ロンドン塔には悪魔の力を防ぐ魔法が施されている
by August
ロンドンの観光名所の1つであるロンドン塔は、11世紀に要塞として建てられ、宮殿や監獄、処刑場などとしても用いられました。もとが要塞であるため守りは堅牢なのですが、“住人”たちにとってはそうではなかったらしく、悪魔の力を防ぐために行われた魔法の「結界」の痕跡が見つかっています。
Tower of London staff 'used magic to repel the forces of the Devil' | Archaeology | News | The Independent
http://www.independent.co.uk/news/science/archaeology/tower-of-london-staff-used-magic-to-repel-the-forces-of-the-devil-a6697476.html
ロンドン塔の建設を命じたのは1066年にイングランドを支配した「征服王」ウィリアム1世で、要塞として作られたこともあり、ここ1000年でイギリス第1の要塞といえばロンドン塔と言われるほどの建物です。
しかし、内部調査により、塔の守りだけでは不安だった住人たちが残した「儀式」の痕跡が見つかりました。印は全部で54個あり、多くは16世紀半ばから18世紀にかけて、塔を火事や落雷、悪魔の力や魔女の魔法から守ろうとした「結界」でした。この時代には宗教改革・カトリック改革・イングランド内戦(清教徒革命)・魔女狩りなどがあり、塔を管理するHistoric Royal Palacesのオールデン・グレゴリー氏は、こうして新たに見つかった印は、事件の多かった時代のロンドン塔での生活に光を当てるものだと語っています。
ロンドン博物館の考古学者によると、見つかった印の中には聖母マリア(Virgo Virginuma)かマリアのMを逆さにしたものとみられる「ダブルVサイン」が2つ、メッシュパターンが2つ、「三脚巴紋」として知られる車輪型シンボルが1つあったとのこと。
多く見られたのは、建材にわざとつけた焦げ痕。
また、煙突の中からは雌牛・羊・ウサギの骨、皮の小片5つ、砕けた刀身、2つの陶製パイプで作られた結界のようなものが見つかりました。これらは18世紀前半のもので、サタンやそのしもべの悪魔を混乱させ、気をそらすためのものだと考えられています。
監獄・処刑場でもあったロンドン塔では、15世紀にイングランドを統治していたランカスター朝最後の王・ヘンリー6世や、叔父・リチャード3世による王位簒奪で囚われたエドワード5世と弟リチャード、「ユートピア」の著者で思想家・法律家のトマス・モア、宗教改革を招いたヘンリー8世の2番目の妻アン・ブーリン、宗教改革を主導したトマス・クロムウェルらが命を落としたと考えられていて、幽霊の目撃談もありますが、結界はこうした幽霊たちには効かないのでしょうか。
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