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「iPhone向け個人間送金サービス」実現か、Appleが銀行と協議中であると報じられる


PayPalのような決済サービスが本業の企業のみならず、FacebookやTwitterのようなSNSも友達などに送金できるサービスを開始するなど、スマートフォンから気軽に個人間での金銭のやり取りが行えるようになる「P2P送金サービス(個人間送金サービス)」に乗り出しています。この流れにAppleも名乗りをあげ、iPhoneやApple Watchで利用可能な個人間送金サービスを開発することが報じられました。

Apple, Banks in Talks on Mobile Person-to-Person Payment Service - WSJ
http://www.wsj.com/articles/apple-in-talks-with-u-s-banks-to-develop-mobile-person-to-person-payment-service-1447274074

Apple in Talks to Offer Mobile Person-to-Person Payments | Re/code
http://recode.net/2015/11/11/apple-in-talks-to-offer-money-transfer-system-to-rival-paypal-venmo/

Appleは新たなデジタル決済サービスを開発するため、複数のアメリカ大手銀行と交渉を行っている、とウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。交渉に携わる複数の情報筋によると、Apple Payのようにクレジットカード・ネットワークを利用するのか、別のプロセスを利用するのかなどの詳細はわかっていませんが、iPhoneなどの端末から個人間で送金できるPayPalのようなサービスを想定しているとのこと。これに対して、Appleの広報担当はコメントを断っています。


複数の企業が提供を開始している個人間送金サービスですが、ほとんどが無料で使用可能であるため、企業にとっては「金食い虫」のサービスである、とRe/codeは説明しています。それでも多くの企業が個人間送金サービスを始めているのは、新規・既存ユーザーを問わず、プラットフォームの利用率を高める方法と見なされているためとのこと。Appleも同様に新しい個人送金サービスによって、iPhoneをさらに便利な「生活の一部」として浸透させる狙いがあると見られています。

「既存のサイフをモバイル端末に置き換える」という野望をApplePay部門のチーフであるジェニファー・ベイリー氏が2015年6月のWWDCで話していましたが、Apple Payの実装でiPhoneはクレジットカード・デビットカード・ギフトカード・ポイントカードなどの代わりになれるようになっています。新しく個人間送金サービスが開始されれば、Appleユーザーはさらに銀行口座の送金をiPhoneやApple Watchから行えるようになるため、着々とiPhoneをサイフに置き換える計画は進んでいる、と言えそうです。


なお、アメリカではPayPalのほかに「Venmo」というPayPal傘下の個人送金サービスがシェアを占めています。Venmoはモバイルアプリを通じて紐付けている銀行口座やデビットカードから電話番号・メールアドレス・Facebookのフレンド宛に送金が可能な無料サービスで、友人や家族に「10ドル返すよ」のように気軽に送金できることで人気を呼んでいます。

日本では2010年に資金決済法が施行されたことにより、銀行以外の個人間送金には「資金移動業者」の登録が必要となっています。これによりPayPalは日本での個人間送金サービスを一時停止しており、資金移動業者に登録済みの2015年現在も再開されていない状態です。一方で、国内ではLINE Payが資金移動業者として個人間送金サービスを提供しているため、日本にAppleの個人間送金サービスが来る可能性はなきにしもあらず……、と言えるかもしれません。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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