「世界で最も美しい」金沢駅鼓門を圧倒的に美しい映像で彩るプロジェクションマッピングはこうやって学生主導で完成したよレポート


世界で最も美しい駅」に選ばれた金沢駅にそびえ立つ、伝統楽器「」をイメージして作られているのが「鼓門」です。2015年10月10日(土)と11日(日)の2日間にわたって、鼓門を使ったプロジェクトマッピングが行われるとのことだったのですが、その主導が企業などではなく金沢工業大学の学生たちによって行われるということで、大学の研究室にお邪魔してどんな様子でプロジェクトが進行しているのかをのぞき見てくるとともに、実際のプロジェクションマッピングも見てきました。

金沢工業大学
http://www.kanazawa-it.ac.jp/

金沢駅に到着。


今回訪れたのは、金沢工業大学の石川県野々市市にある、モダンな建物が並ぶ扇が丘キャンパスではなく……


白山市にある、やつかほリサーチキャンパス。


扇が丘キャンパスは街中にありますが、やつかほリサーチキャンパスは田んぼに囲まれたのどかな場所にあります。


さっそくキャンパスに入ると……


中の建物は近代的な雰囲気。


「感動デザイン工学研究所」と書かれた建物に入っていきます。


静かでクリーンな雰囲気の通路を進んでいき……


情報フロンティア学部メディア情報学科 出原研究室のある「感動体験共有実験室」へ。


ということで、出原研究室に到着。プロジェクションマッピングを制作している研究室は壁に沿ってPCがずらりと並んでいるスッキリした雰囲気です。


そもそも金沢駅の鼓門を使ったプロジェクションマッピングは2013年から始まり、今年で3回目。北陸新幹線が開通することとなり、「何か夜のにぎわいを創出するものを」ということで、出原研究室が金沢市からオファーを受けたのがきっかけで、2015年のプロジェクションマッピングは北陸新幹線が開業してから初のイベント開催となっています。


鼓門のプロジェクションマッピングは「鑑賞型」と「参加型」の2種類があり、鑑賞型は5人、参加型は3人の学生が主導して制作が行われています。プロジェクトに参加するのは、基本的に研究室の4年生。そこに3年生と卒業生がサポート役として加わるそうです。


どんな感じでスケジュールを進めてきたのですか?と聞いてみたところ、「金沢の魅力を表現するには、まず金沢を知らなければ」ということでフィールドワークを行っていろんな場所を探索、その後プロジェクトに取りかかりだしたのは4月からで、5月の連休明けぐらいに本格化したとのこと。以下の写真がフィールドワークの様子。


今回のメインテーマは「Flowing Kanazawa」。フィールドワークで浅野川付近を散策した時に灯籠流しが行われているのを見て、灯籠流しをメインに金沢の持つ魅力や歴史を表現すればよいのでは、ということでコンセプトが決まりました。


ちょうど取材を行った前日にテスト投影を行ってきたとのことだったので、まずはテスト投影の様子をムービーで見せてもらいました。画面の右下には投影された映像のもともとのアニメーションが表示されており、見比べてみると、雰囲気がかなり変わることが見て取れます。

金沢工業大学プロジェクションマッピングのテストの様子 - YouTube


これまで実際に鼓門へ映像を投影するテストを行った回数は4回ほどで、取材前日の投射テストの日は、なんと雨。


呆然とするメンバー。


しかし、雨の中でもプロジェクターに雨よけカバーをかぶせてテストを続行。


投影に利用している台は初代研究室のメンバーの手作りで、環境・建築学部の学生に図面を引いてもらい、出原研究室の学生たちが図面を元に一から組み立てていったもの。


後ろから見るとこんな感じ。


これにプロジェクターを設置すると……


こうなります。本来は水平に置かなければならないプロジェクターですが、状況が特殊だということで、角度は50度に設定してあるとのこと。


後ろから見た様子。写真に写っているソニーのプロジェクターはあくまでテスト投影用のもの。本番はさらにパワーが大きい5台のプロジェクターを使って投影することに。


さらに、映像を投影するためのプロジェクターの位置や角度も初代メンバーがミリ単位で指定してくれているため、そのノウハウを使いつつテストを行ってきたとのことで、着実な積み重ねを感じます。


ただ、先輩たちが残してくれたものがあるといっても、投影する映像や状況が違うので、細部の調整はやはり必要。


ビルの壁面など比較的フラットな場所に映像を映す場合とは違い、今回のように曲面があって凹凸の激しい「鼓門」に映像を映すプロジェクションマッピングは高度な技術が求められる至難の業。例えPCのディスプレイ上できれいに映って見えても、実際に投影すると建物と映像がズレてイマイチなこともあります。そこで、MadMapperというソフトを使って、建物の凹凸に合わせて投影する位置を精密に設定する調整を行います。


