煙を一切出さずにおうちで燻製三昧のパナソニック「スモーク&ロースター NF-RT1000」を使ってみた
食材を煙でいぶすことでうまみを閉じ込め、深いコクを生み出す燻製調理は、どうしても煙が出てしまうため、おうちで作るのは難しいという現状があります。そんな中、パナソニックから食材を入れてボタンを押すだけで煙を出さずに燻製調理が可能な「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」が登場しており、本当に煙が出ないのか、どれほどのクオリティで燻製ができるのか、カンタンな食材から手の込んだ食材まで、実際に燻製してみました。
スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000 | ロースター | Panasonic
http://panasonic.jp/roaster/products/NF-RT1000.html
「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」が到着。
箱から出してみたところ。幅は据え置きタイプのガスコンロくらいあります。
iPhone 5sを上に置いて比較するとこんな感じ。
操作パネルはこれだけなので、電子レンジより操作はカンタン。
取っ手を引くと油受けがあり、その上に魚や肉などをのせる焼き網と……
焼き網の上に燻製皿と燻製網を置くというつくり。
内部には上下にヒーターが搭載されており、電熱制御で調理を行います。また、オーブントースターのようにヒーターが赤くなることはありません。
説明書には、燻製する食材ごとの数量・調理時間・燻製チップの量・下ごしらえの方法が記載されています。
パネルの使い方は操作手順のページを読むと、よくわかるようになっています。
◆下ごしらえの不要な食材編(うずら玉子・6Pチーズ・ベーコン)
・うずら玉子
まずは下ごしらえのほとんど不要なうずら玉子で、「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」の性能を確かめてみることにします。
うずら玉子は水煮の水を切って塩を振っておき、最後に水気を拭き取れば準備完了。
チップは付属していないので、以下のスモークチップを用意しました。いろいろな食材を燻製する場合は、クセのないサクラのチップがオススメ。スモークチップは目安として5mm以下のものを使用し、10mm以上のものがあれば取り除くか、細かく砕く必要があります。
うずら玉子の燻製に必要なスモークチップの分量は6個~12個で約10g。
これを燻製皿の内側の線の中に敷き詰めます。
食材をのせる燻製網はアルミホイルで包む必要があります。うずら玉子や肉・魚類のような、水分や油分がしたたるものはアルミホイルの上に燻製網を置いて……
上側で周囲に巻き付けます。
食材をのせた網を燻製皿にのせて……
燻製皿も必ずアルミホイルでフタをします。この時、少しでもすき間があるとうまく燻製されないので注意が必要。大きめにカットしたアルミホイルをフタのフチにしっかり巻き込んで密封すればOKです。
というわけで、本体の電源を入れたら、まずは操作パネルの「くんせい」ボタンを押します。
次に「タイマー」ボタンで加熱する時間を指定。うずら玉子は14分~19分です。
「スタート」を押すと調理が開始されます。
なお、調理中には煙が出ることは全くなく、作動音に関しても最初はほぼ無音。途中から排気が作動すると少し音が大きくなりますが、深夜の集合住宅でも問題なく使えるレベルです。実際に加熱している最中に無音状態から排気が始まる様子は、以下のムービーから見ることができます。
「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」で調理中の様子はこんな感じpanasonic - YouTube
19分後、「ピピーピピー」という電子音が鳴り、調理が完了。アルミホイルを開けると密封されていた煙や水蒸気が出ることがあるので、やけどに要注意。
というわけで、できあがった「燻製うずら玉子」はこんな感じ。ボタンを押して放置していただけにもかかわらず、キレイな茶色に色づいて燻製されていました。
食べてみると、出来たての燻製うずら玉子は黄身がアツアツでとろりとしており、燻製されたことで香りがついて深いコクがありました。
