勤続41年


中折れ型のショットガンに弾を装塡(そうてん)したり、脱砲する時の駆動部となる機関部の部品も、職人による手作業が行われています。


なんとカーブのかかった部分までやすりで微調整。


これを機関部の本体にはめると、「カチリ」と見事に合わさりました。


◆銃床職人
工程時間100時間(4.1日)、勤続25年


銃床の形に成型された木材。


ずらりと並べられた彫刻刀を手に取り……


カリカリと彫刻刀で銃床を削っていきます。機関部などを接続する部分になるのですが、木材なので失敗は許されません。


肩に当てる部分はフチにかんなをかけて滑らかに仕上げていきます。


ニスを塗ってツヤを出し、丁寧にやすりがかけられています。


機関部に合わせてみると、「パチリ」と寸分違わずジャストフィット。


◆装飾職人
行程時間:220時間(9.1日)、勤続40年


紙に書かれた銃につけられる装飾のデザイン。


金属用の彫刻刀を手に取り……


当然のごとく手彫り。


細かい部分は拡大鏡をつけての作業となっています。


仕上がりはこんな感じで、紙に書いたデザイン通りの装飾が施されたわけです。


◆仕上げ工
工程時間:350時間(14.5日)、勤続40年


銃床の表面に手彫りで滑り止めをつけていきます。まるで機械のように均一な間隔で凹凸がつけられており、手作業とは思えません。


これまでの工程で各職人が作り上げたパーツをひとつずつ組み込んでいきます。


各パーツを固定するネジに至るまで、隙のない装飾が施されていました。


引き金のトリガーガード(用心金)が取り付けられ……


銃身・機関部・銃床が「カチッ」と音を立てて合わさります。継ぎ目にも全くすき間がないことから、職人たちの培ってきた技巧が垣間見えるというもの。


◆専属鉄砲工
勤続44年


というわけで、150時間+400時間+100時間+220時間+350時間で、のべ50日間の月日をかけて作られたショットガンがコレ。


最後に男性が試し打ちをするようです。


きらりと輝く美しい装飾が施されたショットガンから「パン」と問題なく発砲することに成功。


銃身を折ると、発砲済みの薬きょうも問題なく射出され、1丁の銃が見事完成したというわけです。

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in ハードウェア,   動画,   アート, Posted by darkhorse_log

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