現場では画面上のグリッドを格子状の鼓門に合わせて動かしていくことで、リアルタイムで映像の形状を調整できるとのこと。


ディスプレイの後ろにあるMac Proは駅前の鼓門で投影を行う時も調整のために持っていかれるもの。


なお、DSA空間デザイン大賞に入選した、昨年のプロジェクションマッピングは以下のような感じ。


鼓門の上部には鳳凰などが投影されました。


2014年度は「イラスト担当」「アニメーション担当」など、分野ごとに担当者を決めていたのですが、今回はシーンごとに担当者を分けたので、各メンバーがシーンを一から十まで制作する形。その分、映像に各自の個性が反映されているわけです。取材時は完成にむけてひたすら映像の調整を行っているとのことだったので、実際に作っているアニメーションを見せてもらいました。まずは鑑賞型プロジェクションマッピングの制作を行っている酒井拓人さん(メディア情報学科4年)から。


酒井さんはデザインもアニメーションもAdobe After Effectsで制作しているとのこと。鼓門は格子状で幾何学模様がきれいに映えるため、グリッドを利用して灯籠流しを表現しています。


一方、山内暢人さん(メディア情報学科4年)はAdobe Photoshopを使ってデザイン素材を作り、それをAdobe After Effectsで動きをつけてアニメーションにしています。ふんわりとした月光に照らされ、紅葉が舞う美しいアニメーションですが……


実は、「月明かりのシーンなので光が滲んだ感じにしたい」と思い当初はブラーをかなり掛けており、画面上のアニメーションを見て「かなりキレイな映像ができた!」と興奮していたそうですが、実際に投影すると滲みすぎて「何も見えんやん……」という事態に。木目があったり凹凸があったりで、鼓門に投影すると映像はかなりぼやけてしまうため、テスト投影後、山内さんの中では「ブラー禁止!」になったそう。


また、福永有真さん(メディア情報学科4年)は昨年のプロジェクションマッピングでも使われていた「鳳凰」を今年も制作。しかし、昨年までは2Dで表現されていたところを、今年は3Dでの表現にチャレンジしたそうです。


画面に映っているのが実際に鳳凰が羽ばたいている様子。3Dにすることで、実際に鼓門に投影された時に臨場感を感じられるようにしたかった、とのこと。


もともとCG製作が好きだったという福永さん。3DCGの鳳凰はYouTubeを見て鳥の動き方を研究するところから始まり、地元の金沢仏壇の作家さんの鳳凰の作品を参考に、1つ1つパーツを作ってモーション付けをしていくことで作成されました。


CG製作には主にblenderやモデリングソフトのSculptrisを利用。


鳥の胴体の部分はSculptrisで造形したもの。


宮林大輔さん(メディア情報学科4年)はAdobe Illustratorでデザインを作成し、それをAdobe After Effectsでアニメーション化しています。ディスプレイに映っているのはカキツバタ。


実は、他のメンバーは3年生の時から出原研究室に所属しているのですが、宮林さんは途中まで別の研究室に所属していたため、出原研究室に入ったのは2015年の4月から。3年生の時点で先輩のサポートとして関わっていた他のメンバーとは違い、宮林さんは4月に初めてAdobe After Effectsをさわり、そこからがむしゃらに猛特訓して半年間で知識や技術を詰め込めるだけ詰め込み、映像を完成させるに至った人物。


画面の端には「作ってはみたものの、日の目を見ることはない」という、ボツになった練習作品がズラリと並びます。


これが練習作品のうちの1つである、ピアノ鍵盤。格子を利用したデザインということで作ってみたものの、本来の主旨から離れすぎているため自らボツに。


鼓門に投影されるアニメーションの1つとして採用されたのがコレ。茎をイメージした緑色の夜空にカキツバタが浮かんでいる、という内容になっています。


「傘が水面に浮かんでいる」というアニメーションもあるのですが、実際に鼓門に投影してみたところ、水面をイメージした揺れがイマイチだったそうで、これも最終調整中。


話をいろいろ聞いていて分かったのですが、実は、鑑賞型のプロジェクションマッピングは、一度制作が白紙に戻っているそうです。そもそも、昨年までは北陸新幹線開通ということで、プロジェクションマッピングも希望を感じさせる「未来に突き進む」系の内容だったわけですが、新幹線が開通してしまった今年は原点に立ち返って「金沢の魅力」を表現することになったという経緯があります。