なお、燻製後のスモークチップはこんな感じで、しっかりといぶされていたことがわかります。うずら玉子の変化を見ても、大量の煙が出ていたはずですが、少しの煙も出ていなかったことには驚き。燻製特有のにおいは感じられたものの、煙と違って換気していれば部屋に残ることもありませんでした。魚調理や燻製で発生する煙とにおいは、全て内蔵されている「触媒フィルター」によって浄化されて排気する仕組みで、触媒フィルターは交換も不要という高性能っぷり。
・6Pチーズ
熱でとろけるチーズや、網目より小さなナッツなどの食材を燻製する場合は、アルミホイルを下からではなく、網の上に敷きます。
室温で10分戻した6Pチーズを網の上に並べて……
アルミホイルでフタをした燻製皿を中に入れたら、燻製モードで15分にセットして加熱スタート。
放置しているだけでチーズが完成、と思ったら、熱でとろけてぺったんこになってしまいました。
気にせずお皿に盛りつけてみると、それらしくなりました。
食べてみると、味わいはまごうことなき燻製チーズ。いつもの6Pチーズが、まるでこじゃれたバーの一品に変化しており、お酒のおつまみにピッタリ。
・ベーコン
用意するのは、市販のブロックベーコン。
ブロックベーコンは厚みが2.5cm以上のものはスライスする必要があります。今回購入したブロックベーコンの厚みは5cm近くあったので、半分にカット。
あとはキッチンペーパーで水気を拭き取れば準備完了。
燻製皿にスモークチップを15g敷き詰め、燻製網に下からアルミホイルを巻き付けたらベーコンをセット。
アルミホイルで燻製皿を密封したら、23分間で燻製調理を行います。ガス火や火の着いたスモークウッドを使わないので、ボタンを押した後は放置するだけなのは非常に楽ちん。
というわけで、燻製が終わったベーコンはこんな感じ。
カットしてみました。
食べてみると、ベーコンらしい燻製の香りがしっかりついており、外側は程よくカリっとした食感で、中は脂身がとろとろ。ベーコンはもともと燻製食品ですが、市販のものは燻製液につけているものがほとんどなので、スモークチップでいぶすことで、手軽に本物のベーコンを味わうことができるというわけです。ベーコンは特に人気が高く、お腹を空かせた編集部員が殺到、お皿には何も残らず瞬殺でした。
◆ロースター機能も使う食材編(甘塩鮭・骨付きラム肉)
・甘塩鮭
もともと「煙の出ない魚焼きロースター」としてあった製品がアップグレードしたのが「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」なので、どうせなら魚焼き機能も使う必要があるだろう、ということで甘塩鮭の切り身を用意。
切り身をそのまま焼き網にのせて……
操作パネルは「オートメニュー」を数回押して「切身」に合わせ、「焼き加減」を「弱」にしてスタートボタンを押すだけ。タイマーは合わせる必要がなく、焼き網にのった切り身の重量を自動判定して、適切な焼き時間で調理してくれます。
焼き上がりはこんな感じ。驚くことに焼き魚の煙・匂いは全く感じられず、魚焼きロースターとしても非常に優秀。このまま食べてしまいたいくらいですが、我慢してこのまま20分~30分放置して冷まします。
そして、さらに燻製調理したものがコレ。見事な燻製の色づきで、アルミホイルのフタを開けた瞬間、「我慢してよかった」と確信。
表面はしっかりと茶色くいぶされており、焼いただけでは見ることのできない「テリ」が浮かんでいます。
皮目もパリッと香ばしく仕上がっていました。
食べてみると、味わい自体はレアなスモークサーモンなのですが、スモークサーモンのうまみが何倍にも凝縮されたような出来栄え。焼いたことで出たジューシーさが燻製により閉じ込められているようです。ある編集部員は「さっきのベーコンよりおいしい」と感動していました。
皮にもしっかり燻製の香りがついており、ジューシーなのにパリパリな食感。もはやこれだけで日本酒のおつまみとしてお店に出せそうなレベルです。
・骨付きラム肉
ここまでは全て説明書のレシピ通りに燻製していましたが、ある程度慣れてきたので安く売っていた骨付きラム肉に挑戦します。
ラム肉はにおいがあるので、塩とスパイス類をしっかりすりこんで1時間ほど寝かせます。
1時間たったらラム肉を焼き網にのせて……
「オートメニュー」の「とり肉」に合わせて、「焼き加減」を「強」にして調理スタート。
扉はガラス張りになっているので、じゅうじゅうとラム肉から油がしたたる様子が確認できます。
というわけで焼き上がり。
粗熱をとってから14分間、燻製モードで調理すると……
見事な燻製ローストラムの完成。
