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無印のSkylake「Core i3」のオーバークロック制限の解除に成功、性能向上はこんな感じ


Intel製CPUは第2世代Intel Coreプロセッサー「Sandy Bridge」シリーズ以降、オーバークロック(OC)可能なのはコードネーム「K」付きのモデルに限られ、廉価版のCore i3シリーズではK付きモデルは発売されず、OCは不可能な状態でした。しかし、マザーボードメーカーのASRockが、BIOS(UEFI)のアップデートで第6世代Intel Coreプロセッサー「Skylake」シリーズのCore i3のOC制限の解除に成功。ASRockからCore i3のOC機能開放の報告を受けたTechSpotが、さっそくCore i3-6100をOCしてその性能アップを確かめています。

Exclusive: Overclocking Locked Intel Skylake CPUs is Now Possible, Tested - TechSpot
http://www.techspot.com/review/1108-intel-locked-skylake-cpu-bclk-overclocking/

無印Core i3のOCに用いたのはASRockのゲーミングマザーボード「Fatal1ty Z170 Gaming K6


最新のBIOSバージョン「L1.92」でCore i3のOCに対応しています。


TechSpotは、Core i3-6100、8GBのDDR4-3000メモリ、Crucial MX200(1TB)ストレージ、CPUクーラーはNoctua NH-D14、Windows 10 Proという環境でOCテストを敢行。なお、最大限にOCするためにCPUの内蔵グラフィック機能を使わないでグラフィックボード(GTX 960)を使っています。


結論から言うと、CPUのコア電圧は1.35V(CPU-Z上では1.360V表記)でベースクロックをデフォルトの100MHzから127MHzにOCして、クロック数4.7GHzで安定して使うことができたとのこと。「定格から1GHzのOCを実現しており、悪くない結果だ」とTechSpotは述べています。なお、BIOSアップデートによっても倍率を上げることはできず、ベースクロックを上げることでOC可能だそうです。


Core i3-6100@4.7GHzの性能を、各種ベンチマークやソフトウェアで測定した結果は以下のとおりです。

Cinebench R15
Cinebench R15のスコアから、シングルスレッド性能は定格比で25%、マルチスレッド性能は24%と大幅にアップ。OCしたCore i3-6100は、定格のCore i5-4430を上回り、マルチスレッド性能で同程度のAMD FX-8320Eをシングルスレッド性能で圧倒することが分かります。


Sandra 2015
ベースクロックアップでのOCによって、旧来のFSBクロック数アップのOCと同様に、メモリ帯域がアップしていることがわかります。


7ZIP Benchmark
7ZIPでの圧縮速度でもCore i5-4430と同等レベルを達成しています。


・Excel 2013
Excelのワークロード時間を比較すると、定格比で18%の性能向上でCore i5-4430に肉薄する数値になっています。


・Adobe Photoshop CC
Photoshop CCではCore i5-4430を上回る結果に。


HandBrake
HandBrakeで720pのmkv形式のムービーをMP4形式にエンコードする速度は、Core i5-4430とほぼ同等。


TMPGEnc Video Mastering Works
TMPGEncで1080pのmkvムービーをMPEG2に変換する速度はCore i5-4430を上回ります。


Civilization Beyond Earth
GTX 960グラフィックボードを搭載した同じ条件でのゲーム性能を比較すると、OCしたCore i3-6100はCore i5-4430とまったく同じ数値に。


Crysis 3
Crysis 3でもCore i3-6100@4.7GHzはCore i5-4430を超えるスコアになっています。


もっともOCではCPUのコア電圧を高めていることもあり、定格状態のCore i3-6100はもちろんCore i5-4430に比べても消費電力は高めの結果となっています。


記事作成時点でSkylakeの無印Core i3のOCに成功しているのはASRock製マザーボードだけで、Z170 Pro4Z170 Pro4SZ170 Extreme3などのミドルレンジモデルでもBIOSアップデートによりCore i3のOCに対応済みとのこと。また、TechSpotによるとASRockの該当マザーボードでOCできるのはCore i3に限られず、より廉価のPentium Dual-Core G4400などのエントリーCPUもOK。しかし、Z170チップセットを搭載する比較的高価格帯のマザーボードが必要であることを考えれば、Core i3シリーズのOCがコストパフォーマンスの観点からオイシイだろうとTechSpotは述べています。

今後、ASUSやMSIなどのマザーボードメーカーもSkylakeシリーズ対応マザーで同様のOC機能を搭載してくることが期待できそうです。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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