「3年目ということで、これまでとは違う新しいアイデアを出すのに苦労した」と語る宮林さん。過去2年の先輩が頑張ってきたので、ネタが出尽くした感があり、演出なりストーリーなりで「去年と同じだね」と言われないように、ワンランクアップする必要があったとのこと。


そこで、テーマが「温故知新」に決まり、時間の流れに沿って金沢の歴史を表現する予定だったのですが、完成形のイメージが全員の頭の中で描けない、という事態が発生。6月始めにいったん構想が練り直されました。


研究室の出原先生が聞き取りを行った結果、メンバーに共通するイメージが「水の流れ」だったことから、テーマが「Flowing Kanazawa」へと変更されたというわけ。一からやり直すのはやはり大変だったそうですが、「いいものを作りたい」「妥協したくない」という思いだけはメンバー内で一致していたため、やり直しを図り、最終的に構想がまとまったのは7月末のこと。

研究室にあるホワイトボードを見てみると……


プロジェクションマッピングのストーリーや盛り上がり度など、どのように展開させていくのかが書いてありました。盛り上がり度の起伏によって観客の持つ印象ががらりと変わるので、ここを確定するのが一番難しかったわけです。


もちろん構想がまとまってから映像制作に取りかかっていては間にあわないため、6月ごろから各メンバーでパーツごとの映像制作は行われていたとのこと。意見が分かれたときは気を遣いつつも、ズバズバと言い合ってお互いを切磋琢磨し、今に至っています。


さらに福永さんがPC画面を示す先には……


「シーン盛り上がり度ver3」ということで、どこでどういう映像を流して音楽に合わせてどう盛り上がっていくかが書いてありました。


ちなみに、音楽は初代プロジェクションマッピングのメンバーであり現在はDMMでゲーム制作を行っている出原研究室の卒業生(前田祐太朗さん)が作っています。音楽のプロトタイプは8月に聞いていたものの、最終版を聞いたのは取材の数日前で、プロトタイプにかなりアレンジをきかせた楽曲になっていたため、みんなびっくりしたそうです。

音源を受け取った日は、そのまま深夜まで音に合わせて映像の調整を行っていたというメンバーたち。取材の前日も深夜0時までテスト投影を行っており、プロジェクトのメンバーはそれから仮眠を取って再度研究室に集まってくれていたのでした。本番が近いとあって、みんな研究室に入り浸っている状態で、部屋の隅に置いてある大きなソファーで仮眠を取ることも。


ちなみに、部屋の真ん中には大きなテーブルが置いてあるのですが……


夜中は食堂が開いておらず、近くにコンビニもないということで、テーブルの下には非常食も隠してありました。いかにメンバーが研究室にこもって作業に集中しているのかがよく分かります。


また、鑑賞型のプロジェクションマッピングだけではなく、鼓門の前に集まった人に参加してもらう、参加型のプロジェクションマッピングも制作されています。参加型の方は全てプログラミングで作られており、openFrameworksというC++言語ベースの開発環境で制作。加藤大久さん(メディア情報学科4年)と白木宏朋さん(メディア情報学科4年)と中町沙瑛さん(メディア情報学科4年)の3人が担当しました。


2014年の参加型プロジェクションマッピングは、観客の中から何人かを選出して体験してもらう形でした。しかし、その場合、やっている人以外は見るだけで、さらには後ろの方の観客は人だかりで何を行われているのかも見えないことも。そこで今回開発されたのが「全員参加」型の「ざわざわ検出」という仕組みです。


「ざわざわ検出」とは、観客のざわざわ具合……つまり、動きをカメラで検出して映像を鼓門に映し出す仕組み。具体的に言うと、スマートフォンのライトをカメラに向かって振ると、それに合わせて柱のゲージが上がっていき、鼓門の上部を絵で染められるようになる体験となっています。ざわざわが足りないとゲージは下がっていきます。


一方で、鼓門の近くではKinectがライトを持たずに手を振っている人たちの動きを検知して、動きに合わせて塗り絵のように鼓門上部の絵を染めることが可能になっています。Kinectを使ったインタラクティブなプロジェクションマッピングは参加者の情報の制御とそれに応じて生成するビジュアルの美しさの双方を追求するもの。感性に訴えかける表現を論理的に作り出すものです。


これが実際にテスト投影で塗られていく鼓門。下絵は加賀友禅の作家さんに描いてもらったものです。


ここまでいろいろ聞いてきたところ、プロジェクトのメンバーたちはみんな、出原研究室に入るまで「映像制作なんてしたことがない、Adobe After Effectsなんて触ったことがなかった」そうなのですが、ではそもそもなぜ金沢工業大学なり出原研究室なりに入ってきたのか?という点を聞いてみました。