海賊のようにかぶりついてみると、ほどよくジューシーで、ただ焼いただけでは出せないコクがふんだんに感じられます。安いラム肉だったので生肉の時は少しにおいがありましたが、スパイスとスモークのおかげでいやなにおいは全くなし。これを食べた編集部員は「ちゃんとしたレストランの料理を食べた気がする」とコメントしていました。
◆燻製道士監修 スモーク&ロースター公式燻製レシピ編(餃子の燻製・燻製即席サラミ)
「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」のウェブサイトには、燻製レシピを200種類以上掲載している「燻製道士」が監修したスモーク&ロースター専用のレシピページがあります。その中から、まずは「餃子の燻製」がカンタンそうだったのでチャレンジします。用意するものはチルドの餃子のみ。
焼き網に下からアルミホイルを巻き付け、すき間を空けて網に餃子を並べます。
15gのチップで20分燻製すると、まるで揚げ餃子のように仕上がりました。
食べてみると、皮はカリッとした食感になっており、餃子から燻製の香りがするというユニークな一品。中のタネはしっかり火が通っており、下ごしらえなしで放置するだけでカンタンに作ることができる優れものです。
最後に作るのは少し手間と時間がかかる「燻製即席サラミ」。用意するのは合びき肉(牛・豚)80gと、塩小さじ1/3、砂糖小さじ1/6、黒こしょう少々、スモークパプリカ少々です。スモークパプリカは一味で代用してもOK。
全ての材料を合わせて……
よく混ぜ合わせます。
混ぜ合わせたミンチは3等分に。
次に3等分にしたミンチを10cmほどの棒状に成形。
さらにラップに包んで、サラミっぽい形に整えていきます。
80gのミンチから3本のサラミができるわけですが、今回はレシピ通りの分量で大量に仕込んでみました。形を整え終わったら、冷蔵庫で3時間熟成乾燥させておきます。
3時間たつと表面の水気がなくなり、見た目も少しサラミっぽくなっていました。
というわけで、網の上にサラミを並べて、15gのスモークチップで16分燻製します。
出来上がりはこんな感じ。スモークパプリカが入ったことで、燻製の香りに加えてサラミっぽい香りも感じられます。
よだれがでそうなほどおいしそうなジューシー加減。
食べてみると、「サラミ風味のソーセージ」のような味わいですが、「これ本当に自分で作ったの?」と思えるほど完成度が高め。ある編集部員は「お店で出てきても満足できる」と話していました。少し手間がかかりますが、おうちでパーティーする時などにも良さそうです。
なお、燻製即席サラミは燻製中にかなり油が出るため、油がアルミホイルを破ってこぼれていましたが、2回目からはアルミホイルを2重にすると油漏れを防ぐことができました。
◆お手入れ編
「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」は受け皿のついた扉をまるごと外して洗うことができ、焼き網・燻製皿・燻製網もカンタンに手洗い可能。焼き網はフッ素加工のため、肉や魚を焼いてもこびりつきが少なく、使用後の手入れは楽な方と言えます。
また、庫内はセルフクリーニング処理がなされているため、庫内に飛び散った油は「オートクリーン機能」を使うと分解することが可能。使い方は、操作パネルの「温度設定」を長押しして、「オートクリーン」の項目を点灯させて、スタートボタンを押すだけ。20分ほど庫内が高熱になり、終了すると油が分解されているというわけです。
「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」は、室内でも煙を全く気にすることなく燻製を作りまくることができ、電気調理なので目を離してもOKなのは非常に便利。燻製のにおいは部屋に漂いますが、煙は全くでないので翌日まで残ることはなく、魚を焼く時は煙はおろか、においも全く感じませんでした。なお、燻製網が小さいため一気に大量に作ることができないのは残念なところ。大勢で燻製パーティーをするには不向きですが、1人~2人晩酌の上等なおつまみを作るのであれば、非常に秀逸な燻製調理器具となっています。
なお、記事作成時点で「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」のAmazonの価格は税込2万4900円となっています。
Amazon.co.jp: Panasonic スモーク&ロースター けむらん亭 ブラウン NF-RT1000-T: ホーム&キッチン
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