富山県出身の宮林さんは金沢工業大学のオープンキャンパスに参加し、メディア情報学科の先輩にあこがれて受験を決めたそうです。高校は工業関係で、電子やパソコンについて学んでいたのですが、スキルアップがしたくて大学進学を志望したとのこと。当初は別の研究室に所属していたのですが、諸事情により研究室を変更する必要があったため、「プロジェクションマッピングがやりたい!」と出原研究室に。半年間で猛特訓して映像を作れるまでになりました。


滋賀県出身の山内さんは、高校の頃パソコンが得意だったため、プログラマーになりたくて金沢工業大学に入学。しかし、メディア情報学科に入ったら「周りにもっとすごい人がいっぱいいた」とのことで、「何でこの大学に入ったんやろ……」と迷走していたのですが、2年生の時に出原研究室でプロジェクションマッピングをやっていることを知り、「やってみたい!」と参加。大学卒業後は大学院に進学する予定です。


以前、出原先生が「誰かプログラミングしたい人はいない?」と聞いた時には「絶対に嫌です」と答えていたという山内さん。出原先生も入学した経緯について「今初めて聞いた……」と驚いていました。


ということで、研究室と聞くと真剣な顔の学生たちが黙々と作業しているのかと思いきや、熱心なのはその通りなのですが、みんな自分の作業を嬉々として行っている明るい現場でした。テスト投影の時の映像だけでもプロジェクションマッピングの美しさがうかがえますが、本番は一体どのような形になるのか、わくわくしつつもいったん金沢を後にしました。


ということで、本番前日である10月9日(金)、再び金沢駅に到着。


本番前日のため、出原研究室のメンバーたちはみんな同じジャケットを着ていました。


まずは機材を搬出しなければいけないので、もてなしドームの地下へと移動。


普段は開けられることのない、壁と一体化した扉を開けると……


中はさまざまな道具が置かれた倉庫になっていました。


ここから、本番用のプロジェクターなどを取り出していきます。


かなりのサイズ&重さなので、2人がかりで扉の外へ。


機材は一度では搬出できない量なので、少しずつせっせと運び出します。


一方、地上の鼓門。


鼓門前にある広場の一角に、どんどん機材が集められていきます。


プロジェクターやプロジェクターを置くための手作り台、雨にも対応できるようにする機材カバーや……


パーテーションポールなどなど。


機材を置いてある円形ベンチの反対側には、自家発電機も用意されていました。


午後3時半ごろ、徐々にセッティング作業が始まっていきます。


倉庫から運び出してきた機材用のラックケースを開けると……


中にはPanasonicの業務用大型プロジェクター「PT-DX100K」。


これをお手製のプロジェクター台にセットしていきます。


雨よけのカバーもセッティング。


プラスチック板を使って何をしているのかというと……


あらかじめ地面に貼っておいたテープとプロジェクター台の位置がぴったり合っているかチェックしています。ここが1ミリでもずれていると鼓門に映像を投影した時に大きなズレとなってしまうわけです。


研究室に置いてあったMac Proも広場でディスプレイと接続されていきます。Mac Proが入っている箱は目隠し兼雨よけとして使用されます。


プロジェクターの前に板をかざして焦点を合わす作業中。


実際に鼓門に映像を投影すると……


鼓門の格子に合わせてうっすらと線が入りました。


この線を目で確認しながら今度はMadMapperでリアルタイムで投影する映像を調整していきます。


司会進行を行う宮林さんは練習中。


やつかほリサーチキャンパスを訪れた時には不在だった中町さんも準備に参加していました。参加型プロジェクションマッピングを担当する中町さんはKinectのセッティングを行います。


研究室の4年生では唯一の女性である中町さんは、絵や漫画が好きだったため美術系の大学に行くことも考えたそうなのですが、音楽や映像なども好きだということで、それらを包括している金沢工業大学のメディア情報学科を選択。中町さんが出原研究室に入ったのは机の上で行う勉強だけでなく、実際に動くことが好きだったためで、参加型プロジェクションマッピングでは加賀友禅作家さんの作品を使用していますが、実際に作家さんとやりとりすることから始まり、線画の状態だった作品を色づけていく編集作業も中町さんが担当したとのこと。


何度も微調整を行っているうちに、だんだん日が暮れてきました。


日が暮れてくるとうっすらですが映像が投影されていることが分かるようになるので、本格的に投影の調整が行われていきます。必死に調整する加藤さん。


日が落ちた後に投影が行われると、映像が鼓門にどのように映し出されているかがクッキリわかるようになってきました。以下の写真の門の柱の部分を見ると、映像が少しずれてしまっていることが分かります。


試験点灯の開始時間である19時が近づいてくると、徐々に慌ただしい雰囲気に。調整につぐ調整が行われ……


柱にも映像が正確に投影されるようになってきました。


試験点灯ということで、19時をすぎた時点では広場にいる人はあまり多くありませんでしたが、プロジェクションマッピングがスタート。


プロジェクションマッピングの冒頭には「Flowing Kanazawa」を象徴するような、川を流れる灯籠の映像。


宮林さんが作成した緑色の星空に浮かぶカキツバタや……


水面に浮かぶ傘。


福永さんが作成した鳳凰も圧巻の映像となっています。


鼓門の前ではプロジェクトのメンバーたちが静かに投影を眺めていたり……


投影中でも進行について話合う姿もありました。


金沢の伝統工芸(加賀友禅)で使われる加賀五彩をイメージした格子表現。


鮮やかに彩られた大輪の花。


道行く人々も思わず足を止めます。


一般に告知を行っていない試験点灯にも関わらず、あっという間に広場が人でいっぱいに。


思わず写真やムービーを撮影している人も。


鑑賞型プロジェクションマッピングのテストが終わった後には、参加型プロジェクションマッピングも行われました。


参加型はKinectを使って動きを検知するタイプと、カメラを使ってスマートフォンの光を検知するタイプの2種類の動きで映像を投影していくのですが、Kinectを使う方は、以下のような絵筆っぽいライトを動かしていきます。


カメラを使った「ざわざわ検出」は、加藤さんと白木さんが担当しますが……


なぜか柱に投影されるはずの映像が投影されないという事態に。


鼓門の下では、再度メンバーたちによって細かな調整が行われていました。この日は点灯が19時に始まり、20時には音響が使えなくなってしまうとのことでしたが、20時を過ぎても試験点灯は続いていました。


ということで、翌日。本番の日です。試験点灯の準備時には「まだ実感が湧かない」と言っていたメンバーたちでしたが、本番前、太陽が落ちたあとはやはり空気が変わり、張り詰めた雰囲気になっています。


昨年度のプロジェクションマッピングは人があふれすぎて警察に注意されたとのこと。プロジェクションマッピングの始まる19時前には警備員も集合し、本番に備えます。


開始10分前になると、広場は人が自由に歩けないほどの観客で埋め尽くされました。


取材のカメラもずらり。


ということで、鑑賞型プロジェクトマッピングの本番の様子は以下のムービーから確認できます。

幻想的な映像で鼓門が彩られる金沢工業大学のプロジェクションマッピング - YouTube


金沢駅・鼓門のプロジェクションマッピングと観客 - YouTube


参加型プロジェクションマッピングの様子は以下のムービーから。

観客が鼓門の加賀友禅を塗っていく参加型プロジェクションマッピング - YouTube


鑑賞型プロジェクションマッピングでは、座った観客たちは映し出される映像を静かに見つめます。


ムービーを撮る人ももちろんいましたが、カメラなどを使わず作品を目に焼き付けている人も多いのが印象的でした。


鼓門の下では加藤さんと白木さんが鑑賞型と参加型の切り替えを行い……


参加型のプロジェクションマッピングがスタート。参加型は、右側と左側に分かれてのチーム戦ということで、みんなスマートフォンを掲げて手を振りまくっていました。


試験投影ではうまく柱のゲージが上がらなかったのですが、本番では見事成功。


ゲージの上がり具合は、やや右側の人々の方が優勢です。


鼓門の真下では、観客の中から選ばれた少年や男性がろうそく型のライトを必死に振りまくり……


最後は中町さんが編集した鮮やかな加賀友禅が鼓門を彩りました。


大規模なプロジェクションマッピングは全長18mのガンダム進撃の巨人などのように企業が行うことが多いところを、学生が主導してテーマや構成、アニメーション作成から、実際に投影させるところまでを行っているにも関わらず、広場いっぱいの人々を魅了する作品を作り出していた金沢工業大学・出原研究室のメンバーたち。「研究室に入り浸っている」と語り、短期間で練習に練習を重ねて納得のいくものを作り上げようとしている姿からは、誰から強制されるでもなく1つのことに没頭している様子がうかがえました。その集大成とあって鼓門に映し出された映像は圧倒的で、見ていて思わずウルッとしている観客がいるのも納得の完成度となっており、金沢の歴史と現代の技術が融合したプロジェクションマッピングは一見の価値があるものとなっていました。

金沢工業大学
http://www.kanazawa-it.ac.jp/

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